電気代 女性
(画像=polkadot/stock.adobe.com)

いよいよ梅雨明けで夏本番を迎えます。しかし、気になるのは急激な円安の進行やエネルギー価格高騰に伴い上昇傾向の電気代です。値上げの2022年ともいわれる夏の電気代を少しでも節約するため、その方法をおさらいしてみましょう。

2022年は電気代が厳しい夏に

2022年は、全国的に電気料金の引き上げが続いています。2022年6月の日本経済新聞の報道 によると、同年8月の東京電力ホールディングス管内の電気料金は、一般的な世帯で7月と比べて約250円高い9,120円前後とのことです。値上がりは、12ヵ月連続となり年間で3割上昇したことになります。

世帯人数や暮らし方によっては、ゆうに1万円を超えることが想定され、例年以上に電気代が家計を圧迫する夏となっています。電気料金が上昇している背景には、コロナ禍からの経済回復やウクライナ戦争に伴うエネルギー価格の上昇、物価高、円安など複合的な要因が指摘されています。

これだけ世界的な要因に影響されているのならば、秋以降も生活防衛のために「節電」の重要性が増してくるといえそうです。

具体的な節電方法は?

では、どのように節電に取り組んでいけばよいのでしょうか。電化製品ごとに具体的な節電方法を見てみましょう。

冷蔵庫:開閉の回数と開けている時間を減らす

真っ先にチェックしたいのが冷蔵庫です。冷蔵庫の消費電力は、家庭内で最も多く全体の14%ほど を占めるといわれています 。実践しやすい方法としては、壁から離して設置することが挙げられます。壁から離すと放熱スペースをしっかりと確保することができ、消費電力にも影響が出てきます。目安としては、壁から5センチメートル以上離すのが理想とされます。

冷蔵庫を使う際は、冷気が逃げて庫内の温度が上がるのを防ぐため、開閉の回数と開けている時間を減らすことが基本です。また同様の理由で、熱いものは冷ましてから冷蔵するようにしましょう。いずれも無理をする必要はありませんが、こうした心がけの積み重ねで電気代が年間数千円も変わってくる可能性があります。

エアコン:冷房時の風向きは水平に

次にエアコンです。エアコンは、家庭内の消費電力のうち7%ほどを占めるといわれます。夏場の冷房は、設定温度を高くすれば節電になることが知られていますが、猛暑時にまで無理して設定温度を高くすることは必ず避けるべきです。

すぐに実践できる方法のひとつに、「風向き」の設定があります。冷たい空気は下にたまりやすいので、冷房時の風向きは水平にすると、満遍なく冷やせるといわれます。また、フィルターや室外機の掃除も、エアコンの運転効率を高められるため、節電につながります。

テレビ:長い時間見ないときは本体の電源をオフに

テレビは、長い時間見ない場合、こまめに消したり本体の電源をオフにしたりすることを心がけましょう。また、画面にホコリがたまっていると画面が暗くなることがあります。そうした際に、画面の明るさ設定を上げてしまうと消費電力も上がってしまうため、画面の掃除も忘れずにしたいものです。

パソコン:電気料金の高い時間帯には充電分で

パソコンもテレビと同様、画面の明るさを抑えて設定することが節電につながります。また通気口の掃除をこまめに行い、風通しの良い場所に置くことで、本体を冷却するために必要な電力が減るため、節電効果が望めるでしょう。

また、電気料金が時間帯によって変わるお家の場合、電気料金が高い時間帯だけ電源ケーブルを抜き、その間は充電しておいたバッテリーで対処するという技もあります。ただ、この方法はノートパソコンに限られる点と、充電が切れる心配がある点がネックかもしれません。

ポイント貯めて実質的な節約を

ここまでは、なるべく電気を使わないようにする方法を見てきましたが、続いては「賢く使う」方法を確認してみましょう。

例えば、電気代の支払いでポイントをためれば、実質的に割安で電気を使用できます。

ポイントの代表例は、PontaポイントやTポイント、楽天ポイントなどです。ポイントが付与される条件はさまざまですが、新電力と契約することで使用量に応じてポイントがもらえるケースもあります。

例えば「auでんき」ならPontaポイントが付与されるといった具合です。 また、クレジットカードで電気料金を支払うようにすれば、カードの利用金額に応じてTポイントや楽天ポイントがもらえます。

たまったポイントを使って投資する?

さらに一歩進み、ためたポイントを資産運用に活用する方法もあります。上記のPontaポイントやTポイント、楽天ポイントはそれぞれにインターネット系の証券会社と提携しているため、たまったポイントで投資信託や株式などを選んで購入することが可能です。

例えば、ポイントで投資信託を購入するとしましょう。投資信託は、基準価額と呼ばれる投資信託の値段が毎営業日上下するので、元本割れを起こす可能性もあります。しかし、そもそも無料でもらったポイントで購入した投資信託であれば、元本割れのリスクにそれほど恐怖心を持つ必要もないでしょう。もちろん投資である以上、利益が生まれる可能性もあります。

まだ資産運用を始めたことがない人は、電気代の支払いでためたポイントで「練習」と思って投資してみるのもアイデアのひとつです。我慢して節約に励む夏にするのではなく、賢く電気を使う方法を考えてみてもよいかもしれません。