株で儲ける人の特徴から見えてくる成功のための鉄則とは?
(画像=お金のミカタイムZ 編集部)

株式投資は、短期間で大きな利益を上げることも不可能ではありません。個人投資家の中には、資産を10倍以上に増やした人さえいます。実際に株式で儲ける人の特徴には4つの特徴があります。

これから株式投資を始めるのであれば、すでに資産を大きく増やして成功した人を参考にすることで、成功確率を少しでも高めることができます。

そこで本記事では、株式投資で儲かる人の特徴の詳細や株式投資の基本知識について、詳しく解説します。

目次

  1. 株で儲ける3つの利益とは?
    1. 値上がり益:安値で買い、高値で売った利益
    2. 配当金:利益を出資者に還元する方法
    3. 株主優待:株の保有者に対するサービス
  2. 株で儲かる人の特徴
    1. 株価を予想できている
    2. 自分の判断や意見を持っている
    3. 他の投資家の動きを見ている
    4. 忍耐力がある
  3. 株で損する人の特徴
    1. せっかちな性格
    2. 株をギャンブルや博打だと思っている
    3. 勉強が嫌い
    4. 他人の意見を真に受ける
  4. 株で儲けるには?おすすめの投資方法
    1. 配当金や株主優待を狙う
    2. IPO銘柄を狙う
    3. 投資に慣れたらレバレッジをかける
    4. 一般NISAの節税効果を投資に活かす
    5. 一般NISAとは?
    6. 2024年からは新NISAに変更


株で儲ける3つの利益とは?

まずは、株式投資で得られる3つの利益を確認しましょう。

それぞれの利益について、詳しく解説します。

値上がり益:安値で買い、高値で売った利益

株式の株価が安いときに買って、高くなったら売って得た利益のことを「値上がり益」と呼びます。

これは株式投資で儲ける方法として多くの方が想像していることでしょう。このように価格差を利用して得られる利益を「キャピタルゲイン」ともいいます。

キャピタルゲインは株式だけでなく、FXや暗号資産(仮想通貨)、不動産への投資でも発生します。

配当金:利益を出資者に還元する方法

2つ目の利益は、「配当金」です。株式会社は出資者から資金を集めて、その資金を元手に事業を行って利益を上げます。

その利益を出資者に還元する方法が、配当です。値上がり益がキャピタルゲインであるのに対して、配当金は「インカムゲイン」と呼ばれます。

日本企業の場合、一般的に配当金は年に1回もしくは2回支払われます。配当金は株を保有していることで得られる収入なので、株価の変動に一喜一憂することなく、長期目線で投資したい場合に重視されます。

株主優待:株の保有者に対するサービス

3つ目の利益は、「株主優待」です。株主優待は日本独自の制度で、自社株を保有している人に対するサービスの一環で行われ、自社の製品やサービス、金券などを提供する企業もあります。

航空会社や鉄道会社であれば自社の優待乗車券、外食チェーンであれば無料飲食券など企業によって特色があり、株主優待を目当てに株式投資をしている人もいます。

株で儲かる人の特徴

次に、株式投資で儲かる人の特徴について見ていきましょう。

それぞれの特徴について、詳しく解説します。

株価を予想できている

将来の株価を正確に予想することは不可能ですが、ある程度の株価を予想することはできます。

実際、経済ニュースや企業の業績、PERやPBRといった各種指標、そしてチャート分析など、株価を予想するために参考になる情報や分析方法はたくさんあります。

株式投資で儲ける人は、情報収集や業績や株価分析を通じて株価を予想しています。

自分の判断や意見を持っている

株式投資が上手くいっていない人によく見られるのが、他人の意見に過度に依存するケースです。

証券アナリストや専門家の意見を鵜呑みにして投資したり、逆に「この人の予想はことごとく外れる」と決めつけて、その逆を行く投資行動を取ったりする人もいます。

どちらも投資判断を他人任せにしており、予測が外れても、なぜ外れたのかを検証しません。自分で投資判断をし、その結果を検証しなければ、いくら経験を積んでも投資スキルはなかなか上達しないでしょう。

株式投資で儲けている人は、自分の意見や投資判断をしっかり持っています。

仮にそれが外れたとしても、投資の方法を改善して次に生かすことができます。「他人任せにしない」というのは、株式投資で儲けるために必須の姿勢です。

他の投資家の動きを見ている

数百億円単位で取引を行う機関投資家がどのように動くのかを確認すると、株式の売買するタイミングを見つけやすくなります。

機関投資家の中には生命保険や年金基金、投資信託の運用会社も含まれます。これらの機関投資家は投資先を公開しているところもあるので、何の銘柄を買って売ったのかを確認することができます。

忍耐力がある

忍耐力は、投資家にとって極めて重要な能力です。株価の予想が外れて損失を抱えたときに慌ててしまうと、かえって損失を大きくしてしまう可能性があります。

感情に流されず、適切な投資の判断を下せるようになれば、大きな損失を避けやすくなります。

株で損する人の特徴

次に、株式投資で損をする人の特徴を確認しておきましょう。

それぞれの特徴について、詳しく解説します。

せっかちな性格

せっかちな性格の人は投資で大きな損失を被りやすいといえます。株式の取引を頻繁に繰り返して損失を増やし、資金が枯渇するリスクがあるからです。

株式投資ではありませんが、FXの世界には「ポジポジ病」というスラングがあります。

ポジとはポジション(未決済の約定を抱えること)のことで、明確な戦略もないままにポジションを無闇やたらに取りたがる傾向のことです。

株式投資にも同じことがいえるので、「とにかく株式を買わなければ利益も出ない」とばかりに結果を急ぎすぎるのは、「ポジポジ病」と同じです。

せっかちな性格だとこうした行動を取ってしまいやすいので、心当たりがある方は十分注意してください。

株をギャンブルや博打だと思っている

投資はギャンブルや博打ではないので、株式投資をギャンブルや博打と同じように一攫千金を狙ってしまう人は向いていません。

ギャンブルや博打好きな人は、リスクがあっても大きいリターンを見込めると、手を出してしまいがちです。このような人は無理に投資を始めずに、貯金に集中したほうがよいでしょう。

勉強が嫌い

株式投資で儲けるのに欠かせないのが、十分な知識と経験です。株式投資は、勉強すれば利益を上げられる可能性を広げられます。

株式投資で儲けるためには、株式投資の基本的な仕組みや多彩な注文方法への理解、ファンダメンタルズと呼ばれる株価に影響を与えそうなニュースや指標の分析、チャートを使ったテクニカル分析などの知識が必須です。

これらは本やネット記事、動画などで勉強できるので、それらを活用して勉強する姿勢を持ち続けましょう。

他人の意見を真に受ける

先ほど、株式投資で儲ける人の特徴として「自分の意見をしっかりと持っている」ことを挙げました。

その裏返しで、他人の意見や投資判断を鵜呑みにしてしまう人は、株式投資で損をするリスクが高くなります。

専門家の意見を鵜呑みにして株取引をするのも、反対に特定の専門家の逆の行動を取ることも、他人に依存していることに変わりはありません。

専門家の意見を参考にすることは否定しませんが、鵜呑みにしてしまうと投資スキルは向上しませんし、もしも致命的な損失を被ったときに自分自身が納得できないでしょう。

株で儲けるには?おすすめの投資方法

株式投資で儲けるおすすめの方法を3つ紹介します。

それぞれの株式投資の儲け方について、詳しく解説します。

配当金や株主優待を狙う

配当金と株主優待は、いずれも株を保有しているだけで得られる利益や特典です。もちろん業績によって変動はありますが、基本的には株価に関係なく狙うことができます。

株式市場には、花王のように「増配」といって配当金を数十年にわたって増やし続けている企業もあります。

また、株主優待についても普段利用する鉄道会社の株など、ライフスタイルに応じて利用しやすい優待を狙うとお得感が大きくなります。

この投資方法は短期的に株式を売買することを前提としていないため、短期的な株価の変動に一喜一憂しなくてよいのも魅力です。

-おすすめの銘柄は?

配当金や株主優待を狙えるおすすめの銘柄を、それぞれ3つずつピックアップしました。

銘柄名配当利回り特徴、ポイント
花王2.77%2021年度の時点で32期連続増配 を継続中で、日本で最も長い。
三井住友フィナンシャルグループ5.29%配当性向が高く、配当金は右肩上がりに増えている 。
日本郵船12.31%2018年から増配を続けており、2022年は配当利回りが10%を超えた。
※2022年4月時点
銘柄名優待の内容特徴、ポイント
オリックス同社取引先の取扱商品をカタログギフトの形で提供。2021年度の時点で32期連続増配 を継続中で、日本で最も長い。
イオン毎月20日・30日の「お客さま感謝デー」では通常の5%割引に加えてキャッシュバック特典がある。配当性向が高く、配当金は右肩上がりに増えている 。
全国保証1年以上継続して株主になると5,000円分のQUOカードか、5,000円相当の特産品を選べる。2018年から増配を続けており、2022年は配当利回りが10%を超えた。
※2022年4月時点

上記の銘柄を参考にして、配当金や株主優待を狙える銘柄を探してみましょう。

IPO銘柄を狙う

IPOとは「Initial Public Offering」の略で、株式の新規公開のことです。

2021年は125社のIPOがありました。そのうち初値が上場前の公開価格を割ったのは、わずか18社、つまり勝率は85.6%なので、多くの投資家がIPOの参加を希望します。

IPO参加希望者が多いと抽選が行われるため、ほとんどのIPOでは抽選に当選しないと株式を購入することができません。

IPO狙いは証券会社選びも重要

IPOに参加するための抽選では、証券会社によって当選確率が異なります。

主幹事会社といってIPOで中心的な役割を果たす証券会社には多くの株数が割り当てられ、IPOの取扱件数が多い証券会社であれば、それだけIPOに参加できるチャンスが多くなります。

また、証券会社によって抽選方法も異なるため、それぞれの特性を見極めてIPOに参加する必要があります。主要証券会社のIPO取扱件数と抽選方法を一覧表にしました。

証券会社名2021年のIPO取扱件数IPO抽選方法
SBI証券122社完全抽選
※落選すると次回以降当選しやすくなるポイント制度あり
SMBC日興証券81社完全抽選
※預かり資産残高に応じて抽選票数が増える
楽天証券74社完全平等抽選
マネックス証券66社完全平等抽選
野村證券64社完全平等抽選

上記以外の証券会社を含めて複数の口座を開設しておくことで、少しでもIPOの抽選の当選確率を高めることができます。

投資に慣れたらレバレッジをかける

投資には「レバレッジ」という概念があります。レバレッジとは「てこの原理」の“てこ”のことで、少ない力で重いものを動かせる作用になぞらえて、少ない資金で大きな金額の取引ができる仕組みを指します。

株式投資には信用取引という仕組みがあり、これを利用すると最大で自己資金に対して約3.3倍の投資が可能になります。投資に慣れてきたら、レバレッジを利用することも検討してみましょう。

一般NISAの節税効果を投資に活かす

NISAとは、一定額までの投資によって得られた利益が非課税になる税制優遇制度のことです。NISAには一般NISAの他に、つみたてNISAとジュニアNISAがあります。

一般NISAを活用すると、本来納めなければならない20.315%分の税金がゼロになるため、その分だけ投資家の手残りが増えます。一般NISAの制度をしっかり理解して、ぜひメリットを生かしたいものです。

一般NISAとは?

一般NISAには、年間120万円を上限とする非課税枠があります。

これを株式投資に置き換えてみましょう。例えば株価が1,200円の株を1,000株購入すると、購入金額は120万円です。値上がり益や配当を得られたとしても、この株取引に対する税金は発生しません。

一般NISAの概要は以下の通りです。

制度期間2014年1月から2023年12月まで
非課税が適用される期間5年間
年間の非課税投資枠120万円
対象となる投資商品株式、ETF
公募株式投信、REIT など
買付方法通常の買付、積立投資
払い出し制限なし

対象となる金融商品にある「ETF」とは上場している投資信託のことで、株価指数や資源などの価格と連動するように運用されるため、株と同じ感覚で投資対象の選択肢を広げることができます。

また、「公募株式投信」は投資信託のうち、運用資産に株式を組み入れている商品。「REIT」は、不動産を運用対象にしている投資信託です。

一般NISAは、現物株と各種投資信託の投資に利用できるということを押さえておきましょう。

2024年からは新NISAに変更

先ほどの一般NISAの一覧表では、制度期間のところに「2023年12月まで」とあります。

現行の一般NISAは2023年12月で一旦終了し、2024年1月から新しいNISAに制度が移行します。新しいNISAの概要は以下の通りです。

制度期間2024年1月から
非課税が適用される期間5年間
年間の非課税枠1階部分:20万円
2階部分:102万円
対象となる投資商品1階部分:金融庁に届出がある投資信託
2階部分:株式、ETF、公募株式投信、REIT など
買付方法1階部分:積立投資
2階部分:通常の買付と積立投資
払い出し制限なし

2024年に移行する新しいNISAには、1階部分と2階部分があります。

1階部分と2階部分を合計すると122万円になるため、現行の一般NISAよりも非課税枠が2万円分拡大していますが、現行の一般NISAと同じ感覚で利用できるのは2階部分の102万円までです。

1階部分は積立投資に適したつみたてNISAと同様の仕組みになっているため、1階部分では積立投資しかできません。新しいNISAは、現行の一般NISAにつみたてNISAを一部組み込んだ制度といえるでしょう。

金融庁は制度の主旨を以下のように説明しています。

より多くの国民に積立・分散投資による安定的な資産形成を促す観点から、積立てを行っている場合には別枠の非課税投資を可能とする2階建ての制度に見直され…(以下略)

引用元:金融庁「NISAとは?」

現在は一般NISAとつみたてNISAの併用はできないため、新制度では両方のメリットを得られるようにして、国民の自助努力による資産形成を促す意図があるようです。