30代の貯蓄額はいくら?今から始める「貯金1000万円」
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あなたが30代であれば、同じ30代の人の貯蓄額がいくらぐらいか、一度は気になったことがあるはず。直接はなかなか聞きにくいですが、公的データを参照すれば平均的な貯蓄額を知ることができます。こうした公的データを紹介した上で、資産を増やすための手段について解説します。

目次

  1. 30代の平均貯蓄額は?
  2. 30代以降にどれくらいのお金がかかる?
  3. 資産を増やす方法
  4. 資産運用にはどのような方法がある?
  5. 資産運用の場合はNISAやiDeCoをうまく利用しよう

30代の平均貯蓄額は?

参照するのは、日本銀行が事務局を務める「金融広報中央委員会」がまとめた「家計の金融行動に関する世論調査」(単身世帯調査)の令和2年(2020年)版です。全国の20〜70歳の2,500の単身世帯を対象に、2020年8〜9月にかけて行われた調査の結果です。

この調査では、年齢別に資産保有額の「平均」と「中央値」が算出されていますので、まずその結果を紹介します。ちなみに中央値とは、取得したデータを並べたときに中央にある値のことを指します。

<年齢別の資産保有額の平均と中央値>

年齢 平均 中央値
20歳代 113万円 8万円
30歳代 327万円 70万円
40歳代 666万円 40万円
50歳代 924万円 30万円
60歳代 1,305万円 300万円

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)」

30代の貯蓄額の平均は327万円、中央値は70万円という結果となりました。中央値が70万円ということは、30代の半数は貯蓄額が70万円以下ということを示しています。

30代以降にどれくらいのお金がかかる?

30代の貯蓄額の平均が327万円で、かつ30代の半数は貯蓄額が70万円以下という結果は、30代の人の今後のライフイベントを考えると、心許ない金額です。日本FP協会によれば、主なライフイベントにかかる費用の目安は以下の通りです。

<主なライフイベントにかかる費用の目安>

費用項目 かかる費用
結婚費用 約469万円
出産費用 約52万円
教育資金(※) 約1,002万円
住宅購入費 約3,494万円
老後の月々の生活費 約26万円

出典:日本FP協会
※教育資金については「子ども1人あたりの総額」(幼稚園から高校まで公立、大学のみ私立の場合)

もちろん、結婚せずに子供がいない人生を過ごす人もいますが、少なくとも老後の月々の生活費などは貯めておく必要がありますし、緊急時に備えてまとまった金額を資産として保有しておくことは非常に重要です。少なくとも貯金1,000万円は目指したいところです。

しかし人によって収入が異なるため、資産形成が難しい人も中にはいます。こうした場合、どうすれば良いのでしょうか。

資産を増やす方法

給与所得を増やす以外の方法でも、資産を増やすことはできます。代表的な3つのアプローチを紹介します。

節約する

節約をすれば、支出が減ります。結果、収入が変わらなくても手元に残るお金は増えます。

財形貯蓄

財形貯蓄とは、給与から天引きを行う貯蓄制度のことで、振り込まれた給与をつい多めに使ってしまいがちな人なら、こうした制度を利用するのも手です。

資産運用

3つ目に紹介するのが資産運用です。投資によって資産を増やしていく方法で、政府も税制優遇制度などを用意し、国民に資産運用を促しています。投資で順調にリターンを得られれば、利息が利息を生む「複利効果」によって、資産が増えるスピードが加速します。

資産運用にはどのような方法がある?

資産運用の方法について、もう少し深く掘り下げて見ていきましょう。

日本人は欧米に比べて投資をしている人が少ないとされています。「投資はギャンブル」と感じている人も多いかと思いますが、リスクをコントロールした上で投資に臨めば、堅実な成果を残すことは決して難しくありません。

投資対象にはさまざまなものがありますが、ここでは「株式投資」「投資信託」「不動産投資」の3つを紹介しましょう。

株式投資

株式投資は、上場企業の株式に投資する方法です。米国の株式市場の一つであるナスダックに上場している米アマゾンの1997年の上場当時の株価は18ドルでしたが、現在は3,300ドル台です。株価は25年ほどで約183倍になりました。銘柄選びに成功すれば、こうした大きなリターンを得られます。

投資信託

投資信託は、さまざまな金融商品に投資するファンドに投資する手法のことを指します。個別の銘柄をウオッチする時間がない人や、プロに運用を任せたい人などにおすすめです。

不動産投資

不動産投資も一般的な資産運用の手法の一つに数えられます。不動産投資はインフレに強いことや、融資を受けて投資を始めることで少ない資金でも大きな投資効果を得やすいこと、節税効果があること、といったメリットがあります。

資産運用の場合はNISAやiDeCoをうまく利用しよう

記事の中でも少し触れましたが、国は資産運用のための税制優遇制度を用意しています。一定期間・一定投資金額内における売却益が非課税となる「NISA」(ニーサ)や、個人型の確定拠出年金「iDeCo」(イデコ)などです。

株式投資や投資信託などを始める際にこうした制度をうまく利用すれば、利益にかかる税金を抑えられるため、資産運用のスピードが加速します。30代から資産1,000万円を目指すなら、資産運用を始める際にこうした制度をぜひ活用したいところです。