
SBI証券は国内株や外国株をはじめ、さまざまな証券サービスを取り扱っています。iDeCo(イデコ)関連のサービスも充実しており、20代からシニアまで幅広い層のユーザーを獲得しています。
そこで本記事では、SBI証券でのiDeCoの始め方やサービスの特徴を分かりやすくまとめました。何から始めるべきか迷っている方は、ぜひ参考にしながら口座開設の手続きを進めていきましょう。
目次
SBI証券のiDeCo(イデコ)の基本情報
まずは、SBI証券のiDeCoの概要を紹介します。
証券会社名 | SBI証券 |
---|---|
口座数 | 50万以上(加入者数No.1) |
iDeCo対象商品 | 元本変動型(投資信託):84本 元本確保型(定期預金等):4本 |
インデックスファンド | 54本 |
ファンド分類 | 国内株:19本 国際株:22本 国内債券:3本 国際債券:10本 国内REIT:4本 国際REIT:3本 バランス型:21本 コモディティ:2本 |
運営管理手数料 | 0円 |
口座管理手数料 | 加入者:171円 運用指図者:66円 |
加入時手数料 | 2,829円 |
掛金の引き落とし日 | 翌月の26日 |
サポート内容 | iDeCoサポートデスク、SBI-iDeCoロボ |
サポートデスク | 年末年始・祝日を除く平日・土曜日・日曜日 (※土日は新規の問い合わせのみ) |
SBI証券のiDeCoの特徴としては、充実した商品ラインナップやサポート体制、お得な手数料体系が挙げられます。その中でも商品ラインナップは業界トップクラスであり、国内外の株式や債券に加えて、REITやバランス型の投資信託も豊富に取り扱っています。
○SBI証券のiDeCoの特徴
・充実した商品ラインナップ
・初心者でも安心できるサポート体制
・運営管理手数料が0円
iDeCoの運用商品で迷っている方に向けて、「SBI-iDeCoロボ」が用意されています。簡単な質問に答えるだけで商品選びをサポートしてもらえるので、投資経験がない方でも安心してiDeCoを始められます。
iDeCoの加入資格とは
利用する金融機関に関わらず、iDeCoには以下の加入資格が設けられています。
職業等 | 加入資格 |
---|---|
自営業者(第1号被保険者) | ・満20歳以上60歳未満 ・国民年金保険料を納付している ・免除等を受けていない(※障害基礎年金受給者は除く) ・農業者年金基金に加入していない |
会社員(第2号被保険者) | ・65歳未満 ・企業型DCの加入者は、マッチング拠出を実施していない ・企業型DCの加入者は、勤め先の規約でiDeCoとの併用が認められている |
公務員(第2号被保険者) | ・65歳未満 |
専業主婦・専業主夫(第3号被保険者) | ・20歳以上60歳未満 |
国民年金の任意加入者 | ・60歳以上65歳未満 ・海外に居住している |
簡単に言えば、「日本国内に住んでいる20~65歳」と「国民年金に加入していること」が主な加入資格になります。ただし、職業等によって細かい加入資格や拠出限度額は異なるので、ご自身のケースと比較しながら慎重に判断しましょう。
SBI証券の申込方法は「Web」と「郵送」の2種類
SBI証券のiDeCoでは、オンライン上で手続きが完結する「Web申し込み」と、送付された提出書類を返送する「郵送申し込み」の2つが用意されています。
Web申し込みのメリット | 郵送申し込みのメリット |
---|---|
・ネット環境があればどこでも申し込める ・本人確認書類などもWeb上で提出可能 ・スムーズに申し込みを完了できる | ・手続きの流れが分かりやすい ・必要な書類を郵送してもらえる |
提出書類の内容や申し込み後の流れについては、どちらの方法も共通です。スムーズに手続きを済ませたい方は、書類のやり取り(受け取り・返送)が発生しないWeb申し込みを選ぶと良いでしょう。
Webでの申し込みやネット環境に不安がある方には、従来の方法である郵送申し込みがおすすめです。
Web申し込みでSBI証券のiDeCoを始める方法
SBI証券のWeb申し込みは、以下のステップで完結します。
○SBI証券のWeb申し込みの流れ(iDeCo)
①加入診断を受ける
②必要書類を確認する
③必要書類のアップロード
④申し込みフォームへの入力
⑤ID・パスワードの受け取り
⑥運用開始
ここからは、各ステップの概要やポイントを解説していきます。
①加入診断を受ける
SBI証券の公式サイトでは、モーニングスター株式会社が運営する「iDeCo加入者診断&節税シミュレーション」が公開されています。該当する職業を選択すると、毎月の掛金上限額を把握できるので、申し込みの前にぜひ利用しておきましょう。
こちらのシミュレーションでは、年齢や毎月の掛金、運用利回りなどを入力することで、最終的な試算結果も表示されます。ただし、障害基礎年金や企業型DCの加入状況は加味されないので、細かい加入条件は自身で見極めることが大切です。
②必要書類を確認する
加入診断で問題が見つからなかったら、次は必要書類を準備します。提出する書類はケースによって異なるため、SBI証券の案内を確認しながら準備を進めましょう。
○Web申し込みの主な必要書類
・本人確認書類
・引き落とし口座が分かるもの
・基礎年金番号が分かるもの
・勤め先の証明書(※厚生年金や共済組合の加入者のみ)
・事業主の証明書(※会社員や公務員のみ)
本人確認書類として利用できるものは、「マイナンバーカード・運転免許証・健康保険証」のいずれかです。なお、状況次第では書面での手続きが必須になるケースもあるので、迷った場合は問い合わせることをおすすめします。
③必要書類のアップロード
必要書類を手元にそろえたら、「お申し込みボタン」から次の画面へと進み、書類のアップロードを行います。アップロードの際には以下の点を意識しましょう。
○書類アップロードのポイント
・マイナンバーカード:個人番号や名前、生年月日、住所を鮮明に写す。
・運転免許証:住所を変更している場合は、裏面の画像も必要。
・健康保険証:カード型の健康保険証の場合は、裏面の画像も必要。
本人確認書類については、いずれも有効期限内のものを用意する必要があります。また、記載の住所と現住所が異なる場合は手続きが複雑になるので、可能であれば先に住所変更を済ませておきましょう。
④申し込みフォームへの入力
必要書類のアップロードと同時に、申し込みフォームへの入力も行います。入力が必要になる項目は以下の通りです。
○申し込みフォームの項目
・名前
・生年月日
・郵便番号と住所
・性別
・電話番号(携帯電話または固定電話)
・メールアドレス
郵便番号と住所は、提出する本人確認書類と一致することを確認しておきましょう。
⑤ID・パスワードの受け取り
申し込み手続きが完了すると、国民年金基金連合会による確認が行われます。加入資格等に問題が見つからなければ、SBI証券から各種通知書が送付されます。
○各種通知書(ID・パスワード)の発送時期
・毎月19日までの申し込み:翌月中旬
・毎月20日以降の申し込み:翌々月中旬
SBI証券から送付される通知書には、ログインに必要なID・パスワードが記載されています。いずれもサービスの利用時に必須となるため、紛失しないよう厳重に保管することが大切です。
⑥運用開始
ID・パスワードが発行されたら、あとはログインをするだけで運用開始です。初回掛金の引き落とし日は、申し込みのタイミングによって以下のように異なります。
○初回掛金の引き落とし日
・毎月19日までの申し込み:翌月26日
・毎月20日~月末最終営業日までの申し込み:翌々月26日
掛金やスイッチングなどの細かい設定は、SBI証券の加入者サイトで行えます。加入者サイトの操作が分からない場合は、専用窓口の「SBIベネフィット・システムズ」に問い合わせてみましょう。
郵送申し込みでSBI証券のiDeCoを始める方法
次は、SBI証券における郵送申し込みの流れを見ていきます。
○SBI証券の郵送申し込みの流れ(iDeCo)
①資料を請求する
②届いた資料を確認する
③提出書類に必要事項を記入
④本人確認書類の準備・貼付
⑤提出書類の郵送
⑥運用開始
では、各ステップの概要やポイントを確認していきましょう。
①資料を請求する
まずは資料請求の申し込みフォームにアクセスし、以下の情報を入力します。
○申し込みフォームの項目
・名前
・生年月日
・郵便番号と住所
・性別
・電話番号(携帯電話または固定電話)
・メールアドレス
資料の請求者とiDeCoの加入者が同一の場合は、「申し込み書類へ印字」のボタンにチェックを入れておくと、必要書類への記入の手間を省けます。なお、年単位で掛金を拠出したい方は、手続き完了後に「SBI証券iDeCoお問い合わせダイヤル」への連絡が必要になります。
②届いた資料を確認する
請求から2~3週間が経過すると、入力した住所に資料が届きます。資料が届いたらさっそく開封し、以下の書類が入っていることを確認しましょう。
○自宅に送付される書類
【1】SBI証券iDeCo(個人型確定拠出年金)に係る書類送付のご案内
【2】事業所登録申請書 兼 第2号加入者に係る事業主の証明書
【3】返送用封筒
上記のうち【2】は、会社員・公務員のみ必要な書類です。また、上記【1】には取扱商品やコストの説明が記載されているため、申し込みの前に目を通しておきましょう。
③提出書類に必要事項を記入
次は、SBI証券への提出書類に必要事項を記入します。
○記入が必要になる書類
・事業所登録申請書 兼 第2号加入者に係る事業主の証明書
・個人型年金加入申込書
・預金口座振替依頼書 兼 自動払込利用申込書
・加入者掛金配分設定届
ケースにもよりますが、大体の所要時間は30分ほどです。ただし、記入に迷いやすい項目もあるため、ここからは各書類の記載方法をひとつずつ見ていきましょう。
・事業所登録申請書 兼 第2号加入者に係る事業主の証明書
会社員・公務員のみ記入が必要になる書類です。加入者の記入欄は「氏名・基礎年金番号・掛金の納付方法」の3つであり、記入が完了したら勤め先の担当者(人事や労務など)に提出します。
掛金の納付方法については、個人で掛金などを変更できる「個人払込」が無難です。事業主払込でも問題はありませんが、掛金の変更時や転職時にやや手間がかかるので、特に不都合がない方は個人払込を選びましょう。
勤め先から記入済みの書類を回収したら、最後に「毎月の掛金額」を記入します。
・個人型年金加入申込書
職業に関わらず、全ての加入者が提出する書類です(※これ以降の書類も同様)。記入項目が特に多い書類なので、ひとつずつ確認しながら作業を進めましょう。
○個人型年金加入申込書の記入項目
・氏名
・基礎年金番号
・掛金の納付方法
・引き落としに使う銀行口座の情報
・毎月の掛金額
・企業型DCの加入履歴
・現在の勤め先
掛金の納付方法や金額は、前述の「事業所登録申請書 兼 第2号加入者に係る事業主の証明書」と同じ内容を記入する必要があります。
・預金口座振替依頼書 兼 自動払込利用申込書
掛金の引き落としに使う銀行口座に関する書類です。まずは氏名や住所、電話番号などの個人情報を記入しましょう。
「掛金引落口座情報」の欄は、掛金の納付方法によって記入者が異なります。個人払込の場合は加入者本人、事業主払込の場合は勤め先に記入してもらいます。
なお、金融機関届出印については、事前に登録した印鑑で押印する必要があります。届出印・サインのいずれも登録をしていない方は、金融機関の窓口に対応方法を問い合わせてみましょう。
・加入者掛金配分設定届
iDeCoで積み立てたい商品や、掛金の配分を記入する書類です。運用会社・商品一覧の右側に、全体で100%となるように積み立てる割合を記入していきます。
なお、本書類には商品情報が記載されていないため、情報収集については別のツールを使う必要があります。SBI証券の公式サイトなどをチェックしながら、ご自身にぴったりな商品と配分を見極めましょう。
④本人確認書類の準備・貼付
必要事項の記入が終わったら、次は本人確認書類を準備しましょう。利用できる書類はWeb申し込みと同じく、「マイナンバーカード(表面のみ)・運転免許証・健康保険証」のいずれかとなります。
郵送申し込みでは、書類を添付するための貼付台紙が用意されています。この台紙の貼付位置に合わせて、該当する本人確認書類のコピーを貼り付けましょう。
なお、健康保険証を提出する場合は、被保険者番号や保険者番号を黒塗りしておくと安心です。
⑤提出書類の郵送
ここまで進んだら、資料と一緒に送付された「返信用封筒」に全ての提出書類を入れます。不備があると確認に時間がかかるため、1枚ずつ確認しながら丁寧に入れていきましょう。
返信用封筒にはSBI証券の所在地が記載されているため、記入が必要になる箇所はありません(※切手も不要)。提出書類を入れたら、あとはポストに投函して作業は完了です。
⑥運用開始
提出書類に問題がなければ、返送から1~2ヵ月後に運用ができます。Web申し込みとは初回掛金の口座振替スケジュールが異なるので、入金のタイミングを間違えないように注意しましょう。
書類到着日 | 初回掛金の引き落とし日 |
---|---|
毎月1日~5日まで | 翌月26日 |
毎月6日以降~月末まで | 翌々月26日 |
なお、申し込み方法に関わらず、翌々月26日に引き落とされる場合は2ヵ月分の掛金が必要になります。
SBI証券のiDeCoに申し込んでから取引できるまでの期間
SBI証券のiDeCoで申し込みから取引できるまでどれくらいの期間がかかるのか、以下で方法別にまとめました。
申し込み方法 | 取引できるまでの期間 |
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Web申し込み(新規) | ・毎月19日までの申し込み:5~8週間 ・毎月20日以降の申し込み:5~8週間 |
郵送申し込み(新規) | ・毎月5日までの申し込み:7~8週間 ・毎月6日以降の申し込み:7~10週間 |
企業型DCからの移管 | 2ヵ月~4ヵ月弱 |
新規加入では、Web申し込みのほうが早く取引を開始できます。企業型DCから切り替える場合は、移管手続きだけで1ヵ月半~3ヵ月の期間がかかるため、早めに申し込むことを心がけましょう。
SBI証券のiDeCoに関するQ&A
SBI証券のiDeCoにはさまざまな活用方法があり、工夫次第では資産形成のスピードアップを図れます。ここからは、iDeCoの運用に役立つ知識をQ&A形式でまとめたので、具体的なプランを立てる前にチェックしておきましょう。
Q1.一般NISAやつみたてNISA、企業型DCと併用できる?
iDeCoは他の制度との併用が認められているため、以下のように組み合わせて資産形成を目指している方も見られます。
○iDeCoと他制度の併用例
・一般NISAとiDeCo
・つみたてNISAとiDeCo
・企業型DCとiDeCo
なお、NISA口座は1人1口座までと決められているので、一般NISAとつみたてNISAの併用はできません。また、企業型DCとiDeCoについては、勤め先の規約で同時加入が認められている場合のみ併用できます(※)。
(※)法改正の影響で、2022年10月からは本人の意思で同時加入が可能になる。
Q2.周りにバレない加入方法はある?
iDeCoへの加入にあたって、その事実を周りに知られたくない方もいらっしゃるでしょう。しかし、会社員や公務員の場合は「事業主証明書」の提出が必要になるため、勤め先に伏せて加入することはできません。
一方で、個人事業主や専業主婦(主夫)は、加入者自身で全ての提出書類をそろえられます。そのため、郵送物や資金管理に注意すれば、家族にバレることなく加入・運用できる可能性があります。
現状では上記の通りですが、iDeCoに関する法律やルールは頻繁に見直されています。2024年12月以降には事業主証明書も廃止される見通しなので、どうしてもバレたくない方は加入のタイミングを調整しましょう。
Q3.おすすめの運用方法は?
iDeCoの投資商品は、運用目的やスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。加入者の状況によって適した商品は異なるので、まずは以下の点を明確にして自身の「リスク許容度」を見極めましょう。
○リスク許容度を見極めるポイント
・現在の年齢はどれくらいか(運用できる年数)
・今後、収入や資産が増加する可能性はあるか
・投資経験はあるか
・iDeCo以外で老後資金を準備しているか
例えば、退職金や私的年金によって目標金額が間近に迫っている方には、ローリスクで運用できる元本保証型が適しています。一方で、老後までにあまり時間がなく、効率的に資産を形成する必要がある場合は、それなりのリターンを狙える投資信託が適しているでしょう。
SBI証券ではさまざまな商品が用意されているので、自身のプランやリスク許容度と見比べながら、冷静に投資先を判断してください。
Q4.おすすめの運用商品を知りたい
SBI証券でiDeCoを始める方には、以下の運用商品がおすすめです。
商品名(銘柄) | 主な特徴 |
---|---|
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | ・全世界の株式に分散投資できる ・最低水準の運用コストを目指している ・直近3年のトータルリターンが18%超 |
ニッセイ日経平均インデックス | ・日経平均株価との連動を目指している ・為替変動リスクが生じない ・購入手数料や換金手数料がかからない |
iFree NYダウ・インデックス | ・米国の代表的な30社に投資できる ・直近1~5年のトータルリターンが13%超 |
三井住友・DC外国リートインデックスファンド | ・世界中のREITに投資する ・直近1年のトータルリターンが19%超 ・業界水準と比べて信託報酬が安い |
セゾン バンガード・グローバルバランスF | ・世界中の株式や債券に分散投資できる ・2007年の設定日以来、安定して成長している |
上記にはハイリターンを狙える商品も含めましたが、安定運用を目指している方には国内型や債券型のファンドが適しています。iDeCoへの加入目的を意識しながら、自分にぴったりな商品を慎重に見極めましょう。
Q5.SBI証券にはどんなキャンペーンがある?
SBI証券でiDeCoを始める場合は、以下のキャンペーンを利用できる可能性があります。
○SBI証券のキャンペーン
・2ファンドへの投資で最大1万円をプレゼント
・クイズ正解者のうち、抽選で500名に便利なグッズをプレゼント
・企業型DCへの加入でカタログギフトをプレゼント
過去には、毎月1万円以上の拠出でAmazonギフト券が当たるキャンペーンも開催されていました(2021年12月~2022年3月まで)。キャンペーン内容は時期によって変わるため、iDeCoの加入前には最新情報をチェックしておきましょう。
お得にiDeCoを始めたい方は、SBI証券で加入手続きを進めよう
SBI証券のiDeCoでは、さまざまなタイプの商品が用意されています。特に投資信託はラインナップが充実しており、タイミング次第ではお得なキャンペーンも適用されるため、これを機にぜひ加入を検討してみましょう。