SBI証券のVポイントサービスって何?Vポイント投資のメリット・デメリットを徹底解明
(画像=takasu/stock.adobe.com)

SBI証券では、2022年5月30日から「Vポイント投資」が開始されました。

効率的な資産形成をサポートしてくれるサービスですが「従来との違いが分からない」と悩んでいる方もいるかもしれません。そこで本記事では、Vポイント投資の概要や仕組み、メリット・デメリットを初心者にも分かりやすく解説します。上手に活用するコツも紹介しているので、参考にしながら運用プランを考えていきましょう。

目次

  1. SBI証券のポイントサービスの概要
  2. SBI証券のVポイント投資とは
  3. SBI証券のVポイント投資のメリット
  4. SBI証券のVポイント投資のデメリット
  5. SBI証券のVポイントを効率的にためるコツ
  6. SBI証券Vポイント投資の登録方法
  7. SBI証券Vポイント投資のよくある質問
  8. Vポイント投資で効率的な資産形成を目指そう


SBI証券のポイントサービスの概要

まずは、SBI証券のポイントサービスについて簡単に紹介します。

ためられるポイントPontaポイント、Tポイント、dポイント
ポイントのため方・国内株式現物取引や入庫
・投資信託の購入や保有
・金銀プラチナの購入
・SBIラップのおまかせ運用
・新規口座開設
ポイントの価値1ポイント=1円相当
ポイント投資投資信託の購入

最大の特徴としては、ためるポイントを「Pontaポイント」「Tポイント」「dポイント」の3種類から選べる点が挙げられます。またポイント付与対象のサービスが多くためたポイントで投資信託を購入できるため、SBI証券はポイ活ができるネット証券としても人気です。

なお、2022年5月から始まったVポイント投資は、上記のサービスとは異なるものです。

SBI証券のVポイント投資とは

2022年5月30日から開始された「Vポイント投資」の概要を見ていきましょう。

サービス名Vポイント投資
開始時期2022年5月30日
対象者・三井住友カードのWEBサイト経由で口座開設をしたユーザー
・Vpassアプリ経由で口座開設をしたユーザー
・三井住友カードの金融商品仲介サービスへの変更手続きをしたユーザー
サービス内容・投資信託の買付代金としてVポイントを利用できる
・各種サービスの利用でVポイントがたまる
対象商品SBI証券が取り扱う投資信託
買付方法金額指定買付のみ(※インターネット取引のみが対象)
対象ポイントVポイント
他ポイント併用不可
ポイント利用単位利用下限:1ポイント
利用上限:9,999万9,999ポイント

Vポイント投資は、三井住友カードのユーザー向けのサービスです。三井住友カード仲介口座から取引を行うと金融商品や数量に応じたVポイントが付与されます。さらにためたVポイントは「1ポイント=1円相当」として新たな投資信託の購入に使用可能です。(※購入代金の一部としても可)

Vポイントをためる方法

SBI証券のV ポイント投資では、以下の条件を満たすとポイントが付与されます。

付与対象の取引獲得できるポイント
国内株式現物取引スタンダードプランまたはPTS取引における月間合計手数料の3.0%
入庫1回の入庫につき100ポイント
投資信託月間平均保有額が1,000万円未満通常銘柄:年率0.1%
プレミアムチョイス銘柄:年率0.15%
月間平均保有額が1,000万円以上通常銘柄:年率0.2%
プレミアムチョイス銘柄:年率0.25%
おまかせ運用(SBIラップマイレージ)月間平均運用資産が1,000万円未満年率0.1%
月間平均運用資産が1,000万円以上年率0.2%
金・プラチナ・銀
(金・プラチナ・銀マイレージ)
スポット取引または積立買付における月間合計手数料の1.0%
新規口座開設100ポイント
(※いずれも小数点の端数は切り上げ)

いずれのサービスにおいても付与条件を満たした翌月末に三井住友カードを通してVポイントが付与されます。前月分のVポイントから受け取りたい場合は、当月9日までに登録をする必要があるので注意しましょう。なお付与されたVポイントの有効期限は、紐づけるクレジットカードの種類によって異なります。

Vポイントの還元率

SBI証券のVポイント投資は、取引内容によってポイント還元率が異なります。

保有額が基準となる取引・投資信託(通常銘柄):0.1~0.25%
・投資信託(プレミアムチョイス銘柄):0.15~0.2%
・おまかせ運用:0.1~0.2%
手数料が基準となる取引・国内株の現物取引:3.0%
・金・銀・プラチナの取引:1.0%
一律のポイントが付与される取引・国内株の入庫:1回あたり100ポイント
・新規口座開設:100ポイント
(※上記はいずれも年率)

特に注意しておきたいのは、取引ごとにポイントの計算方法が異なる点です。国内株や貴金属の取引では「手数料×付与率」によって計算されますが、投資信託やおまかせ運用では「前月の保有金額×付与率」で計算されたポイントが付与されます。

SBI証券のVポイント投資のメリット

SBI証券のVポイント投資には、以下のようなメリットがあります。

○SBI証券のVポイント投資のメリット
①ポイントで投資信託を購入できる
②手持ち資金が少なくても投資を始められる
③Vポイントの現金化も可能

ここからは、各メリットについて分かりやすく解説しましょう。

①ポイントで投資信託を購入できる

三井住友カードに付与されたVポイントは、SBI証券の投資信託の購入に利用できます。購入代金の一部にも充てられるため、たまったVポイントが少なくても無駄になることはありません。Vポイントで投資信託を購入する場合は、1ポイント=1円相当として消費されます。もちろんSBI証券以外のサービスでためたVポイントも利用可能です。

②手持ち資金が少なくても投資を始められる

SBI証券の投資信託は、最低100円から購入できます。手元に投資用の現金がなくてもVポイントが100ポイント分あれば簡単に投資を始めることが可能です。

そもそもVポイントは、利用サービスに付帯したポイントなので仮に投資信託で失敗しても現金を失うことにはなりません。そのため「現金を1円でも減らしたくない」「投資に興味はあるけど怖い」と考えている方におすすめです。

③Vポイントの現金化も可能

三井住友カードでためたVポイントは、以下の方法で現金化することも可能です。

○Vポイントを現金化する方法
【1】投資信託を購入する
【2】すぐに売却をする
【3】証券口座から出金する

投資信託の基準価額は、毎営業日変動するため、購入後の下落が不安になる方もいるのではないでしょうか。

しかし、値動きが少ない債券型の銘柄であれば短期間で大きく値崩れする可能性は低いです。ただし投資信託の購入時・保有時には、取引手数料や信託報酬などのコストが発生します。ポイント分を100%現金化できるわけではないので、他の活用方法と十分に比較することが大切です。

SBI証券のVポイント投資のデメリット

SBI証券のVポイント投資には、以下のデメリットがあります。

○SBI証券のVポイント投資のデメリット
①投資信託は金額指定買付のみ
②他のポイントを獲得&利用できない
③元のコースに戻す際に手間がかかる

サービスを賢く使いこなすためにも各デメリットの詳細をチェックしておきましょう。

①投資信託は金額指定買付のみ

SBI証券のVポイント投資は、金額指定買付のみが対象です。以下の注文方法は、利用できないため、運用方法が限られる点は、あらかじめ理解しておきましょう。

○Vポイントを使えない注文やサービス
・積立買付
・口数買付
・ジュニアNISA口座からの買付
・クレジットカードでの投信積立

仮にVポイントでSBI証券の投資信託を購入する場合は、「1,000円分(1,000ポイント分)を購入する」といった形になります。

②他のポイントを獲得&利用できない

SBI証券のVポイント投資は、専用コース限定のサービスです。三井住友カードの「Vポイント」がたまる・使えるコースに登録するだけですが、コースを変更すると他のポイントがたまりません。さらに投資信託の買付にVポイントしか使えなくなる点も注意しておきたいデメリットです。

たまる・つかえるポイントがVポイント一択となるため、特に他のポイントを利用する予定のユーザーは注意しておきましょう。

③コースを戻す際に手間がかかる

上記のデメリットを見て「こまめにコースを変更すれば問題ない」と感じた方もいるかもしれません。たしかにコースを戻せば他のポイントは使えますが、インターネットコースへの切り替えには約2営業日の時間がかかります。

また、コースの再変更時には以下の専用ダイヤルへの問い合わせが必要です。

○三井住友カード×SBI証券 専用ダイヤル
固定電話:0800-111-5422(無料)
携帯電話:048-545-1202(有料)
受付時間:平日8時~17時(土日祝日や年末年始を除く)

オンラインで変更手続きができないため、コースを頻繁に切り替えると大きな手間になります。

SBI証券のVポイントを効率的にためるコツ

SBI証券のVポイントは、以下のコツを意識すると効率的にためられます。

○SBI証券のVポイントをためるコツ
・投資信託を積極的に購入する
・NISA口座を活用する
・獲得したポイントを再投資に回す
・キャンペーンを利用する

具体的にどのように意識すべきなのか、初心者にも分かりやすく解説します。

投資信託を積極的に購入する

Vポイントは、さまざまな取引でためることが可能です。ただし、国内株は購入・入庫がポイント付与の条件となります。多くのポイントをためるには、まとまった資金が必要になるので効率を求めている方は「投資信託の購入」に絞りましょう。投資信託の場合は、月間平均保有額に応じたVポイントを受け取れます。

保有額が1,000万円以上になれば通常銘柄では付与率が2倍、プレミアムチョイス銘柄では約1.6倍となるため、投資信託の積極的な購入がおすすめです。また全自動AI投資「SBIラップマイレージ」も月間平均運用資産が基準となるため、ぜひ利用を検討してみましょう。

NISA口座を活用する

SBI証券のVポイント投資は、NISA口座との相性が抜群です。例えばNISA口座で非課税になった利益分を再投資すれば、投資信託の月間平均保有額をコツコツ増やせるので、より多くのVポイントを受け取れます。ただしNISA口座とVポイント投資を併用する場合は、以下の点に注意しましょう。

○NISA口座を活用する際の注意点
・つみたてNISAの積立買付ができない
・注文方法に限らずジュニアNISA口座からは投資できない
・一般NISA口座でも外国株の購入はポイント対象外になる

つみたてNISAは、積立投資に適した制度ですが、Vポイント投資は積立買付に対応していません。毎月決まった額の投資信託を購入したい場合は、手動で注文を出す必要があります。

獲得したポイントを再投資に回す

獲得したVポイントには、多くの使い道がありますが、スピーディーな資産形成を目指している場合は再投資がおすすめです。Vポイントで購入した投資信託は、現金で購入したものと同じ扱いになるため、月間平均保有額が増加することで複利効果(※)を狙えます。

(※)運用益を再び投資に回して利益が利益を生み出す状態にすること

○複利効果を活用したVポイント投資の例
【1】SBI証券の口座から現金で100万円分の投資信託(※)を購入する
【2】翌月末に125ポイント(100万円×0.15%÷12ヵ月)が付与される
【3】Vポイントを使って100円分の投資信託を購入する
【4】翌月末に「(100万円+100円)×0.15%÷12ヵ月」のポイントが付与される
(※)購入する投資信託はプレミアムチョイス銘柄として計算

投資信託の保有で付与されるポイントは、それほど多くありません。しかし、国内株や金・銀・プラチナ取引で受け取ったポイント、普段ためているポイントを投資に回せば複利効果はどんどん膨らんでいきます。

SBI証券Vポイント投資の登録方法

SBI証券のVポイント投資は、2つのステップで登録できます。

○Vポイント投資の登録手順
【STEP1】SBI証券口座の開設
【STEP2】SBI証券Vポイント投資に登録

証券口座の有無によって手順が変わるため、以下でしっかりと確認しておきましょう。

【STEP1】SBI証券口座の開設

SBI証券を利用したことがない方は、先に証券口座を開設する必要があります。少しでも早くVポイント投資を始めたい場合は、以下を参考にしながらオンライン上で手続きをしましょう。

○SBI証券の口座開設の流れ
【1】三井住友カードのホームページにアクセスし、「口座開設はこちら」をクリックする
【2】メールアドレスを入力・登録する
【3】メールで受信した認証コードを入力する
【4】基本情報を入力し、規約に同意する
【5】口座開設方法を選ぶ(ネットで口座開設)
【6】本人確認書類をアップロードする
【7】審査が完了したら初期設定を行う

上記【7】まで完了した後は、口座開設完了通知を受け取ればサービスの利用開始となります。

・三井住友カードとの同時申し込みが可能!

「SBI証券の口座」と「三井住友カード」の両方を持っていない場合は、専用サイトからの同時申し込みが可能です。発行したいクレジットカードを選ぶと全体の流れや必要書類に関する案内が表示されるため、その案内を読みながら手続きを進めましょう。なおSBI証券の口座開設は最短翌営業日、三井住友カードの受け取りは申し込みから1週間程度です。

同時に申し込んでも時間差が生じるため、手続きが終わったらクレジットカードが届くまで待ちましょう。

・口座開設済の場合はコース変更だけでOK

すでにSBI証券の口座を持っている場合は、コース変更だけでVポイント投資を利用できます。ただしサービス登録時には、カード番号を入力する必要があるため、手元に三井住友カードを用意しておきましょう。

【STEP2】SBI証券Vポイント投資に登録

SBI証券の口座と三井住友カードを用意できたら以下の手順で「Vポイント」がたまる・つかえるコースへの変更を行います。

○「Vポイント」がたまる・つかえるコースへの変更手順
【1】SBI証券お客さまサイトにログインする
【2】「三井住友カード仲介口座」にコース変更をする
【3】再度ログインし、口座管理画面に移動する
【4】「お客さま情報 設定・変更」をクリックする
【5】「ポイント・外部ID連携」「ポイントサービス」の順でクリックする
【6】「ポイントサービス詳細はこちら」をクリックする
【7】Vポイントを選択する
【8】三井住友カードのIDとパスワードを入力して完了

上記の【2】が終わるとログイン後画面の左上に三井住友カードのロゴが表示されます。このロゴが表示されていない場合は、三井住友カード仲介口座への変更が行われていないため、再度【1】に戻って手続きをやり直しましょう。

SBI証券Vポイント投資のよくある質問

SBI証券のVポイント投資を検討している方の中には、利用にあたって不安を感じている方もいるかもしれません。ここからは、Vポイント投資のよくある質問をまとめたので参考にしながら今後のプランを考えていきましょう。

Q1.SBI証券のVポイント投資はいつから始まる?

SBI証券のVポイント投資は、2022年5月30日からサービスが開始されています。すでに証券口座を持っている方は「SBI証券お客さまサイト」からログインし、該当コースに変更することで簡単に登録可能です。証券口座を持っていない場合も、Web申し込みをすれば最短翌営業日に取引できる状態になります。

前月分のVポイントから獲得したい方は、当月9日23時59分までに変更手続きを済ませましょう。

Q2.SBI証券のVポイントは何に使える?

SBI証券でためたVポイントは、三井住友カードを通して付与されます。そのためSBI証券内での使用に加えて以下のような使い道も用意されています。

○SBI証券で貯めたVポイントの使い道
・投資信託の購入(SBI証券内)
・振込手数料の割引
・景品やギフトとの交換
・ネットショッピングでの使用
・他社ポイントへの移行

効率的な資産形成を目指している方には、ためたポイントで投資信託を購入して複利効果を狙う方法がおすすめです。

Q3.Vポイント投資で購入できる投資信託は?

SBI証券でためたVポイントは、以下の条件を満たす投資信託の購入に使用できます。

○Vポイントで購入できる投資信託
・インターネット上で取引したもの
・金額指定買付をしたもの
・株式や債券に該当しないもの
・三井住友カードのつみたて投資に該当しないもの
・積立買付や口数買付、ジュニアNISA口座内での買付に該当しないもの

1つでも満たさない条件がある場合は、Vポイント投資の対象取引には含まれません。

Q4.Vポイントと他のポイントはどっちがお得?

通常のインターネットコースでたまるポイント(※)とVポイントは、いずれも1ポイント=1円相当で利用可能です。付与条件や使い道にも大きな違いはないため、どちらが得になるかは人によって異なります。

(※)Pontaポイント、Tポイント、dポイントのいずれか。

ポイントの種類が多いと混乱してしまう恐れがあるので、基本的には普段使いのポイントを選ぶと良いでしょう。三井住友カードを日常的に使っている方には、Vポイントの利用がおすすめです。

Q5.他の金融機関でためたVポイントでも投資できる?

三井住友カードにたまるVポイントは、発行元に関わらず全ての提携サービスで利用できます。そのため、三井住友銀行などでためたVポイントを使ってSBI証券の投資信託を購入することも可能です。Vポイントには、例えば景品交換や他のポイントサービスとの交換、ネットショッピング、コンビニでの支払いなど多くの使い道があります。

Q6.SBI証券のクレカ積立でおすすめのカードは?

SBI証券でクレカ積立をする場合は、年間100万円以上のお買い物で年会費が永年無料になる「三井住友カード ゴールド(NL)」や一般グレードの「三井住友カード(NL)」がおすすめです。また普段からVポイントを積極的にためたい方は、ポイント還元率特化型の「三井住友カード プラチナプリファード」も検討してみましょう。

普段の投資で三井住友カードを利用すれば自由なタイミングでVポイント投資に切り替えられます。

Q7.SBI証券の口座開設だけで三井住友カードは使える?

SBI証券は、Vポイント投資とは別に三井住友カードのクレカ積立サービスを提供しています。管理画面でクレジットカードを登録し銘柄や購入数量などの積立設定をすれば手持ちの三井住友カードを通して投資信託が購入されます。なおサービスやコースの種類に関わらず三井住友カードで購入できる商品は投資信託のみです。

Vポイント投資で効率的な資産形成を目指そう

SBI証券のVポイント投資は、2022年5月から始まったサービスです。コースの変更や運用プランの見直しは必要になりますが普段から三井住友カードを使用している場合は、複利効果を狙いながら効率的な資産形成を目指せるでしょう。ただしVポイント投資に登録すると他のポイントの付与はなくなるため、コース変更の判断は慎重に行ってください。