SBI証券でiDeCoを始める方法やおすすめの商品は?
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iDeCo(イデコ)は、老後の資産形成や節税のために加入する人が多い傾向です。

いざ加入しようとしてもたくさんある金融商品からどれを選べばいいのか迷うこともあるでしょう。そこで本記事では、SBI証券でiDeCoを始めるメリットや方法、おすすめの金融商品について紹介します。初めての投資でも納得したスタートができるようにぜひ参考にしてください。

目次

  1. SBI証券のiDeCo(イデコ)とは?
  2. SBI証券のiDeCo対象商品一覧
  3. SBI証券でiDeCoを始めるメリット
  4. SBI証券のiDeCoおすすめ商品4選
  5. SBI証券でiDeCoを始める3つの方法とは
  6. SBI証券のiDeCoでおすすめのポートフォリオ
  7. iDeCoを始める人が急増中


SBI証券のiDeCo(イデコ)とは?

iDeCoとは、個人で年金を積み立てて運用ができる個人型確定拠出年金のことです。SBI証券で利用できるiDeCoのサービス内容は以下の通りです。

口座数(2022年3月末時点)約61万3,000口座
手数料
(合計額)
加入時手数料2,829円
口座管理手数料171円(掛金拠出者)
給付事務手数料440円(給付の都度)
還付事務手数料1,488円(還付の都度)
移管時手数料4,400円
運営管理手数料0円(移管時手数料を除く)
銘柄数インデックスファンド18本
アクティブファンド11本
元本確保型1本
その他8本
掛金引き落とし日毎月26日(休日の場合は翌営業日)
サポートデスク(固定電話)0120-581-214
(携帯電話)03-5562-7560
8~17時、平日、土・日曜日(年末年始、祝日を除く)
(※2022年6月3日時点)

SBI証券のiDeCoは、インデックスファンドやアクティブファンドをバランスよくセレクトした「セレクトプラン」を展開しています。セレクトプランは、信託報酬が低い投資信託が多くそろっていることが特徴です。

SBI証券のiDeCo対象商品一覧

商品分類ファンド名インデックスアクティブその他信託報酬率(税込み)
国内株式ニッセイ日経平均インデックスファンド0.154%以内
eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)0.154%以内
ひふみ年金0.836%
野村リアルグロース・オープン(確定拠出年金向け)0.935%
つみたて椿(愛称:女性活躍応援積立ファンド)0.99%
SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ<DC年金>1.65%
全世界株式SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))0.1102%程度
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)0.1144%以内
EXE-iグローバル中小型株式ファンド0.311%程度
ひふみワールド年金1.1%
セゾン資産形成の達人ファンド1.34%
±0.2%程度
先進国株式eMAXIS Slim 先進国株式インデックス0.1023%以内
ニッセイ外国株式 インデックスファンド0.1023%以内
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)0.0968%以内
iFree NYダウ・インデックス0.2475%
インデックスファンド海外株式ヘッジあり(DC専用)0.176%
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね0.99%
ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け)1.463%
朝日Nvestグローバルバリュー株オープン(愛称:Avest-E)1.98%
新興国株式eMAXIS Slim 新興国株式インデックス0.187%以内
新興国株式eMAXIS Slim 新興国株式インデックス0.187%以内
ハーベストアジアフロンティア株式ファンド2.124%程度
国内債券eMAXIS Slim国内債券インインデックス0.132%以内
先進国債券eMAXIS Slim先進国債券インデックス0.154%以内
インデックスファンド海外債券 ヘッジあり(DC専用)0.176%
SBI‐PIMCO世界債券アクティブファンド(DC)0.8294%
新興国債券iFree新興国債券インデックス0.242%
国内REITニッセイJリートインデックスファンド0.275%以内
先進国REIT三井住友・DC外国リートインデックスファンド0.297%以内
バランスeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)0.154%以内
iFree年金バランス0.1749%
SBIグローバル・バランスファンド【指定運用商品】0.27%程度
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド0.56% ±0.02%程度
コモディティ三菱UFJ 純金ファンド(愛称:ファインゴールド)0.99%程度
ターゲットイヤーセレブライフ・ストーリー20250.6509%程度
セレブライフ・ストーリー20350.6484%程度
セレブライフ・ストーリー20450.6462%程度
セレブライフ・ストーリー20550.6427%程度
【元本確保型商品】
定期預金
あおぞらDC定期(1年)預金保険機構の保護対象商品
(出典:SBI証券)

上記の表がセレクトプランで選択可能な投資信託などです。インデックスファンド、アクティブファンドの他に各ファンドの信託報酬についても記載しました。比較する際の参考にしてください。

SBI証券でiDeCoを始めるメリット

SBI証券でiDeCoを始める主なメリットは、以下の4つです。

①商品ラインナップが充実している
②運営管理手数料が0円、業界最安水準の手数料
③加入者数No.1、豊富な運営実績
④サポート体制が整っている

それぞれについて、詳しく解説します。

①商品ラインナップが充実している

<各証券会社の取扱商品数の比較>

証券会社取扱商品数
SBI証券38本
楽天証券32本
野村證券32本
マネックス証券27本

SBI証券のiDeCoでは、元本確保型を含めて計38本の商品があります。この本数は、iDeCoを取り扱う金融機関の中でトップクラスです。SBI証券の取扱商品は「低コスト」と「多様性」にこだわって選ばれています。多様な商品ラインナップがあるため、「自分にあった投資スタイルで商品を選べる」という点がメリットです。

投資初心者から資産運用の経験が豊富な方までさまざまなニーズに応えられることを目指しています。一方で、「逆にたくさんの商品がありすぎてどれを選べば良いか分からないのでは?」という不安を抱く方もいるかもしれません。そんな方には、商品選びをサポートしてくれる「SBI-iDeCoロボ」を利用しましょう。

個人の投資経験や資産運用へのこだわりを踏まえてニーズに合った商品選択をサポートしてくれます。

②運営管理手数料は業界最安値

iDeCoなどの投資運用を始めるときに気になるのが、口座管理手数料などの毎月のランニングコストではないでしょうか。継続的にかかるお金だからこそ、少しでも安く抑えたいところです。SBI証券では、SBI証券に支払う運営管理手数料は0円で、業界最安となっています。

口座管理手数料(月額)は171円かかりますが、この内訳は国民年金基金連合会への支払いが105円、信託銀行への支払いが66円で、SBI証券への支払いは0円です。つまりSBI証券の運営管理手数料は無料というわけです。

この運営管理手数料は、年金資産残高などにかかわらず無料となっていることも魅力的です。

③加入者数No.1

<各証券会社の加入者数(口座数)の比較>

証券会社加入者数(口座数)
SBI証券
(2022年3月末)
61万3,000口座
楽天証券
(2021年12月末)
51万口座
マネックス証券非公表
野村證券非公表

SBI証券は、2021年7月には50万口座、2022年3月末時点で61万3,000口座を達成しており、業界最多です。SBI証券は「業界最低水準の手数料で業界最高水準のサービス」を提供することを掲げ以下のようなサービス向上に取り組んでいます。

  • 2017年5月~:運営管理手数料の無料化
  • 2018年11月~:バランスよく商品をラインナップしたセレクトプランの導入
  • 2021年1月~:電子申し込みの受付開始

こういった積極的な取り組みが人気の上昇につながっているのではないでしょうか。

④サポート体制が整っている

<各証券会社のサポート体制の比較>

証券会社問い合わせ(電話)対応
SBI証券平日、土曜、日曜8~17時
(年末年始、祝日を除く)
楽天証券平日10~19時
土曜、日曜、祝日9~17時
マネックス証券平日9~20時
土曜9~17時
(祝日を除く)
野村證券平日9~20時
土曜、日曜9~17時
(年末年始、祝日を除く)

iDeCoの概要や加入方法に加えて運用を始めた後でも分からないことや不安なことなどちょっとした疑問を抱くこともあるかもしれません。そんなとき気軽に問い合わせや質問ができる環境は重要です。SBI証券では、iDeCoに関するサポートデスクを設けています。土曜や日曜でも、平日同様に朝から電話がつながることが特徴です。

「平日や日中は仕事で忙しい」という人でも都合の良い時間を見つけて問い合わせができるのではないでしょうか。また電話だけでなくメールやAIチャットボットによる問い合わせも受け付けています。

SBI証券のiDeCoおすすめ商品4選

SBI証券のiDeCoは、豊富な商品ラインナップがありますが、おすすめの商品を知りたい人もいるのではないでしょうか。どれを選んだらよいか分からない人のためにおすすめ商品を4つピックアップしました。

①SBI・全世界株式インデックス・ファンド
②SBIグローバル・バランス・ファンド
③eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
④iFree N Yダウ・インデックス

以下、詳細を見ていきましょう。

①SBI・全世界株式インデックス・ファンド

<「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」の概要>

商品種別全世界株式・インデックス
運用会社SBIアセットマネジメント
純資産額618億1,800万円
基準価額1万5,359円)
取扱金融機関SBI証券
信託報酬0.1102%程度(税込み)
(※2022年6月30日時点)

SBI・全世界株式インデックス・ファンドの愛称は「雪だるま(全世界株式)」です。ベンチマーク(運用の指標となる基準)は、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスで全世界の株式動向を示す指数です。

約9,000銘柄以上の株式から構成され、連動するインデックス・ファンドに投資すると世界中の株式に丸ごと投資するのと同様の運用成績を得ることが期待できます。特定の地域ではなく全世界の経済成長の成果が反映され初心者にもおすすめです。

②SBIグローバル・バランス・ファンド

<「SBIグローバル・バランス・ファンド」の概要>

商品種別バランス型【指定運用商品】
運用会社SBIアセットマネジメント
純資産額42億6,700万円
基準価額1万1,111円
取扱金融機関SBI証券
信託報酬0.27%程度(税込み)
(※2022年6月30日時点)

SBIグローバル・バランス・ファンドは、日本を含む全世界の株式・債券に分散投資するファンドです。債券と株式の基本配分比率は、債券60%、株式40%が基本となっています。各資産クラスの国・地域別の投資比率は、リスク・リターンの最適化を考慮して決定し運用される方針です。そのため、年金資産の運用に適しているとされます。

このファンドは、中・長期の運用商品として「指定運用商品(自分で掛金の配分割合を設定しない場合に一定機関経過後に自動で購入される商品)」にふさわしいでしょう。

③eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

<「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」の概要>

商品種別全世界株式・インデックス
運用会社三菱UFJ国際投信
純資産額1,469億5,200万円
基準価額1万6,395円
取扱金融機関SBI証券、松井証券
信託報酬0.1144%以内
(※2022年6月30日時点)

eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、日本を除く世界株式に広く投資するファンドです。ベンチマークは、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円換算ベース)となっています。三菱UFJ国際投信の「eMAXISシリーズ」は、信託報酬をより低く抑え多様な投資スタイルに応じたラインナップが特徴です。

④iFreeNYダウ・インデックス

<「iFreeNYダウ・インデックス」の概要>

商品種別先進国株式・インデックス
運用会社大和アセットマネジメント
純資産額369億2,500万円
基準価額2万4,870円
取扱金融機関SBI証券、マネックス証券、楽天証券
信託報酬0.2475%
(※2022年6月30日時点)

iFreeNYダウ・インデックスは、NYダウに連動する投資成果を目指して運用します。比較的利回りが高く、信託報酬が低いことが魅力です。このファンドでは、原則NYダウに採用されている全銘柄に投資します。

NYダウは、アップルやマイクロソフトなど米国を代表する銘柄30種で構成されているため、世界的な有名企業に低コストで投資ができるファンドといえるでしょう。

SBI証券でiDeCoを始める3つの方法とは

実際にSBI証券でiDeCoを始めるには、どのような方法があるのでしょうか。以下の3つのパターンに分けて解説します。

  • 新規に口座開設をする場合
  • すでに総合口座を持っている場合
  • 他社から移管させる場合

それぞれについて、詳しく解説します。

新規に口座開設をする場合

SBI証券の総合口座を持っておらず他の金融機関にiDeCoの口座も持っていない場合に新たに加入する方法は以下の通りです。SBI証券では、WEBと書類での申し込みを受け付けていますが、今回はWEB申し込みのケースを説明します。

①会社員(厚生年金被保険者)・公務員(共済組合員)の場合、「事業主の証明書」をサイトからダウンロードし、勤務先の担当者に作成してもらう
②「各種保険証」「運転免許証」「個人番号カード」のなかから申し込み住所が確認できる書類をいずれか1点準備しておく
③確認事項や説明書の内容をよく読み、「同意します」にチェックを入れる
④年齢・職業などを回答する
⑤「WEB申し込み」を選択する
⑥メールアドレスを登録し、申込書類をアップロードする
⑦書類の審査後、IDとパスワードを受領する
⑧ログインして運用を始める

上記の流れで、新規の口座開設、iDeCoの利用準備が整います。

すでに総合口座を持っている場合

SBI証券の総合口座がすでにある場合は、次のような手順です。

①会員ページにログインする
②画面上部のメニューから「iDeCo確定拠出年金」、「お申込み」を選択
③資料請求またはWEB・書面で申し込み
④上記「新規に口座開設をする場合」と同様

なおiDeCoに加入するには、実施機関の「国民年金基金連合会」の審査が必要です。そのため、口座開設まで1~2ヵ月かかることもあります。

SBI証券の証券口座を開設しなくてもiDeCoを始めることは可能です。もちろん証券口座を同時に申し込むこともできます。ただしiDeCo口座を開設しても自動的に証券口座が開設されるわけではないため、注意が必要です。

他社から移管させる場合

iDeCo口座は、複数の金融機関で開設することができません。そのためすでに他の金融機関でiDeCo口座を持っている場合は、SBI証券に口座を移管する「運営管理機関の変更」の手続きをする必要があります。

①SBI証券のフォームから資料請求する
②届いた書類を記入し、返送する
③審査後、IDとパスワードを受領する
④運用を開始する

上記の通り現在利用している金融機関での特別な手続きは必要ありません。

SBI証券で手続きをすればiDeCoで保有している資産が一度現金化されSBI証券のiDeCo口座へ現金として入金される仕組みです。書類の受付から1ヵ月半~3ヵ月程度で移換が完了します。また移換金や掛金の配分設定・変更、iDeCoで保有している運用商品の預け替えは、マイページ上で行えます。

SBI証券のiDeCoでおすすめのポートフォリオ

最後にSBI証券でiDeCoを始める際のおすすめのポートフォリオをまとめました。ポートフォリオとは、金融商品の組み合わせのことで具体的なファンドの銘柄や配分を指します。本記事では、3つのパターンに分けて提案していきます。

積極的にハイリターンを狙えるポートフォリオ

まずは、値上がり益を積極的に狙いたい人向けでは、株式に100%投資するタイプのポートフォリオがおすすめです。「全世界株式」「米国株式」「先進国株式」のパターンから1つを選んで集中投資すれば利益を最大化できる可能性が高まります。全世界株式なら上述した「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」や「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」などです。

また、全世界株式や先進国株式も約7~8割を米国に投資している傾向にあり米国株式型に投資するのも効果的かもしれません。例えば「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」などがあります。先進国株式では「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」などが挙げられます。

手間をかけずに分散投資ができるポートフォリオ

ファンドの基準価額が上がったり下がったりすると配分の比率も変わってきます。そのたびにバランスを調整するのが面倒な人や自分で調整するのは難しい投資初心者には、1本で株式や債券、REITなど複数資産に投資できる「バランス型」のファンドが向いているのではないでしょうか。SBI証券のiDeCoでは「バランス型」として4商品のラインナップがあります。

その中でも三菱UFJ国際投信の「eMAXISシリーズ」のなかでも人気の高い「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」がおすすめです。この商品のベンチマークは、合成指数(2つ以上のベンチマークを組み合わせたもの)となっており「日本」「先進国」「新興国」の3地域の株式や公社債、REITなど8種類の指数を均等に組み合わせた合成指数に連動します。

株式以外の資産にもバランスの良い分散投資ができることが魅力です。

ローリスク・ローリターンの運用ができるポートフォリオ

ハイリスク・ハイリターンを狙うより安定して資産形成したい人には、分散投資がおすすめです。例えば「株式型などの1つの商品に100%投資するのは価格変動リスクが大きくて不安」「値動きが安定しているファンドが良い」などと考える場合は、債券を組み入れることで株価下落のリスクを軽減できます。

外国株式・国内株式・外国債券・国内債券をそれぞれに同比率(25%ずつ)で構成するポートフォリオも良いでしょう。例えばSBI証券の取扱商品では「eMAXISシリーズ」の国内株(TOPIX)・国内債券インデックス・全世界株式(除く日本)・先進国債券インデックスを組み合わせるパターンです。

iDeCoを始める人が急増中

iDeCoは、投資初心者でも取り組みやすく節税対策にもなる点が魅力です。たくさんある金融機関のなかでもSBI証券は、口座数や取扱商品数がトップクラスで手数料も業界最安水準となるため、初心者が始めるメリットが大きいでしょう。2017年の法改正でiDeCoに加入できる対象者の範囲が拡大されたため、近年若者を中心にiDeCoを始める人が急増しています。

老後の資産形成がますます気になってくる人生100年時代を有意義に過ごすためにもポートフォリオの1つにiDeCoを加えてみてはいかがでしょうか。