NISA(ニーサ)を徹底解説!口座開設のおすすめは?
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将来に向けた資産形成の方法として注目されるNISA(ニーサ)。用語は知っていても、その全体像を正しく把握して活用している人は意外と少ないのではないでしょうか。2024年より運用が開始される「新NISA」も併せて正しく理解し、効率よく資産を増やしましょう。

目次

  1. NISAとは
  2. NISAにおすすめ証券会社の選び方
  3. NISA口座を徹底比較!あなたにぴったりの口座は?
  4. ファンドのおすすめの選び方とは?
  5. NISAで買付金額が多いファンドTOP5
  6. つみたてNISAの月間積立設定金額が多いファンドTOP5
  7. 知っておきたいNISAのメリット・デメリット
  8. 銀行と証券のNISA口座、どちらがおすすめ?
  9. 2024年の新NISA移行で何が変わる?
  10. NISAの口座開設をするには?乗り換えはどう行う?
  11. NISA口座を開設するなら、まずは資料請求を
  12. まとめ

NISAとは

金融庁の定義によると、NISAは「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる制度です。

NISAには以下の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。

  • 一般NISA:株式・投資信託等を年間120万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有可能
  • つみたてNISA:一定の投資信託を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有可能
  • ジュニアNISA:株式・投資信託等を年間80万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有可能

ジュニアNISAについては新規の口座開設が2023年までとされており、2024年以降は新たな資金による投資はできなくなります。

SBI証券[旧イー・トレード証券]SBI証券[旧イー・トレード証券]

NISAにおすすめ証券会社の選び方

NISAでは、非課税投資枠内でいかに値上がりの可能性が高い銘柄に投資するかがポイントになります。そのため利益幅の大きいIPO(新規公開株)に投資できる証券会社や、外国株を含め銘柄の選択肢が多い証券会社での口座を開設する方が多いです。また、買付手数料の安さも判断基準の一つでしょう。

NISA口座は、1人1口座しか開設できません。1年ごとに金融機関を変更することはできますが手続きに手間がかかるため、NISA口座を開設する金融機関はしっかり吟味して、後悔がないようにしたいものです。

NISA口座を徹底比較!あなたにぴったりの口座は?

幅広い商品に投資したい場合は、証券会社でNISA口座を開設するべきです。そこで、主な証券会社のNISA口座の特徴を比較してみます。それぞれの特徴を押さえて、自分に合う証券会社を選ぶ際の参考にしてください。

SBI証券[旧イー・トレード証券]SBI証券[旧イー・トレード証券]

SBI証券のNISA口座

国内のネット証券口座開設数No.1のSBI証券は、顧客満足度でもNo.1を誇る証券会社です。外国株やIPOの取扱数も群を抜いて多く、国内株の売買手数料や海外ETFの買付手数料も無料です。

カスタマーサービスセンターとして「NISA・投信土日専用デスク」が設けられているため、週末でも問い合わせが可能です。

NISA手数料 恒久無料
投資信託 2,680銘柄
IPO(2020年度) 85社
外国株 9ヵ国
取り扱い銘柄数 175
最低積立金額 100円
積立頻度 毎月/毎週/毎日

SBI証券[旧イー・トレード証券]SBI証券[旧イー・トレード証券]

楽天証券のNISA口座

日常的に楽天ポイントを貯めている人におすすめしたいのが楽天証券。NISA口座でも楽天ポイントが使えるため、普段楽天カードを決済で使っている人やポイント投資をしたい人におすすめです。

取扱銘柄は東京証券取引所と名古屋証券取引所の上場銘柄だけですが、国内株の売買手数料は無料で、外国株の取り扱いも多めです。楽天カード決済で積立投資信託を行うとポイントが貯まるため、楽天証券ではつみたてNISAが特に人気です。

NISA手数料 恒久無料
投資信託 2,687銘柄
IPO(2020年度) NISAでは購入不可
外国株 6ヵ国
取り扱い銘柄数 177
最低積立金額 100円
積立頻度 毎月/毎日

マネックス証券のNISA口座

マネックス証券のメリットは、何といっても外国株です。国内株の売買手数料だけではなく、米国株や中国株の買付手数料も無料なので、外国株を中心に投資したい人にはマネックス証券が向いています。

もともとマネックス証券は米国株に強いという特徴がありますが、米国株もNISAの投資対象に含まれています。1株からでも購入でき、円安・円高による為替差益も狙えます。

NISA手数料 恒久無料
投資信託 1,220銘柄
IPO(2020年度) 50社
外国株 2ヵ国
取り扱い銘柄数 152
最低積立金額 100円
積立頻度 毎月/毎日

松井証券のNISA口座

老舗ネット証券会社ということで、信頼の厚い松井証券。株式の売買手数料が無料である点と、投資初心者でも安心して取り組みやすい体制が充実している点が魅力です。

お問い合わせ窓口やサポートの品質を評価する「2019年度問合せ窓口格付け(証券業界)」において、松井証券のサポート体制は9年連続で三つ星を獲得しています。電話やメール、チャットなどで資産運用の相談や問い合わせができます。

NISA手数料 恒久無料
投資信託 1,562銘柄
IPO(2020年度) 18社
外国株 なし
取り扱い銘柄数 170
最低積立金額 100円
積立頻度 毎月

GMOクリック証券のNISA口座

GMOクリック証券のNISA口座も日本株の売買手数料が無料です。投資信託の取扱本数はあまり多くありませんが、販売手数料がかからないノーロード投資信託や、信託報酬が低く大きなリターンを見込める投資信託の取り扱いが多いのが特徴です。

利用者からは「取引ツールの使い勝手がよい」という評価が多く寄せられています。NISA対応ではないものの、FXやCFDなど豊富な金融商品を取り扱っているため、NISAを入口にさまざまな投資に挑戦したい人にはGMOクリック証券もおすすめです。

NISA手数料 無料
投資信託 1,432銘柄
IPO(2020年度) 19社
外国株 なし
取り扱い銘柄数 157
最低積立金額 100円
積立頻度 毎月

SMBC日興証券のNISA口座

SMBC日興証券はIPOの取扱実績がトップクラスで、主幹事の割合も多い証券会社です。NISA口座でもIPOに参加できるため、非課税メリットを生かしながらIPO投資で資産を増やしていきたい人におすすめです。

つみたてNISAの最低積立額は1,000円ですが、500円から株式投資を始められる独自サービス「キンカブ(金額・株数指定取引)」があるため、NISAの非課税投資枠(120万円)をムダなく使えます。

NISA手数料 有料
投資信託 1,148銘柄
IPO(2020年度) 53社
外国株 4ヵ国
取り扱い銘柄数 157
最低積立金額 1,000円
積立頻度 毎月

岡三オンライン証券のNISA口座

岡三オンライン証券の強みは情報力です。同社が提供する株取引ツール「岡三ネットトレーダープレミアム」には投資に必要な情報が豊富にあり、投資家に高く評価されています。

投資信託の数は少ないもののIPOの取り扱いが多いため、IPO投資狙いの人にとっては穴場的存在の証券会社といえます。

NISA手数料 有料
投資信託 550銘柄
IPO(2020年度) 39社
外国株 なし
取り扱い銘柄数 552
最低積立金額 100円
積立頻度 毎月

ファンドのおすすめの選び方とは?

NISA口座を開設した後、どのファンドに投資すべきかと頭を悩ませる人も多いでしょう。NISAでファンドを選ぶ際に確認したいポイントは、以下の4点です。

  • 純資産総額
  • 分配金
  • 信託報酬
  • 利回り

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

純資産総額が高いファンドを選ぶ

純資産総額が高いということは、投資家から多くの資金が集まっているということです。したがって純資産総額は、ファンドを選ぶ際の指標として有効といえます。

ただし、純資産総額の高いファンドのリターンが大きいとは限りません。例えば、全ファンドの中で純資産総額が最も多い「TOPIX連動型上場投資信託」の5年間のトータルリターンは6.73%。

一方で純資産総額が15位である「ひふみプラス」の5年間のトータルリターンは12.89%と、TOPIX連動型のリターンを上回ります。必ず運用成果を確認した上で、投資先を決めましょう。

分配金を出す頻度が低いファンドを選ぶ

NISAで長期投資を行う際、「分配金があるファンドのほうが良い」と感じるかもしれません。しかし、分配金は投資元本を取り崩して分配されるケースが多いため、投資効率が悪化しやすくなります。

複利の効果を活用したい場合は、分配金を再投資するよう設定するのがおすすめです。また、始めから分配金を出す頻度が低い、あるいはそもそも分配金がないファンドを選んでおくと投資効率が悪化しません。

信託報酬はできるだけ低いものを選ぶ

日経平均株価やTOPIX、S&P500などの指数との連動を目指しているインデックスファンドは、基本的に同じ指数に連動する商品にパフォーマンスの差はほぼありません。そのため、信託報酬によってリターンに差が生まれます。

インデックスファンドの原則として、投資信託の運用や管理にかかるコスト、つまり信託報酬はなるべく低いものを選ぶべきです。ただし、信託報酬だけに着目すると損をすることがあります。その他の手数料(売買委託手数料)も加味したトータルコストを計算し、最も大きなリターンが見込めるファンドを選びましょう。

利回りはできるだけ高いものを選ぶ

NISAでの投資は基本的に長期運用です。そのため利回りの差がわずかでも、長期間運用しているうちにリターンには大きな差が生じます。

利回りと信託報酬などの手数料を鑑みて、トータルリターンが大きいファンドを選びましょう。

NISAで買付金額が多いファンドTOP5

実際にNISA口座を開設した人は、どのようなファンドに投資しているのでしょうか。買付金額を見ると、その傾向を知ることができます。SBI証券のランキング(2021/8/9~8/13)をもとに、買付金額が多いファンドTOP5を紹介します。

1位:SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

「バンガード・S&P500ETF」を通して米国の代表的な株価指数であるS&P500指数(円換算ベース)に連動する投資成果を目指すファンドであり、米国の株式市場の約8割をカバーしています。純資産は287,986百万円で、信託報酬は0.0938%程度です。

2位:三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

1位のファンドと同様に米国株に投資し、S&P500指数(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指して運用を行うファンドです。中長期で経済成長が期待できる米国の主要産業を代表する約500社に、このファンド1本で投資できます。純資産は316,587百万円で、信託報酬は0.1023%以内です。

3位:三菱UFJ国際-eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)

日本を含む先進国ならびに新興国の株式に投資し、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指すファンドです。このファンド1本で、全世界の株式に国際分散投資ができます。純資産は251,997百万円で、信託報酬は0.1144%以内です。

4位:ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

日本を除く主要先進国の株式に投資し、MSCIコクサイインデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指すファンドです。原則として対円での為替ヘッジを行わず、購入時や換金時の手数料は無料です。純資産は580,988百万円で、信託報酬は0.0968%以内です。

5位:大和-iFreeレバレッジ NASDAQ100

米国のNASDAQ100指数を対象にしたレバレッジ型のファンドです。日々の基準価額の値動きがNASDAQ100指数(米ドルベース)の値動きの2倍程度となることを目指しています。純資産は19,441百万円で、信託報酬は0.0938%程度です。

つみたてNISAの月間積立設定金額が多いファンドTOP5

つみたてNISAでは、どのようなファンドに投資する人が多いのでしょうか。ここでは、月間積立設定金額が多いファンドTOP5を紹介します。このランキングもSBI証券のデータ(2021/8/9~8/13)をもとに作成しました。

1位:SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

NISAと同様に、つみたてNISAでも人気のファンドです。米国の代表的な株価指数である「S&P500(円換算ベース)」に連動する運用を目指しており、米国企業500社に分散投資できる手堅さから、多くの投資家に人気があります。

2位:三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

NISAの買付金額ランキングと同じく、2位にランクインしたファンドです。米国株に投資し、S&P500指数(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指して運用を行っています。

3位:三菱UFJ国際-eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)

3位までは、NISAの買付金額ランキングと同じ結果になりました。日本を含む先進国ならびに新興国の株式に投資し、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指して運用を行っているファンドです。

4位:SBI-SBI・V・全米株式インデックス・ファンド

4位以下は、NISAの買付金額ランキングと異なる結果となりました。第4位は、「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」を通じてCRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目指すファンドです。純資産は580,988百万円で、信託報酬は0.0968%以内です。

5位:SBI-SBI・全世界株式インデックス・ファンド

主に「グローバル株式インデックスマザーファンド」を通じて、実質的に日本を含む世界の株式に投資し、FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)の動きに連動する投資成果を目指して運用を行うファンドです。純資産は19,441百万円で、信託報酬は0.0938%程度です。

知っておきたいNISAのメリット・デメリット

NISAにはメリットとデメリットがあります。それぞれについて詳しく解説します。

NISAのメリット

-投資で得た利益はすべて非課税に

NISAで利益を得た場合、定められた期間内は利益に税金がかかりません。例えば、購入した株式・投資信託などが値上がりした際に売却して得た利益や、株式や投資信託から得られた配当金や分配金をそのまま受け取ることができます。

利益を再度投資に回せば複利効果を期待でき、より大きな収益を得られる可能性が高まります。

-投資リスクを分散できる

NISAでは投資上限額が定められていますが、投資回数には制限がありません。また商品数も制限されていないため、投資の自由度はかなり高いといえます。

したがって1つの銘柄に集中して投資することも、複数の銘柄を少額ずつ購入して投資リスクを分散することもできます。

-確定申告が不要

NISA口座内で金融商品に投資して得た利益には税金がかからないため、一般NISAで利益を得ても確定申告をする必要はありません。

ただし、課税対象の証券口座などを別に持っている場合は課税対象になります。その場合は確定申告が必要になるので、注意しましょう。

-ロールオーバーすれば非課税期間を延長できる

一般NISAとジュニアNISAの非課税期間は5年間です。ただし、5年目に商品を翌年の非課税投資枠に移せば、保有し続けることができます。これをロールオーバーといいます。

ロールオーバーには上限額が定められていないため、例えば5年目に120万円を超えていたとしても、全額を翌年の非課税投資枠に移すことができます。ただし、その年の非課税枠をすべて使い切ったことになるため、新規購入はできません。

SBI証券[旧イー・トレード証券]SBI証券[旧イー・トレード証券]

NISAのデメリット

-通常の株式口座との損益通算ができない

NISA口座は通常の株式口座とは異なり、別の株式口座の利益や損失と相殺(損益通算)することができません。また過去3年間の損失についても、その後の利益と相殺(繰越控除)できません。

例えばNISA口座で損益が出て、別の株式口座では利益が出ている場合、合算して課税対象額を減らすといったことはできません。

-代用有価証券として利用できない

代用有価証券は、保有している株券を信用取引やFXの担保として利用する仕組みです。通常の株式口座で所有している株式であれば担保として利用できますが、NISA口座で保有している株式は代用有価証券として利用できないという決まりがあります。

そのため代用有価証券としての利用を考えている場合、NISA口座は向いていません。

-配当は「株式数比例配分方式」でないと課税対象になる

株式配当を受け取る方法は以下の4つです。

  • 郵便局や銀行で直接受け取る「配当金領収証方式」
  • 銘柄ごとに指定の金融機関に振り込んでもらう「個別銘柄指定方式」
  • 証券口座で受け取る「株式比例配分方式」
  • 銀行口座で受け取る「登録配当金受領口座方式」

このうち、NISA口座で得た配当が非課税となるのは「株式比例配分方式」のみです。その他の受取方法では、NISA口座で保有している株式の配当であっても課税対象となるため注意が必要です。

銀行と証券のNISA口座、どちらがおすすめ?

銀行でも証券会社でもNISA口座を開設できます。それぞれのNISA口座の違いやルール変更についても確認しておきましょう。

NISA口座のルール変更

NISAが始まったのは2014年ですが、翌年の2015年には大きな変更がありました。開始当初は「5年間は口座を変更できない」とされていましたが、2015年には所定の手続きを行えば、年に1回まで他の証券会社や銀行に口座を変更できるようになったのです。

NISA口座を選ぶ際の視点

NISA口座を開設できるのは、銀行や郵便局、証券会社です。それぞれに特徴があるため、投資初心者はどこで口座を開設すべきか迷ってしまうでしょう。そこで投資初心者にもわかりやすいように、NISA口座を開設する際の視点を紹介します。

証券会社のNISA口座がおすすめの人

-多くの商品の中から選んで投資したい人

証券会社の特徴は、NISAの対象商品が多いことです。例えば、つみたてNISAの対象商品は、金融庁によると2021年10月時点で200本以上あります。証券会社によって取扱商品は異なりますが、総じて銀行よりも種類や数が多いです。さまざまな金融商品を試したい人は、証券会社で口座を開設するとよいでしょう。

-投資の専門家に相談したい人

証券会社の多くは、投資初心者でも取り組みやすいように親切なサポート体制を用意しています。証券会社は投資のプロなので、多様なニーズに合った商品を提供できる強みがあるのです。

―少額から投資を始めたい人

証券会社の多くは、つみたてNISAの最低額を100円としています。ポイントを投資に利用できる証券会社もあるため、投資のハードルは低いといえるでしょう。一方で多くの銀行は、最低額を1,000円と定めています。よって少額から投資を始めたい人は、証券会社での口座開設をおすすめします。

銀行のNISA口座がおすすめの人

-普段利用している銀行の窓口で相談したい人

普段利用している銀行の窓口で投資の相談をしたい場合、NISA口座はその銀行で開設することをおすすめします。ATMで入出金するついでに口座開設ができたり、運用状況の確認や相談ができたりするため、お金の管理を1つの銀行にまとめたい人に向いています。

-シンプルな商品ラインアップから選びたい人

証券会社のメリットは取扱商品が多いことですが、投資初心者はどれを選べばよいか迷いやすくなるため、デメリットともいえます。厳選された選択肢の中から選びたい場合は、銀行でのNISA口座開設がおすすめです。

-銀行独自のサービスを享受したい人

銀行によっては、NISA口座を開設したりファンドに投資したりすることで、さまざまな特典が受けられることがあります。独自の特典に魅力がある場合は、銀行でのNISA口座開設を検討するとよいでしょう。

2024年の新NISA移行で何が変わる?

前述の通り、NISAの制度は2024年に大きく変わります。新NISAに移行すると何がどのように変わるのか、詳しく見ていきましょう。

変更点

現行NISAと同様に、新NISAに移行した後も「NISA」もしくは「つみたてNISA」のどちらかしか選択できません。

ただし、新NISAでは投資枠が2階建て構造になります。1階部分である「つみたてNISA」の対象商品を年間20万円まで購入しないと、2階部分を利用できません。2階部分は、現在のNISAと同様に国内・外国株式や投資信託、ETF、REITなどが対象です。

2階部分の投資可能額は102万円なので、1階部分と2階部分を合わせて年間122万円まで投資できます。5年間継続すれば、最大で610万円の投資から得られる運用益が非課税になります。

開始時期

現行のNISA口座を開設している場合は、2024年になると自動的に新NISAへ移行します。また現行のNISAを開始できる期限は、2023年から2028年に延長される予定です。現行のNISAで運用している金融商品も、新NISAにロールオーバーできます。

現行NISAのロールオーバー制度

2024年に新NISAが始まると、2019年以降に投資した商品も新NISAにロールオーバーできます。ただし、ロールオーバーで新NISAの枠を使い切った場合、新規購入はできません。

NISAの口座開設をするには?乗り換えはどう行う?

ここでは、NISA口座の開設方法と既存口座の乗り換え方法を確認します。

NISA口座の開設方法

NISA口座を開設するためには、証券会社や銀行での手続きが必要です。手続きが完了した後で送られてくるIDとパスワードでマイページにログインし、「NISA口座開設請求」をクリックして手続きを進めましょう。

必要な資料はマイページに記載されていますが、住民票取得代行サービスを行っている証券会社であれば、ほぼ全ての手続を自宅で完結できます。

NISA口座の乗り換え方法

NISAは、1年に1回まで金融機関を変更できます。まずは現在NISA口座がある金融機関に変更を依頼して「金融商品取引業者等変更届出書」を送付してもらい、必要事項を記入して提出しましょう。1ヵ月程度で「非課税管理勘定廃止通知書」が発行されます。

新しくNISA口座を開設したい金融機関に申し込むと、「非課税口座開設届出書」が届きます。必要事項を記入し、発行済の「非課税管理勘定廃止通知書」と併せて提出すれば手続きは完了です。

NISA口座を開設するなら、まずは資料請求を

NISA口座を開設できる金融機関にはそれぞれ特徴があるため、気になる証券会社や銀行に資料を請求して比較検討しましょう。ネット証券会社であれば、無料で証券口座開設をした後で「NISA書類請求お申込み」をクリックすれば、簡単に資料を取り寄せられます。

まとめ

NISAは、人生100年時代に向けた資産形成に有効な手段の一つです。少額から始められ、長期運用であり、しかも利益に税金がかからないので、多くの人にチャレンジしやすい方法といえます。NISAを始めるかどうか迷っている人は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。