ドルコスト平均法のメリット・デメリットとは? 購入すべき商品を徹底解説!
(画像=takasu/stock.adobe.com)

投資のリスクを抑え、小額から始められる投資方法をご存知でしょうか。それは「ドルコスト平均法」と呼ばれる投資方法です。100円からでも投資できるので、一杯のコーヒーを控えるだけで始められます。

そんなドルコスト平均法には、どのようなメリットとデメリットがあるのか詳しく解説していきます。

目次

  1. ドルコスト平均法って何?
  2. ドルコスト平均法のメリットとは?
  3. ドルコスト平均法のデメリットとは?
  4. 一括投資と積立投資の比較
  5. 証券会社を選んで、ドルコスト平均法を始めてみよう
  6. 銘柄を選ぶ際のポイント
  7. ドルコスト平均法についてまとめ

ドルコスト平均法って何?

ドルコスト平均法とは、株などの金融商品を一定の金額で定期的に購入する投資方法のことです。

身近な例を挙げるとすれば、オンラインショッピングや宅配サービスでの日用品などの定期購入に似ています。

ただし、ドルコスト平均法では購入金額は常に一定です。価格が低いときに購入口数が多くなり、価格が高いときに購入口数が少なくなります。このようなドルコスト平均法は、一般的に投資信託などでよく使われています。

ドルコスト平均法のメリットとは?

ドルコスト平均法のメリットは、以下の4つがあります。

平均購入単価を抑えられる

ドルコスト平均法では、価格が安い時には大量に買い、価格が高い時には少量しか買いません。そのため、商品1口あたりの購入単価が平準化されやすいです。結果的に、価格が高いときに買ってしまう「高値つかみ」のリスクを抑えることもできます。

投資を始めるタイミングを考える必要がない

ドルコスト平均法では、投資を始めるタイミングを気にする必要がありません。高値のタイミングで投資を始めた場合でも利益を出せる可能性があるので、今が高値かどうか考えなくても投資を始められます。

日々の価格変動に一喜一憂する必要がない

ドルコスト平均法は、長期的な投資を前提としています。そのため、金融商品の値上がりや値下がりを日々チェックする必要がありません。もちろん定期的な情報収集や運用成績の確認は必要ですが、一括投資と比べると確認頻度が少なくて済むため、多忙な人にも向いています。

投資初期にまとまった資金がなくても大丈夫

ドルコスト平均法は100円からでも投資できるので、毎月ちょっとの節約だけで投資を継続できます。貯金が苦手な人であっても、将来に向けた資産運用が少額から始められます。

ドルコスト平均法のデメリットとは?

ドルコスト平均法のデメリットは、以下の3つがあります。

狙ったタイミングでの投資はできない

投資は基本的に価格が上がると予想して、価格が安い時に行います。その予想が当たれば、大きなリターンを狙うことができます。一方で、ドルコスト平均法は一定期間で一定額の購入が行われるので、狙ったタイミングでの投資ができません。

手数料が高い場合、負担が大きくなる

ドルコスト平均法では、定期的に金融商品を購入するため、毎回の購入ごとに手数料が発生します。購入の手数料が高いほど、利益に対するコストの割合が大きくなりがちです。そのため、毎月にかかる手数料が安い証券会社などを選ぶ必要があります。

大きなリターンは期待できない

ドルコスト平均法は、リスクを軽減できる分、リターンも少なくなる傾向があります。あくまで10〜20年を想定した長期運用に向いています。

一括投資と積立投資の比較

ドルコスト平均法の理解度を深めるためにも、一括投資とドルコスト平均法を使った投資の比較を行なっていきます。

今回は合計の投資額を4万円に設定して、一括投資とドルコスト平均法どちらも同じ投資信託に投資した場合、どうなるのかを見ていきましょう。金融商品の価格が上がったケースと、価格が下がったケースでそれぞれシミュレーションします。

一括投資の場合

ケース①:商品の価格が購入時よりも上昇する(一括投資の場合)

ケース①:商品の価格が購入時よりも上昇する
(画像=ケース①:商品の価格が購入時よりも上昇する)

ケース①では、一括で購入した場合の購入口数は50です。右肩上がりで推移していますから、最終的な収益は大きなプラスとなります。一括投資のメリットは、安いときに多く買うことができれば、その分のリターンが大きく見込めるという点です。

ケース②:商品の価格が購入時よりも下落する(一括投資の場合)

ケース②:商品の価格が購入時よりも下落する
(画像=ケース②:商品の価格が購入時よりも下落する)

一括購入を行った場合、最終的な価格が購入した時の価格よりも下落している分、結果的に大きなマイナスになっています。

積立投資の場合

ケース①:商品の価格が購入時よりも上昇する(積立投資の場合)

ケース①:商品の価格が購入時よりも上昇する
(画像=ケース①:商品の価格が購入時よりも上昇する)

合計の収益はプラスですが、一括購入の場合よりも収益は小さくなりました。毎月同じ額を投資するため、値上がりしていくと購入口数も少なくなります。

ケース②:商品の価格が購入時よりも下落する(積立投資の場合)

ケース②:商品の価格が購入時よりも下落する
(画像=ケース②:商品の価格が購入時よりも下落する)

一括購入と比べると値下がりした分、購入口数が多くなり、収益のマイナス幅が一括購入の場合よりも小さくなっています。

ドルコスト平均法を用いた積立投資は一括投資よりもリスクが小さいので、これから投資を始める初心者でも始めやすい方法といえるでしょう。

証券会社を選んで、ドルコスト平均法を始めてみよう

ドルコスト平均法を用いた投資ができる証券会社はたくさんあります。それぞれの証券会社には特徴があるので、どんな投資をやっていきたいかによって、選ぶべき証券会社が変わってきます。そこでおすすめの証券会社7社を詳しく解説していきます。

楽天証券

楽天証券は投資未経験の方の割合が75%を占め、投資初心者でも安心して使える証券会社です。

積立投資を行うと、楽天ポイントが定期的に付与されます。ポイントを使った投資もできるため、楽天市場や楽天の銀行、クレジットカードを使ってポイントを貯めている人にはお得な証券会社といえます。

SBI証券

SBI証券は、投資商品のラインナップが充実しており、国内外合わせて10か国に投資できます。最低100円から投資できるプランがあるので、ドルコスト平均法で投資を始めたい方には使いやすいです。

楽天証券と同様にポイントを利用した投資をすることができます。PontaポイントかTポイントでポイント投資を行なえるので、持っている方はぜひチェックしてみてください。

またSBI証券では、投資信託を他の金融機関から移す際に発生する手数料を全額負担してくれるサービスを実施しています。

マネックス証券

米国株の取扱数が国内トップクラスで、最長で過去10期以上の企業業績が一目でわかる銘柄スカウターに定評があります。投資信託とワン株(単元未満株)であれば100円からの小額投資もできることから、初心者にもおすすめといわれています。

SBI証券と同様に、100円から積立投資が可能で、毎月か毎日積み立てるのか期間を選ぶことができます。ドルコスト平均法による積立投資を行なう場合は、購入の申し込みの際に発生する手数料が全ての銘柄で無料です。

積立投資を持っているだけでポイントが貯まり、そのポイントはAmazonギフト券やdポイントなどと交換できます。

auカブドットコム証券

auカブドットコム証券は、投資信託の購入時の手数料が無料の証券会社です。そのため、積立投資を小額から始めたい人にとっては魅力的な証券会社です。SBI証券やマネックス証券と同様、100円からの積立投資が可能です。

投資信託を購入する際に、専用の問い合わせ先(投信専用ダイアル)があるので、もし購入時に不安なことがあっても安心して相談できます。

また、auカブドットコム証券は、他の証券会社に比べて分析ツールが充実しています。EVERチャートという分析ツールは、auカブドットコム証券の口座を持っている人なら誰でも利用でき、それぞれの銘柄を比較することができます。

GMOクリック証券

GMOクリック証券は、スマホアプリからの投資が簡単だといわれています。証券会社のスマホアプリにはさまざまな情報が載っており、初心者にとっては操作が難しいですが、GMOクリック証券のアプリでは余分な情報が削られ、必要な情報のみがまとめられています。

松井証券

松井証券は、他のネット証券会社と同様に投資信託の購入時の手数料が無料です。

また、個別株の取引手数料は、1日あたり50万円まで売却時の手数料が無料です。購入時の手数料と売却時の手数料がどちらも無料である証券会社は珍しいので、手数料を徹底して安く済ませたい人にとっては魅力的な証券会社です。

SBI証券と同様、投資信託の移管手数料を全額負担してくます。

DMM.com証券

DMM.com証券は、ネットサービスを手がけるDMM.comグループが運営する証券会社です。

国内証券会社の中では、手数料がトップクラスに安いことで有名です。特に若年層に対する手厚いサポートがあり、25歳以下の国内株式の取引手数料が無料です(2021年4月30日より)。

口座開設後は、1か月間国内株式が取引手数料無料となり、抽選で2000円分のプレゼントがあります。そのため、初期にかかるコストを抑えた投資が可能となっています。

また、DMM.com証券では、スマホだけで本人確認が簡単に済ませられます。つまり、口座開設から最短即日で取引が可能です。今すぐに投資を行ないたいと考えている人にとっては、メリットの大きい証券会社です。

銘柄を選ぶ際のポイント

ここまで、ドルコスト平均法を行なう際の証券会社のチェックをしてきました。

証券会社が決まったら、次に決めるべきは、ドルコスト平均法で何を買うかということです。ここでは、ドルコスト平均法で資産運用する際の銘柄選びの注意点をまとめました。

インデックスファンドを選ぶ

投資信託は、アクティブファンドとインデックスファンドの2種類に分類できます。

アクティブファンドとは、指数(インデックス)を上回るリターンを目指す運用を行うファンドを指し、ハイリターンが狙える分手数料が高めです。一方、インデックスファンドは指数(インデックス)に連動した運用を目指しているため、アクティブファンドほどのリターンは期待できないものの、よりリスクが少なく、手数料も抑えて運用できます。

アクティブファンドは見極めが非常に難しく、また手数料が高くなってしまうため、ドルコスト平均法の運用には不向きです。したがって、ドルコスト平均法を行う場合はインデックスファンドの中から選びましょう。

口数をより多く買えるものを選ぶ

ドルコスト平均法の場合、毎月一定額を投資するため、金融商品が値下がりすると自然と購入口数が増加します。したがって、ある程度購入できる口数が多い商品をあらかじめ選んでおくことで、値下がり時の運用がしやすくなります。

特に資本が少ない投資初心者であれば、1口当たりの価格が比較的安い商品から始めて、口数を多めに買うとよいでしょう。そうすることで、値上がり・値下がりの幅によって購入できる口数がどれだけ変わるのかが実感しやすく、ドルコスト平均法の運用を実践で学べます。

もちろん値上がり幅が大きくなれば、購入口数が多い分、より多くのリターンが見込めることは言うまでもありません。

手数料が安いものを選ぶ

最後に、ドルコスト平均法は毎月投資するため、取引手数料が安いものを選ぶのがポイントといえるでしょう。毎月かかる手数料(信託報酬・購入時手数料)を重点的にチェックし、コストパフォーマンスに優れた金融機関を厳選しましょう。

ドルコスト平均法についてまとめ

ドルコスト平均法は一括投資よりもリスクを抑えられる投資手法です。特に投資初心者は気軽に始められるドルコスト平均法から投資をスタートさせてみてはいかがでしょうか。