円安は投資のチャンス?2022年1月からドル資産26%増
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2022年1月から円安ドル高が急激に進んでいます。そんな今の為替相場は、「投資のチャンス」と呼べるのでしょうか。本記事では、円安の動向と要因を踏まえた上で、短期的な投資方法と長期的な投資方法に分けて円安を活かした投資を紹介します。

目次

  1. 年初からドル資産が「26%増」
  2. 今の円安は投資のチャンスになる?
  3. 円高に変わるリスクを踏まえつつ投資しよう


年初からドル資産が「26%増」

以下の画像は、2022年の年初から現在までの「米ドル/円」の為替レートの推移を表しており、為替レートが上昇するほど「円安」が進んでいることになります。

QUICK Money World「米ドル/円(USD/JPY)為替レート」
(引用:QUICK Money World「米ドル/円(USD/JPY)為替レート」)

2022年10月3日時点で日本円は1ドル=144円前後で推移しており、今年の年初は1ドル=115円ほどだったことから、約26%も円安に動いています。

円安に動いているということは、ドルを保有していれば、保有資産が相対的に増えていることになります。実際に年初に保有していた1万ドルは、約115万円の価値がありましたが、10月3日時点では約26%増の約144万円まで価値が膨らんでいます。

為替の動きが保有資産に大きな影響を与えることが、分かっていただけたかと思います。

為替が「円安」になる要因

一般的に、円安が進む代表的な要因として2点挙げられます。1つ目は「金利差」、2つ目は「モノやサービスの売買の動向」です。

日本の金利よりもアメリカの金利が高くなると、米ドルを保有していた方が多くの金利収入を得られるため、円を売ってドルを買う動きが強まることで円安になりやすくなります。

同じような理屈で、日本のモノやサービスを利用する外国人が減っても、円安が進みやすくなります。円を購入する必要性が低くなるため、円を売る動きにつながるからです。

今の円安は投資のチャンスになる?

今後も円安が続くのでしょうか。それとも現在の傾向が反転し、円高になるのでしょうか。断定するのは難しいですが、短期的な見通しと長期的な見通しを考えつつ、どのような投資手法で利益を狙うのが良いのか、一例を挙げてみます。

短期的な投資のチャンスは?

短期的にはまだ円安が続くとみられ、ドルを購入すれば日本円換算で保有資産は増えるかもしれません。円安が続くとみられているのは、アメリカでは今後も利上げが行われる見通しだからです。

ただし、予想よりも利上げのペースが減速すると、ドル売りの動きが目立ち始め、円高になるかもしれません。

もし円安が進んだ場合は、円安になると利益が出るように「FX(外国為替証拠金)」でドルを買っておき、円安になってから売ることができれば資産を増やせるでしょう。

FXではレバレッジ(※最大25倍)を効かせ、保有資産以上の規模の取引を行うことができます。一気に資産を増やすことも可能ですが、大きな損失にもつながるため注意も必要です。

長期的な投資のチャンスは?

日本では、金融緩和が円安をもたらし、現在も日銀による金融緩和の方針が続いています。こうした状況が続けば、一時的に円高になったとしても、数年後には再び円安が進むかもしれません。さらに円安が進むとすれば、S&P500などの株価指数に連動する「為替ヘッジなし」の投資信託の積み立てが選択肢の一つになるでしょう。

S&P500は長期的に右肩上がりが続く米国の主要な株価指数です。もちろん今後も上昇を続けるとは限らないので、まだ上昇する可能性があるのかは確認しておきましょう。

為替ヘッジなしの投資信託は円安が進むと利益がさらに増えるため、円安を期待するならこうした投資信託はかなり有力な選択肢となります。ただし、為替ヘッジなしの投資信託の場合、為替が円高になると資産の下落につながります。

その他には、円安の恩恵を受けやすい国内株に投資することも検討してみましょう。円安の恩恵を受けやすい企業は、輸出がメインの企業です。円安により輸出で得たドルの価値が上昇することで、日本円換算での売上増が期待できるからです。

ただし、個別企業の業績はさまざまな要因で上下します。円安傾向がさらに進んでも、会社の不祥事や競争力の低下で株価が大きく下落する可能性もあります。

円高に変わるリスクを踏まえつつ投資しよう

これまで説明した通り、円安を活かして利益を出す方法は複数あります。ただし、急に為替の潮目が変わり、円高に動き出す可能性もあります。その場合は、円安を期待して行った投資で損失を抱えるかもしれません。こうしたリスクを理解した上で、最新の為替動向を確認し、投資の判断を下しましょう。