個人投資家の投資手段、3位は株式投資、2位は投資信託、1位は?
(画像=adragan/stock.adobe.com)

長引くコロナ禍や「老後2,000万円問題」などで、将来の生活に不安を抱く若者が増えたことで、資産運用に注目が集まっています。日本人は貯金する人が多数派でしたが、今では4割近くの世帯が投資を行っているという調査もあります。

その調査は2022年8月19~23日にインターネットで行われ、974人が回答しました。実施したのは、女性向けアプリを展開するコネヒトです。

ここからは、投資の人気ジャンルに関する調査結果をランキング形式で紹介します。

目次

  1. 1位は「つみたてNISA」
  2. 2位は「投資信託」
  3. 3位は「株式投資」
  4. 4位は「個人型確定拠出年金」、5位は「企業型確定拠出年金」
  5. リスクに見合った投資を


1位は「つみたてNISA」

同調査によると、個人投資家が最も多く活用しているのは「つみたてNISA」で、全体の59.9%が投資していました。つみたてNISAは国が「貯蓄から投資へ」の流れを推進するために用意した税制優遇制度で、毎年一定の投資額内なら利益が非課税になる制度です。

つみたてNISAは日本国内に住む20歳以上の人が1人につき1口座を開設でき、毎年40万円を上限に最長20年にわたって投資信託(ETFを含む)に投資できます。通常、投資信託を売却したり、分配金を受け取ったりする場合は税金がかかりますが、つみたてNISAを活用すると、それらが非課税になります。

投資信託は、運用会社が複数の株式や債券などを組み合わせてつくった金融商品です。そのため、投資信託には、複数の銘柄に分散して投資できるという利点があります。

つみたてNISAは、20年間という長期にわたって「非課税」であること、その投資対象がプロによって作られた投資信託であることから「初心者でも手を出しやすい」という特徴が、個人投資家の高い支持を受け、約6割がつみたてNISAを利用しているという結果となったのでしょう。

2位は「投資信託」

2位の投資手段は「投資信託」で、30.8%が利用しています。つみたてNISAの利用が約6割ということを考えれば少ない気もしますが、投資している人の3人に1人が活用していると考えると、それなりに支持を得ていると言えそうです。

投資信託は、株価指数(日経平均株価や米国のNASDAQ総合指数など)やテーマなどに合わせ、運用会社が複数の上場株式や債券などを組み合わせた商品です。

例えば株価指標に連動する投資信託なら、A社の株価が大幅に下落しても、B社、C社の株価が上がって指標が上昇することで、投資信託の基準価額はプラスになる可能性が高くなります。もし個別の銘柄に投資してA社の株式のみを保有していたら、大きなマイナスになっていた恐れがあります。

投資信託は一つの銘柄で投資先が分散しているため、短期間で損失が膨らむリスクを減らすことができます。その一方、分散されているために基本的にはハイリターンは期待しにくい点も、あらかじめ知っておく必要があるでしょう。

ただし、投資信託の投資方針によってはハイリターンを期待できる代わりに、ハイリスクのものもあります。

3位は「株式投資」

3位は「株式投資」です。これは1位、2位の投資信託と異なり、特定の企業の株式を売買して譲渡益を得たり、長期保有して配当金や株主優待を受け取ったりできます。

投資したA社の業績が大幅に伸びたり、他社に買収される話が持ち上がったりすると、A社の株価は大きく上昇するかもしれません。

しかし、株価が上昇して儲かりやすいということは、同じぐらい損失を出すリスクもあります。

4位は「個人型確定拠出年金」、5位は「企業型確定拠出年金」

個人投資家の支持4位は「個人型確定拠出年金」、5位は「企業型確定拠出年金」です。

「個人型」は一般に「iDeCo(イデコ)」と呼ばれ、自営業者や専業主婦、公務員など立場の違いによって毎月の掛け金の上限金額が決まっており、自分で決めた運用比率に基づき投資信託を購入できます。iDeCoの運用益は非課税で再投資されるため、長期的な資産形成に便利な制度です。

「企業型」は企業が掛金を拠出し、従業員が運用方法を選ぶ制度で、個人型と同様に運用益が非課税になり、受け取る時は退職所得控除や公的年金等控除の対象になります。

リスクに見合った投資を

投資をする上で必ず念頭に置かなければならないのは、全ての投資にリスクがあるということです。安定したリターンを期待できるように見える商品にも、元本割れの可能性は常にあります。他人が何をしているかを盲目的に信じず、自分の経済状況や金銭的な余力を見ながら、適切な運用方法を探っていきたいものです。