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(画像=お金のミカタイムZ 編集部)

目次

  1. はじめての株式投資
  2. ①まずは取引口座の準備をしよう
  3. ②実際に購入する株を決めよう
  4. 【初心者必見】株を買う時に考えたい3つのポイント
  5. ③実際に株を注文して買ってみよう
  6. ④実際に株を運用してみよう
  7. ⑤実際に株を売ってみよう
  8. 初心者におすすめ!こだわり条件でネット証券会社を選ぼう
  9. 分散投資などを活用して、リスクを抑えながら株式投資を始めよう

はじめての株式投資

株式投資とはどんなもの?

公的年金だけでゆとりある老後を送るのは難しいと言われています。老後に向けて株式投資で資産形成するのも選択肢の一つでしょう。株式投資では企業が発行する株式を売買・保有することで、値上がり益などの利益を狙えます。長期の資産形成に適しているため、自身の将来や家計に不安を抱えている方は、これを機に株式投資の基礎を学んでみてはいかがでしょうか。

株式投資で利益を得る方法

株式投資で利益を得る方法は、大きく以下の3つに分けられます。

・1.値上がり益(キャピタルゲイン)

値上がり益(キャピタルゲイン)は、株価の上昇によって生じる利益で、株式投資の中では大きな利益になりやすくなっています。

一般的に株価は企業の成長とともに上昇し、上昇する見込みがある場合は多くの投資家が注目します。その時に多くの投資家が購入すれば、その株式の株価はさらに上昇します。

良いタイミングを見極めて株式を売却できれば、購入時から株価が上昇した分だけ値上がり益を得られます。

・2.株主優待

株主優待は、企業から贈られる特典(プレゼント)のようなものです。上場企業の中には、保有株式数や保有年数などの条件を満たす株主に対して、以下のような株主優待を付与している企業があります。

○株主優待の例

会社名株主優待の内容
オリックス各種サービスの割引、カタログギフトなど
イオン買上金額に対するキャッシュバック、ギフトカードなど
KDDIグルメ品や割引券などが含まれたカタログギフト

株主優待の内容や付与条件は企業によって異なり、中にはそもそも株主優待制度がない企業もあります。保有株数・保有年数に応じて内容が変わる場合もあるので、株主優待を狙う方は入念に下調べをしておきましょう。

・3.配当金(インカムゲイン)

配当金(インカムゲイン)とは、保有株式数に応じて企業が株主に支払う分配金のことです。基本的に企業の業績が好調なときに支払われるものであり、国内株では年に1~2回配当金が支払われるケースが多いです。

配当金は株主優待と同じく、金額や回数、時期などを各企業が決めているため、配当金を狙う場合も入念な下調べが必要です。業績に関わらず配当金を出さない企業もあるので、配当金狙いで株式を購入する際は注意しましょう。

①まずは取引口座の準備をしよう

株式を売買するには、証券会社で口座を開設する必要があります。口座はどの証券会社でも開設できますが、最近はパソコンやスマートフォンから簡単に利用できる「ネット証券」が多く利用されています。

では、証券口座はどのように準備すればよいのでしょうか。具体的な手順を紹介します。

STEP1:証券口座を選ぶ

ネット証券にもさまざまな選択肢があり、証券会社によってサービス内容は異なります。中でも手数料・投資情報・金融商品の3つは、口座の使い勝手やメリットにも関わる重要なポイントです。

比較しておきたい点をまとめたので、投資の目的やスタイルなどを意識しながらチェックしてください。

・1 手数料の安さ

一般的な証券会社では、株式を取引するたびに手数料が発生します。手数料は積み重なると大きなコストになるため、できるだけ手数料が安い証券会社を選ぶことが大切です。

手数料体系は証券会社によって異なりますが、料金プランは大きく以下の2種類に分けられます。

手数料のプラン概要
約定プラン取引のたびに手数料が発生するプラン。
取引回数が少ない人ほどお得になりやすい。
定額プラン1日あたりの手数料が決められているプラン。
取引回数が多い人ほどお得になりやすい。

同じタイプのプランでも証券会社によって細かい料金設定は異なるので、自身の投資スタイルを踏まえて比較しましょう。

・2 投資情報の充実度

証券会社は投資家をサポートするために、さまざまな投資情報を無料で提供しています。具体的にどのような情報をチェックできるのか、一例を紹介しましょう。

  • 会社四季報や情報誌
  • 専門家(アナリストなど)の分析レポート
  • 注目銘柄や人気銘柄のランキング など

これらの情報は独自のコンテンツを通して提供されるため、口座開設先によって収集できる情報は異なります。また、コンテンツの種類や量だけではなく、情報収集では「見やすさ」や「使いやすさ」もポイントになるので、必要な情報をスムーズに収集できるような証券会社を選びましょう。

・3 金融商品の豊富さ

株式投資はどの証券会社でも行えますが、投資できる銘柄には違いがあります。証券口座を開設してから他の金融商品に興味を持つ可能性もあるので、国内株以外のラインナップも比較することが大切です。

証券会社によって違いが出やすいものとしては、「新規公開株」と呼ばれるIPOの銘柄数や、外国株の取扱国数などが挙げられます。将来投資の幅を広げるためにも、各社の商品ラインナップは細かい部分まで比較しておきましょう。

・どの証券会社を選ぶべきか(おすすめの証券口座)

手っ取り早く証券口座を決めたい方は、ネット証券であるSBI証券・楽天証券・松井証券の3社から検討するとよいでしょう。これらはいずれもサービスが充実しており、投資家のスタイルに合わせた料金プランを用意しています。

国内株や米国株をはじめ、投資信託やFXなど豊富な金融商品を取り扱っている点も魅力です。3社ともNISAやiDeCoに対応しているため、長期の積立投資を考えている方にもぴったりです。

専門家レポートをはじめとした投資情報についても、独自の取引ツールやアプリなどを通して、さまざまなものが無料で提供されています。

STEP2:証券口座を開設する

証券口座を選んだら、口座開設の手続きを行います。細かい手順は証券会社によって異なりますが、ここでは口座開設までの一般的な流れを紹介します。

・1 証券会社を選ぶ

証券会社は日本全国にありますが、どこで口座を開設するかによって利用できるサービスが変わります。前述の手数料や投資情報、金融商品のラインナップのほか、適用されるキャンペーンなども異なるので、各社の最新情報をチェックした上で選ぶことをおすすめします。

できるだけ早く証券口座を開設したい方は、オンラインで申し込めるネット証券がおすすめです。

・2 証券会社のHPから口座開設を申し込む

次に、口座を開設する証券会社のホームページにアクセスし、以下の流れで申し込みます。

○口座開設申し込みの流れ
【1】申込画面にメールアドレスを入力する
【2】メールで認証コードを受け取り、次の画面に入力する
【3】氏名や住所など、申込者の基本情報を入力する
【4】表示される規約を確認し、承諾をクリックする
【5】口座開設の方法を選ぶ

口座開設の方法には、オンライン上ですべての手続きを済ませる方法と、郵送による手続きがあります。郵送は書類のやり取りだけで数日かかるため、特別な事情がない場合はオンライン上での手続きをおすすめします。

・3 本人確認書類を提出する

申し込み手続きが完了したら、本人確認書類を提出します。

○本人確認書類を提出するまでの流れ
【1】証券会社のマイページにアクセスする
【2】発行されたIDとパスワードを入力し、ログインする
【3】口座開設状況を確認する
【4】本人確認書類のページに移動し、指定された方法で提出する

使用できる本人確認書類としては、マイナンバーカードや運転免許証のほか、健康保険証、住民票、印鑑登録証明書、住民基本台帳カードなどが挙げられます。顔写真がない書類の場合は、基本的に2点以上の本人確認書類を提出することになります。

・4 口座開設完了通知を受け取る

証券会社による審査や確認が終わると、メールもしくは郵送で「口座開設完了通知」が届きます。この通知には口座番号のほか、申込者の個人情報なども記載されているため、紛失しないよう厳重に保管しておきましょう。

郵送に比べてメールによる通知は見落としやすいので、メールはこまめに確認しておくことが大切です。

・5 開設した口座に入金する

口座が開設されたら、次は株式を購入するための資金を入金します。入金方法は以下の3つで、それぞれメリットや注意点などが異なります。

入金方法概要
ネット入金ネットバンキングなどの口座を利用して、証券会社のマイページから入金する方法。手続きが簡単であり、反映スピードも速い。
銀行振込証券会社から指定された口座に、銀行のATMなどからお金を振り込む方法。基本的には振込手数料が発生し、反映までに数時間かかるケースもある。
振替入金通常の銀行口座から、指定された口座に入金する方法。手数料は発生しないものの、入金の反映は翌営業日になる。

各入金方法の手数料や反映スピードは、証券会社によって異なります。また、入金方法によって特典などが変わるケースもあるので、入金方法を選ぶ前に各社の情報をしっかりチェックしておきましょう。

②実際に購入する株を決めよう

証券口座の開設手続きと入金を済ませたら、株式を購入できる状態になります。ここからは初心者の方に向けて、購入する銘柄の選び方やポイントなどを解説します。

株の購入時のポイントと特徴(種類)

株式投資において、初心者が押さえておきたい主なポイントは以下の3つです。

○株式投資のポイント
・株式市場をチェックする
・株式の種類による違いを理解する
・狙う利益によって買い方を変える

各ポイントをどのように意識すべきか、初心者にもわかりやすいように解説します。

・株式市場をチェックしてみよう

国内の株式市場と言えば、多くの大企業が上場している「東証1部」が有名です。しかし、東証1部を運営する東京証券取引所は、1部、2部、マザーズ、JASDAQの4つに分けていた市場を、2022年4月4日からプライム、スタンダード、グロースの3市場に再編します。

東証の株式市場特徴
プライムグローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場
スタンダード公開された市場における投資対象として十分な流動性とガバナンス水準を備えた企業向けの市場
グロース高い成長可能性を有する企業向けの市場

※再編後の市場区分。日本取引所グループ(JPX)の公式サイトの情報をもとに作成

それぞれの市場の特性を理解しておくと、投資目的に合う銘柄を選びやすくなります。実際に上場している企業にも目を通しながら、各市場の特徴をしっかり確認しておきましょう。

1.国内株

国内株とは、日本国内の市場に上場している企業の株式のことです。誰もが知る有名企業が多く、業績などの情報収集が容易であることから、親しみやすい投資対象といえます。

銘柄の選択肢も豊富であり、東証だけでも3,825社の企業が上場しています(2022年1月時点)。

・国内株を値上がり益狙いで買う時のポイント

値上がり益狙いは、株価が割安なうちに株式を購入し、上昇してから売却するというシンプルな投資手法です。一般的に株価は業績の影響を大きく受けるため、成長性・将来性の高い銘柄や、商品が流行しそうな銘柄を選ぶのがポイントになります。

例えば、近年注目されるNFT(※)市場に参入したことで、情報・通信サービスを提供する「GMOインターネット」の株価が急上昇しました。同社の株価は2020年3月~2021年3月の1年間で、約2倍になっています。

このように、私たちの生活を便利にする商品・サービスは注目されやすいので、その点も意識しながら魅力的な国内株を探しましょう。

※さまざまなデジタルサービスで使用される、非代替性トークンのこと

・国内株を配当狙いで買う時のポイント

国内株の中には、保有株式数や保有期間などの条件を満たすと、一定の配当金が分配される銘柄があります。配当金は株式を保有しているだけで発生するため、値上がり益狙いのように売買を繰り返す必要がありません。

例えば音楽事業や映像事業を行う「エイベックス」は、2021年3月に1株あたり121円の配当金を分配しました。100株保有していた場合は1万2,100円、1,000株の場合は12万1,000円の配当金を受け取った計算になります。

一般的に配当金は利益を株主に還元する意味合いで分配されるため、業績が良い企業ほど高い金額を設定します。ただし、そもそも配当金を出さない企業もあるので、配当狙いの場合は各社の情報をしっかり確認しておきましょう。

2.外国株(米国株)

外国株の中でも「米国株」は、多くの証券会社が取り扱っています。国内株に比べるとハイリスクに見えるかもしれませんが、アメリカの代表的な30銘柄で構成される「NYダウ」は、1900年から2000年代にかけて約200倍に成長しています。

その勢いは2000年以降も続いており、2020年にはついに3万ドルの大台を突破しました。米国株の中には国内株より安定性が高く、長期の資産形成に適した銘柄も多くあります。

実際に、多くのアメリカ人は現金を株式などの金融資産に換えて、安定した資産形成を行っています。ただし、国内株の「値上がり益狙い」や「配当狙い」とはやや勝手が異なるので、購入する前には選び方のポイントをしっかり確認しておきましょう。

・外国株を値上がり益狙いで買う時のポイント

米国株をはじめとした外国株には、値幅制限の「ストップ高」「ストップ安」がありません。国内株とは違い、1日で株価が数十%変動することもあるので、初心者の方には値上がり益狙いであっても、安定した銘柄を選ぶことをおすすめします。

具体的な銘柄としては、NYダウやS&P500の構成銘柄や、GAFAM(※)などが挙げられます。日本にもサービスが浸透しているような有名企業を選べば、情報収集のハードルも下がります。

※Google、Amazon、Facebook(現Meta)、Apple、Microsoftの頭文字をとった呼称

・外国株を配当狙いで買う時のポイント

国内株に比べると、米国株をはじめとした外国株は高配当を狙いやすいといわれています。

国内株の配当利回り(※)は1~2%前後、配当回数は年2回が一般的です。一方、米国株には配当利回りが3%を超える銘柄が多く、配当回数についても年4回がほとんどです。

※1株あたりの配当金を1株あたりの株価で割ったもの

初心者が狙いたいのは、配当利回りが4%を超えるような高配当株や、長期で連続増配を続けている銘柄です。コカ・コーラやジョンソン&ジョンソンなど、米国株には増配を50年以上続けている銘柄も多くあるので、長期の資産形成を目指している方はぜひ検討してみましょう。

3.IPO株

IPO(Initial Public Offering)とは、未上場企業が株式を証券取引所に上場することです。日本語では「新規公開株」と訳されており、上場直後に株価が上昇しやすいことから、IPO株は多くの投資家から注目されています。

IPO株は数が限られているため、各証券会社が抽選を行う形で購入者を決めています。申し込んだからといって必ず購入できるものではありませんが、多くのIPOを取り扱っている証券会社を選べば必然的に当選確率が上がります。

2021年は125社のIPOが実施され、そのうち103社は上場直後に株価が上昇しました。特にAIやIT関連の銘柄が人気を集めており、中には上昇率が300%を超えたIPO株もいくつかありました。

4.優待株

優待株とは、保有株式数などの条件を満たすことによって「株主優待」を受け取れる銘柄のことです。株主優待の中には生活費の節約につながるものがあるので、うまく活用すると思わぬ利益になることがあります。

例えば大手食品メーカーの「日清食品」は、300株以上を保有する株主に対して以下のような優待品を贈っています。

  • 会社製品の詰め合わせ(3,500円相当)
  • ひよこちゃんオリジナルグッズ(1,500円相当)
  • 国連WFPへの寄付

優待株を選ぶ際のポイントは、普段からよく利用するお店や企業の優待品を調べておくことです。実用性の高い優待品は大きな利益になるので、資金に余裕のある方は積極的に狙うとよいでしょう。

購入単位(数の観点)

株式投資には「購入単位(単元)」があり、一般的な国内株は100株単位で購入できます。また、国によって最低購入単位は異なるので、外国株を購入する際には事前に調べておきましょう。

「成長株」や「割安株」を購入しよう(特徴の観点)

数ある株式の中でも、「成長株」と「割安株」は狙い目です。

  • 成長株:業績が良く、今後もさらに成長を見込める銘柄
  • 割安株:本来の価値よりも、現在の株価が低い銘柄

数年分の業績や事業内容などを細かくチェックする必要はありますが、成長株・割安株は大きな利益につながる可能性が高いので、情報収集や分析をしながら探してみましょう。

【初心者必見】株を買う時に考えたい3つのポイント

株式の種類によって選び方のポイントは異なりますが、株式投資ではほかにも意識したいことがあります。ここからは、株式投資全般に共通する購入のポイントを紹介します。

①株は最少単元で購入する

投資に詳しい上級者であっても、株価の動きを正確に予測することはできません。株式投資には損失のリスクがあるため、初心者の方には「最少単元での購入」をおすすめします。

最少単元とは、その株式を購入する際の最低単位のことです。一般的に国内株の最少単元は100株、米国株では1株に設定されています。

証券会社によっては、国内株でも1株から購入できる「単元未満株(ミニ株)」と呼ばれるサービスを提供しているところもあります。リスクを抑えながら株式投資に慣れたい方は、そのような証券会社を検討するとよいでしょう。

②事前に株価の動きに関する知識を身につけておく

株価はさまざまな要因で変動するため、上級者でも正確に予測することはできません。ただし、以下の2つの分析方法を学べば、ある程度は値動きを予測することができます。

株価を予測する方法概要
テクニカル分析これまでの株価の推移から、将来の株価動向を予測する方法。移動平均線やボリンジャーバンドなど、専用の指標を用いて分析を行う。
ファンダメンタルズ分析業績や財務状況などから、企業の本質的な価値を分析する方法。分析した企業価値と実際の株価を比較して、割安かどうかを判断する。

株価予測の精度を上げるには、基本的な分析方法を学んだ上でトライ&エラーを繰り返すことが大切です。ほかの投資家や専門家の意見なども確認しながら、地道に必要な知識を身につけていきましょう。

③株を売るときの基準をあらかじめ設定しておく

株式投資で最も難しいのは、売り時を見極めることです。初心者が失敗しやすい例を紹介します。

  • 購入した銘柄が「まだ上がる」と思っていたら暴落してしまった
  • 株価が下がり切ったと思って購入したら、さらに下落してしまった

上記のような失敗を防ぐには、売却のタイミングを決めておくことをおすすめします。例えば、「株が○○%上昇したら売却する」「損失が△△円になったら売却する」といったようにルール化しておけば、想定外の損失を被ることがありません。

仮に損失が出ても経験として蓄積されるので、あらかじめ決めたルールどおりに取引を繰り返し、少しずつ自身の投資スタイルを確立していきましょう。

③実際に株を注文して買ってみよう

株式投資の基礎知識を身につけたら、次は実際に株式を購入してみましょう。口座開設後に入金すると、銘柄・購入株数・注文方法などを指定して注文ができるようになります。

ここからは注文方法による違いや取引可能時間など、株式を購入するまでの流れやポイントを紹介します。

「指値注文」と「成行注文」の違い

株式の注文方法には、「指値注文(さしねちゅうもん)」と「成行注文(なりゆきちゅうもん)」があります。

指値注文とは、購入(売却)する株価を自分で指定する注文方法のことです。例えば、「株価が500円のときに100株買う」「株価が300円になったら100株売る」といったように設定します。この条件を満たさない限りは、注文が執行されません。

成行注文とは、株価を指定しない注文方法のことです。流動性が高ければ、即座に注文が成立します。買い注文を出した場合は、その時に提示されている売り注文の中で、最も価格が低いものと売買が成立します。

指値注文と成行注文の主な違いは「株価を指定するかどうか」ですが、ほかにも以下のような違いがあります。

指値注文成行注文
メリット・設定した価格で約定する
・リスクを抑えやすい
・スピーディーな取引ができる
・チャンスを逃しにくい
デメリット・スピーディーな取引は難しい
・大きなチャンスを逃すことも
・想定外の価格で売買が成立することも

できるだけリスクを抑えたい初心者の方は、想定外の取引が発生しない指値注文から始めるとよいでしょう。チャンスを逃してしまうこともありますが、指値注文でも繰り返し取引を行えば、着実に知識や感覚を身につけられます。

株を買う流れ

証券口座を開設してから株式を購入するまでの流れは、以下の通りです。

○株式を購入するまでの流れ
【1】購入資金を入金する
【2】購入する銘柄を選ぶ
【3】専用のツールやアプリなどから注文を出す

実際に注文を出す際は、銘柄や証券コード、数量、価格、注文の有効期限などを設定します。1つでも間違えると想定外の取引になってしまうため、入力したら内容を確認してから注文を出しましょう。

取引可能時間について

株式の取引可能時間は、その銘柄を扱う証券取引所によって異なります。例えば国内最大の取引所である東証(東京証券取引所)では、以下の時間帯に取引ができます。

○東京証券取引所の取引可能時間
・営業時間(午前):9時00分~11時30分
・営業時間(午後):12時30分~15時00分
(※土日祝日、12月31日~翌年1月3日は休業日)

取引時間や休業日は変更される可能性があるため、常に最新の情報をチェックしておくことが大切です。

取引成立について

株式の取引は相手がいないと成立しないため、注文を出しただけでは取引が成立しないこともあります。

指値注文では、指定した株価における取引相手が見つかった場合に、取引が成立します。成行注文の場合は、その時に売りまたは買いの注文が出ていると取引が成立します。

タイミングによっては相手の注文がキャンセルされることもあるので、注文を出した後は取引が成立したことを必ず確認しましょう。

スマホで株を買う方法を実演

証券会社のスマホアプリは日々進化しており、最近は誰でも簡単に株式を取引できるようになりました。ここからはSBI証券のアプリを例に、スマホで株式を買う方法を解説します。

まず専用アプリを開き、個別銘柄を選びます。購入(売却)することを決めたら、「取引」ボタンをタップしましょう。

「現物買」のボタンをタップしたら、注文内容を入力する画面が表示されます。注文方法や株数、取引条件などを設定して「確認」ボタンを押すと注文内容が表示されるため、注文が間違っていないことを確認してください。

その後は「発注」のボタンをタップすれば、注文が完了します。

④実際に株を運用してみよう

ここからは初心者の方におすすめの運用方法や、取引に必要な基礎知識などを紹介します。

株のおすすめの運用は?

初心者の方が株式に投資する場合は、取引に慣れるまでリスクを抑えることが大切です。主な運用方法としては、以下の3つが挙げられます。

初心者におすすめの運用方法概要
1.順張り株価のトレンド(上昇・下落の流れ)に合わせて、買い注文や売り注文を出す方法。トレンドに逆らう「逆張り」に比べると、売買の判断がしやすい。
2.分散投資取引する銘柄を1つに限定せず、複数の銘柄に資金を分散する方法。会社の規模や業種、地域などを分散すると、損失リスクの軽減が期待できる。
3.取引基準の設定あらかじめ取引の基準価格を決めておき、それ以外の価格では取引をしない方法。利益確保の確実性が高まり、大きな損失も回避できる。

いずれも株式投資の基本的なテクニックなので、不安を感じている方はぜひ取り入れてください。

長期保有と短期保有とは?

株式投資のスタイルは、同じ銘柄を数ヵ月~数年保有する「長期保有」と、数日以内に手放す「短期保有」に分けられます。それぞれ異なる特徴があり、長期保有では配当金や株主優待、短期保有では値上がり益を狙います。

投資の目的や資金などを踏まえて、自身に合う投資スタイルを見極めましょう。

目標株価の設定について

目標株価とは、ある企業の株価が「今後どれくらいの価格になるか」を予測したものです。各銘柄の事業内容や経済動向などの情報をもとに、各証券会社がホームページなどを通して発表しています。

必ず当たるとは限りませんが、割安度・割高度の判断に役立つ情報なので、初心者の方は参考にするとよいでしょう。

株価のチェック・チャートについて

株価は短期間で大きく変動することもあるので、長期保有を前提にしている場合でも、こまめに確認することが大切です。定期的に株価をチェックしておけば、損失が想定以上に膨らんだり、売り時・買い時を逃したりすることを防げます。

また、株価はトレンド(流れ)に左右されやすいため、一定期間の推移をグラフ化した「株価チャート」も欠かさずチェックしましょう。

⑤実際に株を売ってみよう

値上がり益を狙う場合は、購入した株式を売却しない限り利益が発生しません。売却のタイミングは購入よりも重要といわれているため、株式の売り方に関する知識も身につけておきましょう。

株を売る流れ

すでに保有している株式は、以下の流れで簡単に売却できます。

○株式を売却する流れ
【1】売却する銘柄を選ぶ
【2】売却する数量を入力する
【3】売り注文を確定させる

買い注文に比べると、売り注文はシンプルです。ただし、銘柄や数量の間違いは重大な損失につながるので、注文内容は必ず確認しましょう。

株を売る3つのタイミング

保有している株式を売却するタイミングは、大きく以下の3つに分けられます。

  • 目標に達したとき
  • 損切りするとき
  • 業績悪化が確定したとき

それぞれどのような売り方なのか、以下で詳しく解説します。

・1 目標に達したとき

あらかじめ目標を決めている場合は、株価が目標に到達したタイミングで株式を売却します。例えば、「株価が○○%上昇したら売却する」「利益が○○円になったら売却する」といった目標を決めておけば、利益をしっかり確定することができます。

事前に決めたルールを破ると想定以上の損失を被るリスクが高まるので、設定したルールを守ることが大切です。

・2 損切りするとき

損切りとは、損失が確定している状態で株式を売却することです。損失の被害を最小限に抑えるための方法であり、一般的な損切りラインは5~10%といわれています。

株式投資は必ず勝てるものではないため、取引を続けていると損切りのタイミングは必ず訪れます。判断が遅れると多くの資金を失ってしまうので、損切りラインは強く意識しておきましょう。

・3 業績悪化が確定したとき

決算などによって業績の悪化が確定すると、ほとんどの銘柄は短期間で大きく下落します。そのため、業績や財務状況などに問題が見つかった場合は、早めに売却することが大切です。

株価の下落要因はほかにもいくつかあり、不祥事や想定外のトラブルなどによって下落することもあります。

初心者におすすめ!こだわり条件でネット証券会社を選ぼう

条件にこだわって証券会社を選ぶと、使い勝手が良い口座を開設できます。ここからは、初心者に特におすすめしたいネット証券会社をまとめたので、口座開設先を探している方はぜひ参考にしてください。

①SBI証券

以下の2つのプランによって、業界最安水準の手数料を実現しているネット証券です。

  • スタンダードプラン:1回あたりの取引金額が5万円以下の場合、手数料55円(税込)
  • アクティブプラン:1日の取引金額が100万円以下の場合、手数料無料

IPO株の取り扱いも豊富で、国内株以外にも幅広い金融商品を取引できます。

②楽天証券

楽天証券も、複数の料金プランで業界最安水準を実現している証券会社です。

  • 超割コース:1回あたりの取引金額が5万円以下の場合、手数料55円(税込)
  • いちにち定額コース:1日の取引金額が100万円以下の場合、手数料無料

お得なポイントプログラムも用意されているため、さまざまな特典を狙いながら資産運用ができます。

③松井証券

松井証券の手数料は1日の取引金額によって変動し、合計金額が50万円以内であれば手数料はかかりません。また、25歳以下(未成年も含む)の方は、取引金額に関わらず手数料無料で取引ができます。

分散投資などを活用して、リスクを抑えながら株式投資を始めよう

株式投資は、初心者でも証券口座を開設するだけで簡単に始められます。分散投資や順張りなどのテクニックを活用すれば、リスクを抑えながら利益を狙うことも可能です。

短期から長期までさまざまな資産形成に適しているので、興味を持った方はこれを機にぜひ挑戦してみましょう。