2022年12月に新NISAが発表されました。現行制度に比べると、年間の投資枠や非課税期間が拡充される予定です。この新制度をうまく活用するには、どのような準備を進めれば良いのでしょうか。本記事では2024年の制度スタートに向けて、新NISAの概要や活用するにあたって必要な準備を解説します。
NISAが変わる!?
税制優遇制度のNISAは、もともと2014年1月に開始された制度です。2018年1月には長期・積立・分散投資を支援するための制度として、毎年40万円まで投資でき、得た利益が非課税になるつみたてNISAもスタートしました。
制度開始から利用者は増えていますが、一般NISAは5年間、つみたてNISAは20年間と、それぞれ投資できる期間が設けられています。政府は「家計の安定的な資産形成」と「成長資金の市場供給」を目的として、2024年から新NISAの開始を発表しました。
新NISAの概要
2024年から始まる新NISAは、現行制度とどこが異なるのでしょうか。以下では3つのポイントに分けて、制度の特徴を紹介します。
制度が恒久化する
現行のNISAには、1口座あたりに適用される「非課税期間」があります。一般NISAは最長5年間まで、つみたてNISAは最長20年間までの適用ですが、新NISAには期間制限がありません。
最大利用額が増える?
1年間に利用できる非課税投資枠が拡充される点も確認しておきたい変更点です。
<NISAの非課税投資枠の違い>
現行の一般NISA:年間120万円
現行のつみたてNISA:年間40万円
新NISA:年間120万円(※成長投資枠は年間240万円)
新NISAの「つみたて投資枠」では、年間の非課税投資枠が120万円に設定されています。現行のつみたてNISAよりも最大投資額が3倍になるため、より大きなリターンが狙えるでしょう。
投資可能期間が長くなる?
現行制度と違い、新NISAには投資可能期間の制限がありません。口座開設期間も恒久化される予定なので、投資資金がたまったタイミングで始められます。
<新NISAの概要>
投資枠の種類 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
---|---|---|
対象者 | 18歳以上 | 18歳以上 |
非課税投資枠 | 年間120万円 | 年間240万円 |
非課税期間 | 恒久化 | 恒久化 |
投資可能期間 | 恒久化 | 恒久化 |
対象商品 | 長期積立や分散投資に適した投資信託 | 株式や投資信託など |
上の表は、成長投資枠も合わせた「新NISA」の概要をまとめたものです。新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の併用もできるため、最大で年間360万円までの非課税投資枠をつかえます。
ただし、新たに「非課税保有限度額」が設けられた点には注意が必要です。総額1,800万円まで(成長投資枠は1,200万円)の資産しか保有できませんが、評価額の下落によって総額が1,700万円まで落ちると、100万円の投資枠が再利用できるようになります。
最大限活用するために準備すべきことは?
新NISAを最大限活用するには、制度開始までに準備を整えておく必要があります。ここからは、優先的に取り組みたい3つの準備を紹介します。
毎月より多くの額を積み立てられるようにする
新NISAが始まると、つみたてNISAでは年間40万円だった非課税投資枠が120万円に拡充されます。毎月同じ金額を積み立てる場合、1ヵ月あたりの金額は10万円です。この金額を基準として、日々の節約や収入アップに取り組んでみてください。
対象商品の特徴
新NISAのつみたて投資枠で購入できる商品は、現行のつみたてNISAで購入できるものと同じになる予定です(※2023年1月時点)。明確な運用プランを立てるために、対象商品の特徴も確認しておきましょう。
<対象商品の主な特徴>
・長期積立や分散投資に適した投資信託(※一部のETFも対象)
・販売手数料が0円、かつ信託報酬が低いもの
・信託契約期間が20年以上のファンド
一方で、成長投資枠では投資信託や上場株式が取引できます。取引できる商品は証券会社によって異なるので、各社の商品ラインナップを確認しましょう。
将来いくら老後資金が必要なのか計算しておこう
毎月10万円の積立が難しい場合は、必要になる老後資金から毎月の積立額を設定しましょう。投資のゴールが明確になれば、想定利回り(※)を設定することで必要な積立額を計算できます。
(※)投資金額に対するリターンの割合。
こまめに最新情報をチェックし、新NISAの準備を進めよう
新NISAが始まると、つみたて投資枠の年間の非課税投資枠が120万円、成長投資枠の240万円を合わせると360万円に拡充されるだけではなく、非課税期間や投資可能期間も恒久化されます。すでに現行制度を利用している人も、新制度への切り替えに備えましょう。
ただし、制度開始までに概要が変更される可能性もあるので、最新情報はこまめにチェックすることをおすすめします。