インフレ率、春に2%に到達?「資産運用」で家計を守ろう
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物価の上昇率を示す「インフレ率」が2022年春にも2%に迫ると予想されています。原油価格の高騰や、コロナ禍による物流の混乱などが要因です。物価が上昇すると、保有しているお金の価値が相対的に下がります。このような状況では、どのような家計防衛策が考えられるでしょうか。

目次

  1. そもそも「インフレ率」とは?
  2. 有効な家計防衛策の一つが「資産運用」
  3. 資産運用における基本方針は?
  4. インフレ下でおすすめの投資方法とは?
  5. 小さくてもよいので、まずはアクションを起こそう

そもそも「インフレ率」とは?

インフレ率とは、前年と比較した場合の物価の上昇率のことです。単に「インフレ」という場合は、物価が上昇する現象を指します。例えば、1年前に100円だった野菜の平均価格が101円になったとすると、物価が1年間で1%上昇したことになります。

ちなみに、インフレは「インフレーション」の略です。反対語は「デフレーション(デフレ)」で、物価が下落する現象を指します。

いまなぜインフレが起きているの?

現在、世界的にインフレが加速しています。冒頭でも少し触れましたが、原油や天然ガスなどの資源価格が高騰していることや、物流の混乱などによって供給に遅れが出ていることが原因です。

原油価格が上がると、さまざまな製品の製造コストやモノの輸送コストが上がり、その結果製品価格が上がります。また、供給に遅れが出ると需要と供給のバランスが崩れて、需要のほうが大きくなることで商品の価格が上がります。

「成長なきインフレ」の懸念とは?

インフレ自体は、決して悪いことではありません。適度なインフレは、その国の経済成長に必要であると考えられています。アメリカでは年2%をやや上回る水準を目標として掲げており、日本も長引くデフレからの脱却を目指してきました。

そう考えると、現在日本でインフレ率が2%に迫っていることは良いことのように見えます。しかし、ある程度の賃金上昇を伴わないインフレは、家計の負担を増やすだけです。このような状況を「成長なきインフレ」と呼び、現在日銀も懸念を示しています。

有効な家計防衛策の一つが「資産運用」

このような状況の中、家計についてはどのような防衛策が考えられるでしょうか。節約も一つの対策ではありますが、成長なきインフレが続けば限界を迎えます。最も有効な防衛策は、投資によって資産を増やすことです。

仮に毎年物価が2%上昇しても、毎年資産が2%増えれば、家計への影響を抑えられます。資産運用で毎年資産を3%以上増やすことができれば、2%のインフレ下ではお釣りがくることになります。10%増やすことができれば、もっと多くのお釣りがきます。

しかし、資産運用をしたことがない方にとっては、投資を始めるのはハードルが高いものです。「始めようと思っていながら、数年経ってしまった」という方も少なくありません。

資産運用における基本方針は?

資産運用の基本方針は、「キャピタルゲイン」もしくは「インカムゲイン」で利益を出し、その利益で再び投資を行うことで「複利効果」の恩恵を受けることです。

キャピタルゲインとは株式や不動産などの資産を売却した際に得られる「売却益」、インカムゲインとは株式の場合は「配当金」、不動産投資の場合は「家賃収入」のことです。

複利効果とは投資で得た利益を再投資することで、資産が増えるスピードを速める効果があります。例えば、100万円の投資で年10%のリターンを得られる場合、利益を再投資しなければ10年後に資産は200万円になりますが、利益を再投資すると259万円になります。

インフレ下でおすすめの投資方法とは?

では、具体的にどのような方法で資産を運用すればよいのでしょうか。代表的な方法は、株式投資や不動産投資です。

インフレ下の株式投資では、インフレに強いセクターに投資するのがセオリーです。例えば、資源や素材を扱う企業は物価上昇を販売価格に転嫁しやすいため、インフレ下でも利益を確保しやすく、インフレに強い銘柄といえます。

また、インフレ下では不動産投資もおすすめです。インフレはモノの値段が上がる現象であるため、現物資産である「土地」や「建物」もインフレ下では価値が上がりやすいといえます。

小さくてもよいので、まずはアクションを起こそう

ニュースでインフレが進んでいることが報じられても、「自分には関係のないニュース」と捉えていては、資産価値は目減りする一方です。多少手間がかかっても、インフレ下では適切な家計防衛策を講じる必要があります。

重い腰が上がらない方は、資産運用の本を購入して読み始めるなど、まずは小さなアクションを起こすことから始めてみてはいかがでしょうか。