おすすめの米国株・米国ETFとは?メリットやデメリット、銘柄選びのポイントを初心者向けに紹介
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世界の株式市場の中でも米国市場は多くの投資家から注目されています。米国株はもちろんですが、米国ETF(上場投資信託)にも高い関心が寄せられていることはご存知でしょうか。

本記事では米国ETFの概要やメリット・デメリット、おすすめの銘柄を詳しく紹介するので、投資の幅を広げたい方はぜひチェックしてください。

目次

  1. 米国ETFとは
  2. 米国ETFを初心者におすすめする理由
  3. 米国株投資におすすめの証券会社ランキング
  4. 米国株に投資するメリット
  5. 米国株に投資するデメリット・注意点
  6. 米国ETFを選ぶポイント
  7. 米国ETFは日本円で購入できる?取引時間は?
  8. 高配当利回り銘柄でおすすめの米国ETF3選
  9. S&P500構成銘柄おすすめETF3選
  10. NASDAQ100指数連動におすすめとなるETF3選
  11. 米国株投資を始めよう

米国ETFとは

米国ETFとは、米国の証券取引所に上場し、市場で売買できる投資信託のことです。基本的には複数の銘柄を組み合わせることで、以下のような指数と連動するように運用されます。

・NYダウやS&Pなどの株式指数
・債券の指数
・特定テーマに関する指数(再生可能エネルギーなど)

一般的な投資信託と混同されやすい金融商品ですが、米国ETFと投資信託には以下の違いがあります。

主な違い米国ETF投資信託
上場の有無上場非上場
取引のタイミング取引所の取引時間内原則として1日1回
取引価格成行または指値基準価額
信用取引不可
手数料売買手数料信託報酬や信託財産留保額など

上記のほか、米国ETFの主な特徴は次の通りです。

○米国ETFの特徴
・売買価格を意識しながらリアルタイムで取引できる
・米国市場が開いている時間しか取引できない
・保有コストを抑えやすい

一般的な投資信託と同じように、ファンドマネージャーなどのプロが運用を行う仕組みになっていますが、金融商品としての特性は国内株・外国株に似ています。利用する証券会社によっては信用取引もできるため、少額投資から大きな利益を狙いたい方など、幅広い層に適した金融商品といえるでしょう。

米国ETFは品揃えが豊富

商品ラインナップが豊富な点も、米国ETFの特徴です。

国内ETFの商品数は約200本ですが、米国ETFはその10倍近くあります。以下のようにジャンルも豊富なので、米国ETFは投資の幅を広げたい方にも最適です。

○米国ETFのジャンル(一例)
・複数地域の株価指数に連動するもの(ヨーロッパやアジアなど)
・特定事業の株価指数に連動するもの(金融やITなど)
・テーマを特定したもの(バイオや環境など)
・特定商品の指数に連動するもの(金や農作物など)
・海外REITの指数に連動するもの など

他にもさまざまな種類があるので、興味がある方はぜひ情報を収集してみましょう。

ETF市場が成長する背景

国内・米国を含めたETF市場は、2000年代前半から本格的な成長を遂げています。市場が成長した主な要因は、以下の通りです。

・証券会社の収益率が下がった
・アクティブ型の運用が市場平均を下回ることが増えた
・東京証券取引所によって利便性の向上が図られた

アクティブ型の商品にも魅力はありますが、市場平均を下回る状況が続くと手数料が収益を圧迫します。このような背景から、最近は低コストで運用できる米国ETFが注目を浴びており、商品数がさらに増えると予想されています。

米国ETFを初心者におすすめする理由

米国ETFはその特性から、投資初心者に最適な商品といえます。ここでは、初心者におすすめできる理由を解説します。

個別銘柄を選ぶ必要がない

米国ETFは投資信託の一種なので、個別銘柄を選ぶ必要がありません。投資したいテーマやジャンル、重視する指数などを絞れば、自然と投資する銘柄が決まるので、投資初心者でも商品を見つけやすいといえるでしょう。

一方で株式のように個別銘柄を選ぶタイプの商品は、業績や将来性などの情報を収集しなければなりません。米国ETFは関連する指数を見るだけで分析ができることもあるので、専門知識やノウハウがなくても銘柄を選びやすいといえます。

リスクを分散できる

米国ETFを購入すると、必然的に複数の銘柄に投資することになります。一般的な分散投資と同じ効果を得られるので、価格変動による損失リスクを抑えられます。

また、複数の個別銘柄に分散投資を行う場合と比べて、必要資金が少なくて済む点も米国ETFならではのメリットといえるでしょう。

低コストで運用できる

一般的な投資信託に比べて、保有中に発生するコストが安い点も米国ETFのメリットです。

米国ETFのコストは「経費率」と呼ばれており、一般的な信託報酬よりも安く設定されています。これらのコストは、金融商品を保有している限り常に発生するので、金額の差がわずかでも長期では大きな差が生じます。

定期買付サービスを利用できる

定期買付サービスとは、購入する銘柄と金額を事前に決めておくだけで、自動的に買付を行ってくれるサービスのことです。取引のたびに発注する必要がないため、取引をする時間があまりない方でも、手軽に米国ETFの積立投資を始められます。

利用する証券会社によっては、取引の日付や曜日に加えてボーナス月を設定できるところもあります。NISA口座で取引することもできるので、忙しさなどを理由に米国ETFへの投資を諦めている方も、あらためて投資を検討してみましょう。

米国株投資におすすめの証券会社ランキング

米国株や米国ETFを取引する際は、証券会社にこだわることも大切です。証券会社によって銘柄数や手数料、最低取引額などが異なるため、自身の目的に合う口座開設先を選ぶべきです。

ここでは米国株投資におすすめの証券会社をまとめたので、最適な投資環境を整えるために、ぜひ参考にしてください。

マネックス証券

マネックス証券は、業界最安水準の手数料を実現している大手ネット証券です。投資信託や単元未満株の買付手数料は0円で、手数料をキャッシュバックするサービスも提供しているため、さまざまな投資商品をお得に取引できます。

米国株・米国ETFのラインナップが豊富で、特に個別株は4,500以上の銘柄を取り扱っています。上場直後の銘柄も含まれるため、成長性や将来性のある企業に投資しやすい証券会社といえるでしょう。

オリジナルレポートを始めとした投資情報が充実している点も、マネックス証券の大きな魅力です。資産管理用のツールも提供されているので、じっくり考えてポートフォリオを組みたい方にぴったりです。

証券会社名マネックス証券
米国ETF取扱銘柄数351銘柄
米国個別株取扱銘柄数4,575銘柄
最低取引額1株
取引手数料約定金額×0.495%
(※2022年2月時点)

・マネックス証券の米国ETFのおすすめ銘柄

○SPDR ダウジョーンズ・インダストリアル・アベレージ(DIA)

アメリカの代表的な指数である、「NYダウ(NYダウ工業株30種平均)」との連動を目指す銘柄です。2020年3月頃にコロナショックによる影響を受けましたが、その後の立ち直りが早く、同年5月から2021年にかけては右肩上がりです。

○バンガード・S&P500ETF(VOO)

時価総額が大きい500の米国銘柄で構成される、「S&P500」との連動を目指すETFです。四半期ごとに構成銘柄のリバランスが行われます。大型株を中心に構成されているため、大企業の影響を受けやすいという特徴があります。

○iシェアーズ・コア S&P500ETF(IVV)

四半期ごとに分配が行われ、1.58%の配当利回りを実現(2021年1月時点)している米国ETFです。「S&P500」との連動を目指しており、主に時価総額の大きい銘柄で構成されています。

SBI証券

SBI証券は600万以上の口座開設数を誇る、国内最大級のネット証券です。豊富な商品ラインナップが大きな魅力であり、国内株や外国株はもちろん、NISAやiDeCoなどのお得な制度も利用できます。

中でも米国株は銘柄数が多く、2021年12月には5,000銘柄を突破しました。米国ETFの銘柄も豊富なので、米国株に投資したい方にとっては外せない証券会社といえるでしょう。

また、外国株の初心者に向けてオンライン上で基礎知識を学べる「外国株式ゼミナール」も用意されています。

証券会社名SBI証券
米国ETF取扱銘柄数191銘柄
米国個別株取扱銘柄数5,000銘柄以上
最低取引額1株
取引手数料約定金額×0.495%
(※2022年2月時点)

・SBI証券の米国ETFのおすすめ銘柄

○SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF(SPYD)

S&P500の構成銘柄のうち、配当利回りが特に高い銘柄をベースにした「S&P500®高配当指数」をベンチマークにしているETFです。さまざまな分野の銘柄で構成されているため、キャピタルゲインやインカムゲインに加えて、分散効果も期待できます。

○バンガード S&P 500 ETF(VOO)

アメリカの代表的指数「S&P500」の構成銘柄のうち、時価総額が大きい銘柄を中心に構成されているETFです。大企業の影響を受けやすいものの、四半期ごとに構成銘柄が見直されており、2021年には安定した成長を記録しました。

○バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)

高配当銘柄を中心に構成される「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス」との連動を目指す米国ETFです。時価総額が大きい企業の中でも、配当利回りが平均以上の銘柄で構成されているため、多くの分配金を期待できます。

楽天証券

楽天証券はグループ企業としての基盤を活かして、充実したポイントプログラムを提供している証券会社です。株式取引や投資信託の保有など、さまざまな金融商品の取引を通して楽天ポイントを貯めることができ、そのポイントを使って投資することもできます。

米国株に関するサービスも充実しており、2022年2月時点で4,500以上の個別銘柄を取引できます。米国ETFは買付手数料が0円なので、取引回数が多い方でも日々の投資コストを抑えられます。

取引ツールやスマホ用のアプリもシンプルで使いやすいため、楽天証券は投資初心者の方にもおすすめです。

証券会社名楽天証券
米国ETF取扱銘柄数4,768銘柄
米国個別株取扱銘柄数363銘柄
最低取引額1株
取引手数料約定金額×0.495%
(※2022年2月時点)

・楽天証券の米国ETFのおすすめ銘柄

○DIREXION DAILY SEMICONDUCTOR BULL 3X SHARES(Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF)

米国ETFの売買代金ランキングで上位に入る、半導体関連の企業で構成されたETFです。「ICE半導体指数」の300%のパフォーマンスを目指しており、2020年初頭から価格が上昇しています。

○Vanguard TOTAL STOCK MKT ETF(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)

米国株式市場全体を対象とした、3,500以上の銘柄で構成されたETFです。4,000銘柄以上で構成される「CRSP米国総合指数」との連動を目指しており、幅広いジャンルの企業が含まれているため、保有するだけで高い分散効果を期待できます。

○Vanguard S&P 500 ETF (バンガード・S&P 500 ETF)

アメリカの代表的な指標である「S&P500」との連動を目指すETFです。S&P500の全銘柄を投資対象としているため、高い分散効果を期待できます。四半期ごとに銘柄のリバランスが行われている点も、安心できるポイントです。

米国株に投資するメリット

米国株への投資には、以下の3つのメリットがあります。

○米国株に投資するメリット
・米国株は1株から取引できる
・米国は経済基盤が大きい
・配当再投資は長期間で資産を増やせる

それぞれどのようなメリットなのか、わかりやすく解説します。

米国株は1株から取引できる

基本的には100株単位で取引される国内株とは違い、米国株は1株から取引できます。十数万円の資金があればほとんどの銘柄を購入できるため、米国株は少額投資でも大企業に投資できます。

中にはインテルやコカ・コーラのように、1万円以下で投資できる大企業もあるので、米国株をポートフォリオに組み込むだけで投資の幅が大きく広がるでしょう。

米国は経済基盤が大きい

日本に比べると、アメリカの経済の規模は非常に大きいです。

例えば2020年時点の両国の人口を比較すると、日本の人口は約1.25億人ですが、アメリカは約3.29億人です。平均年収は日本より数十万円高くなっています。

日本とアメリカは、近年の人口推移においても大きな違いがあります。

日本:1年間で50万人ほど人口が減少している。
アメリカ:自然増加で年間約100万人、国際間移動で年間約60万人増えている。

企業の商圏や言語圏の広さも、経済基盤に大きく影響します。アメリカで主に使われている英語は、ほとんどの国で使われている世界共通語です。「英語圏」という括りで見れば、商圏には15億人が存在しているため、日本企業に比べてアメリカ企業のマーケットは圧倒的な規模といえます。

現時点での経済基盤だけではなく、将来性・成長性の観点でもアメリカは有望なので、今後も世界をけん引するような企業が現れるでしょう。

配当再投資は長期間で資産を増やせる

配当再投資とは、本来は現金として受け取るはずの配当を、代わりに株式で受け取る方式のことです。米国株を取り扱う証券会社の中には、配当再投資を自動で行ってくれるサービスを提供しているところもあります。

○配当再投資のイメージ

1株6,000円、配当金が30円の株を200株保有している場合、配当の受け取り方による違いは以下の通りです。

・通常の受け取り
配当=30円×200株
  =6,000円分の現金を受け取る

・配当再投資による受け取り
配当=30円×200株
  =6,000円分の株式を受け取り、保有株式数が201株になる

配当再投資を利用すると、特に手続きをしなくても保有株式数が少しずつ増えていきます。保有を続けるほど受け取れる配当が増えるため、うまく活用すれば大きな複利効果を期待できます。

米国株に投資するデメリット・注意点

一方で、米国株には為替変動や価格変動、異言語によるリスクなどがあります。税金の仕組みも理解しておく必要があるので、取引を始める前に以下のデメリット・注意点にも目を通しておきましょう。

為替変動によるリスク

米国株や米国ETFは、基本的には米ドルで購入する必要があります。すると、為替レートの変動によって資産価値が増減するため、状況次第では金融商品自体の価値が変わらなくても、損をすることがあります。

米ドル円の状態米国株の資産価値
円安ドル高上がる
円高ドル安下がる

特に注意したいのは、経済ショックなどによって急激に円高に振れるケースです。例えば、2008年に起きたリーマン・ショックの際は、110円前後で推移していた米ドルがわずか3年で80円台まで下落しました。

米国ETFの中には、為替変動リスクを抑えるタイプの商品(為替ヘッジあり)もあります。為替変動リスクが不安な方は、為替ヘッジありの商品への投資を検討するとよいでしょう。

価格変動によるリスク

価格変動リスクとは、業績や経済状況などの影響で、購入した銘柄の価値が下がるリスクのことです。一般的にアメリカの投資家は企業に対する目が厳しいといわれており、軽微なマイナス材料でも株価が急落することもあります。

また、ストップ高・ストップ安(※)がある国内株とは違い、米国株には価格変動を制限する仕組みがありません。状況次第では株価が際限なく変動するため、損失が膨らまないように細心の注意を払う必要があります。

※1日の価格変動幅を制限する仕組みのこと。

異言語によるリスク

米国株・米国ETFの一次情報はもちろん英語なので、日本語による情報発信を待っていると、タイムリーな取引が難しくなることがあります。

特に注意したいのは、取引に素早い判断が求められるデイトレードを行う方です。中には自動翻訳ツールなどを利用する方もいますが、長文のレポートなどを翻訳する場合は、正しく翻訳されないこともあります。

ただし、最近では海外の投資情報が充実している証券会社も多いので、口座開設先を慎重に選べば異言語リスクはある程度抑えられるでしょう。

配当金にかかる税金

米国株の譲渡益については、原則として日本国内でのみ課税されます。ただし、配当金についてはアメリカと日本のそれぞれで課税されるため、仕組みをきちんと理解しておかなければなりません。

○米国株の配当金にかかる税金
アメリカ:日米租税条約に基づき、税率10%(※)が源泉徴収される
日本:残りの金額に対して、20.315%(所得税+住民税)が源泉徴収される
※アメリカ以外の株式については、発行会社の国籍によって税率が異なる

米国株の配当金における税金徴収の流れ
【1】アメリカで源泉徴収(10%)が行われる
【2】【1】の残りの金額を日本円に換算
【3】日本国内の源泉徴収(20.315%)を計算
【4】【2】から【3】を差し引く
【5】【4】の金額を証券会社から受け取る

このように、米国株で配当金を得た場合は「二重課税」が発生します。これを解消するには、確定申告で外国税額控除の手続き(※)を行う必要があります。

※海外で課税された金額を、国内の所得金額から控除するための手続き。

外国税額控除には上限額があるため、配当金の額によっては全額が控除されないケースもあります。外国税額控除は計算方法がやや複雑なので、米国株の配当金を受け取った場合は、国税庁のホームページなどで詳細を確認しましょう。

米国ETFを選ぶポイント

米国ETFには国内株や投資信託にはない特徴があるため、別の視点で銘柄を選ぶ必要があります。銘柄を選ぶ際に押さえておきたいポイントは、以下の3つです。

○米国ETFを選ぶポイント
・経費率は安いか
・ポートフォリオが自身の投資スタイルに近いか
・分配金は高いか

いずれも運用成績に大きく関わるものなので、しっかり内容を確認しておきましょう。

経費率は低いか

経費率とは、ETFを運用するためにかかるコストのことで、「0.03%」や「0.5%」のように設定されています。

一般的な投資信託と比べると、米国ETFの経費率は全体的に低めですが、それでもコストの安さにこだわることは大切です。経費率から算出される手数料は、保有している間は常に発生するため、わずかな違いでも最終的には大きな差になります。

運用成績にも影響するため、「経費率の低さ」はしっかり比較しましょう。

ポートフォリオが投資スタイルに近いか

ポートフォリオとは、米国ETFの銘柄構成のことです。例えば、時価総額が大きい銘柄を多く組み込んでいるETFは、それらの動向に左右されやすいといえます。

米国ETFはポートフォリオによって特徴が変わるため、自身の投資スタイルに近い銘柄構成かどうか、細かく確認しなければなりません。投資スタイルとかけ離れた商品を選ぶと、資産計画にズレが生じるので注意しましょう。

分配金は高いか

安定した資産運用を実現するためには、やはり「分配金」も重視する必要があります。金額はもちろん、1年間の受け取り回数も銘柄によって異なるので、分配金に関する情報は細かい部分まで調べておきましょう。

ちなみに、米国ETFの分配金は「決算期間中の収益-信託報酬などの費用」で計算されます。

米国ETFは日本円で購入できる?取引時間は?

一部の銘柄を除き、米国ETFは日本円でも購入することができます。ただし、取引時間は日本市場と異なるため、発注のタイミングには注意が必要です。

中には米ドルでしか購入できない銘柄もあるので、選択肢を増やしたい方は両替による取引を検討しましょう。

米国ETFは円とドルのどちらで購入すべきか

円貨決済とドル決済は、それぞれメリットがあります。そのため、以下の特徴を理解した上で、自身のトレードスタイルに合うほうを選ぶことが大切です。

米国ETFの購入方法主なメリット
円貨決済・手続きが簡単
・購入に手間がかからない
ドル建て決済・取引のたびに為替手数料が発生しない
・購入できる銘柄の幅が広がる

また、以降の取引をすべてドル決済で行う場合は、最初にまとめて両替しておくと為替レートを気にする必要がなくなります。

米国株の取引時間は深夜帯

米国株・米国ETFの取引時間は、以下のように日本市場とは異なります。

米国時間日本時間
サマータイム時(※)9時30分~16時22時30分~翌5時
サマータイム以外9時30分~16時23時30分~翌6時

※3月第2日曜日から11月第1日曜日まで、時計を1時間早める期間のこと。

上記の通り日本では深夜なので、そのことに注意しながら取引スケジュールを組む必要があります。

高配当利回り銘柄でおすすめの米国ETF3選

米国ETFを選ぶ上で、「配当利回り」は特に意識したいポイントです。配当利回りが高い銘柄を選ぶと、1年間に多くの配当金を受け取れるため、資産形成の効率が高まります。

ここでは、おすすめの高配当利回り銘柄を3つ紹介します。

「バンガード米国高配当株式ETF」(VYM)

配当利回りが平均以上の銘柄で構成された「FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス」との連動を目指すETFです。四半期毎に分配が行われており、SBI証券やマネックス証券、楽天証券などで取り扱われています。

「iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF」(HDV)

主に生活必需品やエネルギー、電気通信、消費財関連の銘柄が組み込まれている米国ETFです。大小さまざまな時価総額の銘柄を対象とする「モーニングスター配当フォーカス指数」をベンチマークとしており、分配金を年間4回受け取ることができます。

「SPDR・ポートフォリオ・S&P500・高配当株式・ETF」(SPYD)

S&P500の上場銘柄のうち、特に配当利回りが高い銘柄を対象にした「S&P500®高配当指数」をベンチマークとするETFです。分配回数は年4回で、基準価額は運用開始から7年間で約10%上昇しています。

S&P500構成銘柄おすすめETF3選

S&P500は、アメリカの主要市場(ニューヨーク証券取引所など)に上場している500銘柄の株価をもとに算出される株価指数です。構成銘柄はハイテク企業が中心なので、S&P500の構成銘柄を選ぶと最先端の企業に投資ができます。

ここからはS&P500構成銘柄のうち、特におすすめしたい米国ETFを紹介します。

「SPDR S&P500ETF(SPY)」

連動を目指すベンチマークとして「S&P500」を設定している、主に時価総額が大きい米国企業に投資するETFです。分配回数は年4回で、ユニット型(募集ごとに期間が決められる商品)の投資信託として運用されています。

「SPDR・ポートフォリオ・S&P500・高配当・ETF」(SPYD)

ベンチマークとして「S&P500®高配当指数」を設定している、金融や不動産セクターを中心に投資するETFです。景気動向に左右されやすいという特徴がありますが、2015年に運用開始から基準価額が約10%上昇しています。

「iシェアーズ・コアS&P500 ETF」(IVV)

2019年1月からの3年間で、基準価額が約1.7倍になっている米国ETFです。「S&P500」の全構成銘柄を投資対象としており(主に大型株)、3ヵ月ごとに構成銘柄のリバランスが行われます。

NASDAQ100指数連動におすすめとなるETF3選

NASDAQ100は、アメリカの「NASDAQ(ナスダック)市場」に上場している企業のうち、代表的な銘柄の株価を指数化したものです。ここではNASDAQ100指数に連動するETFの中で、特におすすめしたいものを紹介します。

「インベスコ QQQ ETF」(QQQ)

業界大手のインベスコが運営する、1999年に設定された歴史ある米国ETFです。運用開始以来安定した運用実績を残しており、2018年1月からの3年間で基準価額が約2.4倍になりました。

「NEXT FUNDS NASDAQ-100®連動型上場投信」

日本円換算した「NASDAQ100指数」との連動を目指す、2010年に上場されたETFです。毎年12月に行われるリバランスに加えて、状況に応じて臨時の銘柄入れ替えも行われており、運用開始から安定して基準価額が上昇しています。

「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」<大和アセットマネジメント>

円ベースの「NASDAQ100指数」をベンチマークとする、大和アセットマネジメントが取り扱うETFです。分配回数は年1回ですが、銘柄構成のリバランスを定期的・臨時的に行うことで、2019年以降は安定した運用実績を上げています。

米国株投資を始めよう

本記事で気になる銘柄を見つけた方は、以下の流れで米国株投資を始めましょう。

○米国株投資の始め方
【1】利用する証券会社を選ぶ
【2】証券会社で「外国株式取引口座」を開設する
【3】為替振替または円貨決済を選ぶ
【4】取引画面に進み、銘柄や取引数を指定して発注する

口座開設の流れや手続きは、証券会社によって異なります。どの証券会社も公式サイトなどでわかりやすく解説しているため、案内にしたがって手続きを進めましょう。