iDeCoと企業型DCは併用できる?確定拠出年金の気になるポイントやおすすめの証券会社
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NISAの取扱商品の中でも、幅広い層から人気を集めている投資信託。分散投資がしやすい、プロが代わりに運用してくれるなど、投資信託には特有のメリットがいくつかあります。

では、投資信託をメインに運用する場合、一般NISAとつみたてNISAのどちらが適しているのでしょうか。利用する証券会社によって購入できる銘柄や手数料は異なるため、それぞれの特徴や違いを確認しておく必要があります。

そこで本記事では、投資信託とNISAに関する基礎知識や、おすすめの証券会社などを紹介します。運用の方向性で悩んでいる方は、本記事の内容を参考にして今後のプランを考えてください。

目次

  1. 投資信託とは
  2. NISAの種類
  3. 投資信託の場合、一般NISAとつみたてNISAどちらにするべき?
  4. NISAで投資信託を運用するメリット
  5. NISAで投資信託を運用するデメリット
  6. NISAで投資信託を運用するなら、どの証券会社がおすすめ?
  7. NISAで購入できる金融商品
  8. NISAで運用するならどんな投資信託がよいか?
  9. NISAでの運用におすすめの投資信託とは
  10. つみたてNISAで投資信託を運用するメリット・デメリット
  11. つみたてNISAの銘柄選びの注意点
  12. 失敗しないつみたてNISAの選び方
  13. NISAの非課税投資枠を使って投資信託を賢く運用しよう

投資信託とは

投資信託とは、投資家から集めた資金を専門家が運用し、発生した利益を分配金として還元する金融商品のことです。この仕組みは「ファンド」とも呼ばれており、投資信託の運用を担当する人物は「ファンドマネージャー」と呼ばれています。

投資信託の主なメリットは、以下の3つです。

○投資信託のメリット
・実際の運用をプロに任せられる
・証券会社や商品によっては100円から始められる
・複数の金融商品に投資されるため、リスクを分散できる

投資信託には、毎月決まった額を自動で引き落とし、指定した銘柄の購入が自動で行われる「投信積立」と呼ばれる商品があります。投信積立であれば、感情に左右されることなく投資を続けられるため、難しい投資判断などは不要です。

また、最近では100円から取引できる証券会社もあるので、投資信託は初心者にも最適な金融商品といえるでしょう。

NISAの種類

ここからは、「少額投資非課税制度」とも呼ばれるNISAの概要を見ていきます。

NISAは、投資によって得た利益が非課税になる税制優遇制度です。NISAには3種類あり、それぞれ利用できる人や非課税投資枠、投資対象商品などが異なります。

項目一般NISAつみたてNISAジュニアNISA
利用できる人日本在住の成人(※)日本在住の成人日本在住の未成年者
非課税投資枠年間120万円年間40万円年間80万円
非課税期間5年間20年間一般NISAと同じ
対象商品上場株式、ETF、公募株式投信、ETNなど長期積立や分散投資に適した投資信託一般NISAと同じ
買付方法通常の買付、積立投資積立投資のみ一般NISAと同じ
払出し制限なしなし原則18歳までは引き出せない
(※)成人年齢の引き下げに伴い、2023年からは18歳以上が成人として扱われる

ここからは、成人を対象にした「一般NISA」と「つみたてNISA」に絞って、制度の概要を解説します。

一般NISAとは

一般NISAは2014年4月から開始された、NISAの先駆けといえる制度です。毎年120万円の非課税投資枠が設けられており、この枠内で発生した利益はすべて非課税になります。

一般NISAは対象商品が多く、証券会社によっては投資信託だけで数千本を取り扱っています。また、積立投資に加えて通常の買付も認められているため、さまざまな投資スタイルに合わせた取引ができます。

○一般NISAの特徴
・年間120万円の非課税投資枠が設けられている
・対象商品の選択肢が多い
・通常の買付による取引も可能

ジュニアNISAやiDeCoのような払い出し制限が設けられていないため、NISA口座に預けた資産は自由なタイミングで引き出せます。

・2024年から始まる新NISA制度での変更点

一般NISAの非課税期間は2023年までで、2024年からは「新NISA」と呼ばれる制度が始まります。新NISAになるとどのような点が変更されるのか、現行制度との違いを見てみましょう。

主な違い一般NISA新NISA
対象商品上場株式、ETF、公募株式投信、ETNなど1階部分:長期積立や分散投資に適した投資信託
2階部分:一般NISAと同様(※)
非課税対象株式の譲渡益や配当金、投資信託の分配金など1階部分:譲渡益や分配金
2階部分:一般NISAと同様
非課税投資枠年間120万円1階部分:年間20万円
2階部分:年間102万円
非課税期間2023年まで2024~2028年
(※)整理銘柄や監理銘柄など、安定した資産運用に適さないものは除く

新NISAの特徴は、つみたてNISAに近い「1階部分」と、一般NISAと似た「2階部分」に分けられている点です。つまり、2つのNISAを合わせたような仕組みですが、基本的には1階部分の非課税投資枠から使用しなければなりません。

なお、つみたてNISAとの併用は認められていないため、2024年以降にNISA口座を開設する場合は、「新NISA」または「つみたてNISA」のいずれかを選択することになります。

つみたてNISAとは

つみたてNISAは、対象商品が低リスクの投資信託に絞られている、初心者の長期積立や分散投資に適した制度です。非課税投資枠は年間40万円ですが、最長20年間運用できるため、最大800万円分(40万円×20年間)の非課税枠を活用できます。

○つみたてNISAの特徴
・年間40万円の非課税投資枠が設けられている
・運用期間は最長20年
・対象商品が低リスクの投資信託に限定されている

以前は2037年までの制度でしたが、現在は非課税期間が2042年までに延長されています。

・2024年から始まる新NISA制度での変更点

つみたてNISAについても、2024年から始まる新NISAとの違いを整理しておきましょう。

主な違いつみたてNISA新NISA
対象商品長期積立や分散投資に適した投資信託1階部分:つみたてNISAと同様
2階部分:一般NISAと同様
非課税対象投資信託の譲渡益や分配金1階部分:つみたてNISAと同様
2階部分:一般NISAと同様
非課税投資枠年間40万円1階部分:年間20万円
2階部分:年間102万円
買付方法積立投資のみ1階部分:積立投資のみ
2階部分:通常の買付、積立投資
非課税期間2042年まで2024~2028年

新NISAの1階部分で購入した金融商品は、非課税期間終了後にロールオーバー(※)を行うことで、つみたてNISA口座に移管することができます。

(※)非課税期間終了時に、翌年の非課税投資枠に資産を移管すること。

投資信託の場合、一般NISAとつみたてNISAどちらにするべき?

一般NISAとつみたてNISAのどちらを選ぶべきか判断するために、まずは投資信託における主な違いを見てみましょう。

投資信託に関連する違い一般NISAつみたてNISA
非課税投資枠年間120万円年間40万円
非課税期間最長5年最長20年
対象商品(投資信託)比較的リスクが高いものも含まれる長期積立や分散投資に適した、低リスクなものが中心
買付方法通常の買付、積立投資積立投資のみ

いずれの制度にもメリット・デメリットがあるため、投資スタイルや目的によって選ぶべきNISAは異なります。それぞれの特徴を踏まえて、「一般NISAがおすすめな人」「つみたてNISAがおすすめな人」を確認していきましょう。

一般NISAがおすすめな人

毎年の非課税投資枠が多く、対象商品にさまざまな投資信託が含まれる一般NISAは、主に以下のような人におすすめです。

○一般NISAがおすすめな人
・1年間で50万~100万円近くの投資資金を用意できる人
・ハイリターンを期待できる商品にも投資したい人
・投資経験がある中級者~上級者

一般NISAの対象商品には、ハイリターンを期待できる投資信託も含まれます。ただし、ハイリターン型のものはリスクも高い傾向があるので、取引にはある程度の知識や経験が必要になります。

つみたてNISAがおすすめな人

一方で、低リスクの投資信託が多いつみたてNISAは、以下のような人におすすめです。

○つみたてNISAがおすすめな人
・投資資金が少ない人(年間で40万円以下)
・長期投資で安定的に資産を増やしたい人
・投資の経験がほとんどない初心者

つみたてNISAは長期積立投資や分散投資に適しているので、リスクを抑えながら運用したい人に向いています。ただし、ハイリターンを狙える商品は少ないため、投資に慣れてきたら一般NISA(新NISA)に切り替えることも検討しましょう。

NISAで投資信託を運用するメリット

続いて、NISA口座で投資信託を運用するメリットを見ていきます。主なメリットは、以下の2つです。

非課税投資枠の使いやすさ

投資信託には、NISA口座の非課税投資枠を使い切りやすいという特徴があります。

NISA口座の非課税投資枠は、一般NISAが年間120万円、つみたてNISAが年間40万円までです。この枠は金融商品を売却しても元に戻ることはないため、NISAは短期間で売買を繰り返すような投資には向きません。

投資信託は中長期取引が基本であり、積立型の商品もたくさんあります。短いスパンで売買を繰り返す必要がないので、NISAの非課税投資枠を無駄にすることなく運用できるでしょう。

また、投資信託は少額から購入できる銘柄が多いため、非課税投資枠を細かく調整することも可能です。

ポートフォリオのバランスを取りやすい

投資におけるポートフォリオとは、金融商品の組み合わせ(バランス)のこと。金融商品を絞ると、その価値が下がった場合に大きな損失が生じるため、ポートフォリオはバランスを取ることが重要といわれています。

その観点で考えると、投資信託はバランスを取りやすい商品といえます。国内の株式に加えて、銘柄によっては海外株や債券なども投資対象に含まれるため、1銘柄に投資するだけでポートフォリオのバランスを保てます。

実際の運用者もバランスを意識して投資先を決めているため、多くの投資信託ではポートフォリオが偏ることがありません。

NISAで投資信託を運用するデメリット

一方で、NISAで投資信託を運用すると以下のようなデメリットが生じることがあります。

○NISAで投資信託を運用するデメリット
・損益通算(※1)ができない
・繰越控除(※2)が適用されない
・ハイリターンを得ることが難しい

(※1)複数の口座で発生した利益と損失を相殺すること。 (※2)年間の運用がマイナスだった場合に、損失分を翌年以降へ繰り越すこと。

損益通算と繰越控除は、課税口座(一般口座・特定口座)でのみ認められている制度です。NISA口座は対象外なので、損失が出た場合は節税メリットを得られません。

国内株や海外株などに比べて、投資信託はローリターン・ローリスクといえます。小さな利益をコツコツ狙う銘柄が多いので、短期間で大きな利益を狙うのは難しいでしょう。

NISAで投資信託を運用するなら、どの証券会社がおすすめ?

ここからは、NISAで投資信託を運用する場合におすすめしたい証券会社を紹介します。

証券会社名投資信託本数手数料主な特徴
SBI証券一般NISA:2,579本
つみたてNISA:178本
・国内株式売買0円
・海外ETF買付0円
・投資信託売買0円
・投資信託の取扱本数が多い
・9ヵ国の外国株を取り扱う
・ポイントで投資信託を購入できる
楽天証券一般NISA:2,500本以上
つみたてNISA:180本
・国内株式売買0円
・海外ETF買付0円
・投資信託買付0円
・投資信託の取扱本数が多い
・初心者へのサポートが充実
・ポイントで投資信託を購入できる
auカブコム証券一般NISA:1,536本
つみたてNISA:164本
・国内株式売買0円
・国内ETF、ETNの売買0円
・国内REITの売買0円
・国内株式の現物取引手数料が0円
・2つの手数料コースが用意されている
・単元未満株の取引が可能
マネックス証券一般NISA:1,000本以上
つみたてNISA:152本
・国内株式売買0円
・投資信託買付0円
・米国株、中国株の売買0円
・外国株の取扱銘柄が豊富
・引き落としや定期自動入金が無料
・投資信託の保有だけでポイントが貯まる
SMBC日興証券一般NISA:1,089本
つみたてNISA:158本
・投資信託売買0円・毎月1,000円から始められる
・実店舗でのサポートあり
・投信積立でポイントが貯まる
岡三オンライン証券一般NISA:549本・上場投信以外の売買0円・豊富な投資情報を提供
・取引ツールが充実
・投資信託の手数料が常に0円
(※2022年3月29日時点)

SBI証券

SBI証券のNISAでは、「国内株式の売買」「海外ETFの買付」「投資信託の売買」の手数料が0円です。一般NISA・つみたてNISAともに豊富な投資信託を取り扱っているので、さまざまな銘柄をお得に取引したい方には最適な証券会社といえます。

SBI証券はポイントサービスも充実しており、投資信託では購入・保有がポイントの付与対象です。貯めるポイントを「Tポイント・Pontaポイント・dポイント」の3つから選べる上に、ポイントを使って投資信託を購入できるため、効率的に運用資産を増やせます。

楽天証券

楽天証券の特徴は、グループ各社と連携する形でポイントプログラムを提供していることです。投資信託では積立や保有がポイント付与の対象で、貯めたポイントは投資信託の購入の他、楽天市場などでショッピングをする際にも利用できます。

手数料については、国内株式の売買と投資信託の買付が0円であり、海外ETFの買付手数料も全額がキャッシュバックされます。さらに、勉強会やセミナーなどの各種サポートも充実しているため、初心者の方でも安心してNISAを始められます。

au カブコム証券

auカブコム証券は頻繁にサービスを見直すことで、幅広い層のユーザーを取り込んでいる証券会社です。2022年3月現在は、ETFやREITを含む国内株式の現物取引手数料がすべて無料であり、信用取引についても手数料が5%オフになる「NISA割」を導入しています。

国内の株式取引においては、「プチ株」によって単元未満株を取引することもできます(プチ株はNISA割や手数料無料サービスの対象外)。投資信託の取扱本数も少なくないので、auカブコム証券はさまざまな投資スタイルの方におすすめできます。

マネックス証券

マネックス証券は外国株に強いネット証券で、米国株と中国株を合わせた取扱銘柄数は6,000を超えます。投資信託についても、買付手数料の無料サービスやポイントサービスなどが充実しており、お得に取引ができる環境が用意されています。

つみたてNISAでは、銀行からの自動引き落としや定期自動入金の手数料がかかりません。さらに、投資信託を保有するだけでポイントを貯められるので、マネックス証券は投信積立をしたい方に最適な証券会社といえます。

SMBC日興証券

SMBC日興証券は、100年以上の歴史を持つ老舗証券会社です。実店舗も構えているため、営業マンや担当者による対面サポートも受けられます。

NISA口座では投資信託の売買手数料が0円で、銘柄の保有だけでdポイントを貯められます。その他の手数料については「総合コース」と「ダイレクトコース」という2つのプランが用意されているため、目的に応じて使い分ければお得に取引できるでしょう。

ただし、担当者が付く総合コースの手数料は割高なので、対面サポートが必要かどうかは慎重に判断してください。

岡三オンライン証券

岡三オンライン証券は、リサーチ部門による投資情報が充実している証券会社です。オリジナルの情報コンテンツが多く、アナリストによる独自のレポートなども公開されているため、必要な知識を学びながら投資を実践できます。

上場投信以外の取引手数料がすべて0円に設定されている点も、岡三オンライン証券でNISAを始めるメリットといえます。ただし、つみたてNISAの取り扱いは岡三証券のみで、岡三オンライン証券で利用できるのは一般NISAのみです。

NISAで購入できる金融商品

NISAで購入できる金融商品は、制度ごとに以下のように定められています。

○NISAの対象商品
・一般NISA:上場株式、ETF、公募株式投信、REITなど
・つみたてNISA:長期積立や分散投資に適した一定の投資信託

一般NISAの対象商品については、通常の証券サービスと同じように設定している証券会社が多いです。FXや金・プラチナなどは対象外ですが、株式や投資信託は海外の銘柄も取引できるため、選択肢が少なくて困ることはないでしょう。

一方で、つみたてNISAは投資信託に限定されており、金融庁から認可を受けたものしか取引できません。証券会社によってはさらに取扱銘柄を絞っているところもあるため、目的の商品が決まっている方は事前に確認しておきましょう。

NISAで運用するならどんな投資信託がよいか?

投資信託を選ぶ際は、以下のポイントを押さえることが大切です。

○NISAで投資信託を選ぶ際のポイント
・販売手数料が安いものを選ぶ
・運用管理費が安いものを選ぶ
・投資スタイルに合った運用方針の銘柄を選ぶ

販売手数料や運用管理費などのコストは、購入・保有する銘柄によって異なります。特に「信託報酬」は差が出やすいコストであり、保有を続けるほど負担が増えるので、各銘柄の情報をしっかり確認しておきましょう。

また、投資信託には積極的な投資を行う「アクティブファンド」と、リスクを抑えて安定的な運用を目指す「インデックスファンド」があります。このような方針の違いも運用成績に大きく影響するため、投資スタイルや目的に合ったものを選んでください。

NISAでの運用におすすめの投資信託とは

ここからは、NISAでの運用におすすめの投資信託を3つ紹介します。

債券型投資信託

債券型投資信託は、国や企業などが発行する債券に投資をする投資信託です。「公社債投資信託」とも呼ばれ、全体的に値動きの幅が小さいという特徴があります。

○債券型投資信託の例
・MHAM物価連動国債ファンド(未来予想)
・外国国債インデックスe

債券型投資信託はローリスク・ローリターン型の商品なので、安定した資産形成を目指す方におすすめです。利益は小さいですが、非課税投資枠を使えば利益を減らさずに済むため、NISAとの相性も良い金融商品といえます。

株式型投資信託

株式型投資信託は、国内株や外国株を主な投資対象とする投資信託です。債券型に比べるとハイリスク・ハイリターンの商品が多く、銘柄の選び方次第では大きな利益も狙えます。

○株式型投資信託の例
・ハイブリッド・セレクション
・ひふみプラス

ただし、株式型投資信託はリスクも大きいので、他の投資商品と組み合わせる(分散投資)ことでリスクを抑えることも検討しましょう。

バランス型投資信託

バランス型投資信託とは、上記の債券型と株式型を組み合わせた投資信託のことです。債券型に比べるとハイリスク・ハイリターンですが、投資先を債券と株式に分散することで、シンプルな株式型よりも価格変動リスクを抑えています。

○バランス型投資信託の例
・世界経済インデックスファンド
・SMT世界経済インデックス・オープン

銘柄の選び方によっては大きなリターンを期待できるので、バランス型投資信託は債券型に物足りなさを感じた人などにおすすめです。

つみたてNISAで投資信託を運用するメリット・デメリット

つみたてNISAで投資信託を運用するメリット・デメリットは、以下のとおりです。

つみたてNISAで運用するメリットつみたてNISAで運用するデメリット
・年間40万円の非課税投資枠がある
・長期積立や分散投資に適した銘柄が多い
・購入するタイミングに悩まされない
・商品数が限られている
・損益通算ができない
・繰越控除が適用されない

それぞれのメリット・デメリットについて、詳しく解説します。

メリット

つみたてNISAには年間40万円の非課税投資枠があり、この枠内であればすべての利益が非課税になります。ローリターンの銘柄が中心ですが、非課税投資枠を利用すれば利益が減ることを防げるため、つみたてNISAは投資信託との相性が良い制度といえます。

また、つみたてNISAの買付方法は「積立のみ」なので、購入するタイミングに悩むことがありません。事前に金額や頻度などを設定しておけば、指定した銘柄が自動的に購入されます。

デメリット

つみたてNISAで注意しておきたいポイントとしては、商品数の少なさが挙げられます。

つみたてNISAの対象商品は、長期積立や分散投資に適した投資信託のみです。さらに、証券会社は金融庁から認可を受けた銘柄しか取り扱えないため、商品ラインナップが充実している証券会社を選んでも、取引できる銘柄は170~180銘柄程度です。

また、一般NISAと同じく損益通算・繰越控除の対象外なので、年間の運用成績が赤字だった場合は節税メリットがありません。

つみたてNISAの銘柄選びの注意点

一般的な投資やiDeCoなどでは、同一の投資信託でタイプなどを切り替える「スイッチング」が認められています。為替ヘッジのあり・なしや決算周期などを簡単に切り替えられるので、スイッチングは多くの投資家に利用されています。

しかし、つみたてNISAはスイッチングの対象外であり、タイプを切り替えたい場合は保有している銘柄を売却する必要があります。その後、新たに目的の銘柄を購入すればタイプを切り替えられますが、それによって年間の非課税投資枠が消費されます。

したがって、つみたてNISAでは最初の商品を慎重に選ぶことが大切です。短期的な売買を繰り返すと、「金融商品を最長20年持ち続けられる」というメリットも損なわれるので、できるだけ長く保有できる商品を選びましょう。

失敗しないつみたてNISAの選び方

つみたてNISAでの失敗を防ぐためには、以下のポイントを押さえて銘柄を選ぶことが重要です。

○失敗しないつみたてNISAの選び方
・全世界に分散投資を行う銘柄を選ぶ
・インデックスファンドを選ぶ
・信託報酬が低い銘柄を選ぶ
・純資産総額が大きい銘柄を選ぶ

それぞれについて、詳しく解説します。

全世界に分散投資する銘柄を選ぶ

株式や投資信託などの金融商品は、投資する地域を分散するほどリスクが低くなります。そのため、安定的な運用を目指す方は1つの国ではなく、世界中の株式・債券に投資する銘柄を検討しましょう。

例えば、投資地域が日本のみの銘柄に投資すると、国内の景気悪化によって大きな損失が生じることがあります。投資地域を分散しておけば、国内経済によるダメージを最小限に抑えられるため、安定的な資産運用を実現しやすくなります。

また、金融商品の分散にもリスクを抑える効果があるので、特に初心者の方には全世界の株式・債券・不動産などに投資するバランス型ファンドなどをおすすめします。

インデックスファンドを選ぶ

前述のとおり、投資信託には「アクティブファンド」と「インデックスファンド」があります。

アクティブファンドインデックスファンド
概要運用者が独自に銘柄を選び、ベンチマーク(指数)を上回る運用成績を目指す投資信託。ベンチマークに連動する銘柄を選ぶことで、安定的な運用を目指す投資信託。
運用コスト低い高い
リターン大きい小さい
リスク大きい小さい

投資初心者や安定運用を目指す方には、リスクが抑えられたインデックスファンドがおすすめです。運用コストが高い、リターンが小さいといったデメリットはありますが、勝率(利益を出した割合)で比較するとインデックスファンドのほうが圧倒的に高いため、アクティブファンドは投資に慣れたタイミングで組み入れるとよいでしょう。

信託報酬が安い銘柄を選ぶ

信託報酬は、投資信託の運用にかかるコストです。「運用管理費用」とも呼ばれており、銘柄ごと基準価額に対する割合や金額が決められています。

信託報酬はランニングコストの一つであり、銘柄を保有している間は常に発生します。特にインデックスファンドを選ぶ場合は、信託報酬の差で利益が大きく変わるので、少しでも割合・金額が低いものを選びましょう。

なお、銘柄によっては売買手数料や監査報酬なども発生するため、その他のコストについても細かく比較することが大切です。

純資産総額が大きい銘柄を選ぶ

純資産総額は、投資信託(ファンド)の規模を表します。投資家からの資金によって変動するため、純資産総額が大きくなるほど人気がある銘柄ということになります。

純資産総額が小さい銘柄は、運用に多くのコストをかけられない上に、運用が中止される(繰上償還)リスクがあります。繰上償還の目安は10~30億円といわれているので、この金額を基準として、できるだけ純資産総額が大きい銘柄を検討しましょう。

なお、運用開始から間もない銘柄は総じて純資産総額が小さいため、運用方針や直近の運用成績をチェックすることも大切です。

NISAの非課税投資枠を使って投資信託を賢く運用しよう

投資信託はNISAとの相性が良い金融商品であり、NISA口座を利用する人の多くは投資信託を購入しています。年間の非課税投資枠をうまく活用すれば、利益をコツコツ増やして大きな資産を築くことも可能です。

ただし、運用成績は銘柄選びによって大きく変わるので、本記事で紹介したポイントはしっかり意識する必要があります。投資信託の種類による違いも意識しつつ、目的を達成できるポートフォリオを組んでください。