
つみたてNISAは口座開設手続きに手間がかかるため、興味がありながらも行動に移せない方も多いでしょう。そのような方には、申し込みから最短2営業日で口座を開設できるSBI証券がおすすめです。
本記事ではSBI証券でのつみたてNISA口座の開設方法や、つみたてNISAの仕組み、メリットなどをわかりやすく解説します。
目次
初心者におすすめなのはSBI証券!
SBI証券は、ネット証券としては最速で700万口座を達成した人気の証券会社です。つみたてNISAにおいては以下のような特徴があり、PontaポイントやTポイント、dポイントなどをお得に貯めることもできます。
○SBI証券のつみたてNISAの特徴
・国内でトップクラスの銘柄数(2022年3月時点で178本)
・毎日、毎週、毎月から選んで積み立てられる
・毎日コースや毎週コースでは時間分散設定もできる
・最低積立金額が100円
・クレジットカードを使った積立にも対応
SBI証券は商品ラインナップが充実しており、さまざまな取引スタイルに合わせられるサービスを提供しています。専用の問い合わせ窓口も用意されているため、初めてネット証券を利用する方でも安心してつみたてNISA口座を開設できるでしょう。
SBI証券での口座開設方法
STEP1 申し込み方法を選ぶ
SBI証券で口座を開設する際は、最初に「口座開設方法」を選択します。WEBまたは郵送による手続きが用意されていますが、方法によって全体の流れや所要時間が変わるので注意が必要です。
スムーズに手続きを進めるためにも、まずは各方法の特徴から押さえていきましょう。
・WEB申し込み
WEB申し込みでは、お持ちのパソコンやスマートフォンなどを使って手続きを進めます。SBI証券の公式サイトにアクセスし、口座開設フォームの入力や各種規約のチェックを経て、最後に必要書類をアップロードすれば申し込みは完了です。
WEB申し込みの主なメリットは、以下の3つです。
○WEB申し込みの主なメリット
・申し込みから最短2営業日後に取引を始められる
・ネット環境があれば、時間や場所を選ばず手続きができる
・郵送トラブルを心配する必要がない
ただし、WEB申し込みはすべての手続きを端末上で行う必要があるため、パソコンやスマートフォンにある程度慣れておく必要があります。端末での入力に自信がない方や、ネット環境が不安定な方などは、郵送による手続きも検討しましょう。
・郵送申し込み
郵送申し込みでは、申込書などの書面で口座開設の手続きを行います。
全体の流れはシンプルで、郵送で届いた書類に必要事項を記入し、本人確認書類などを同封して返送するだけで手続きが完了します。申請書類は、SBI証券の公式サイトから請求できます。
郵送申し込みを選ぶメリットは、以下の3つです。
○郵送申し込みのメリット
・パソコンやスマートフォンに慣れていなくても申し込める
・慣れた方法で手続きを進められる
・提出書類をアップロードする必要がない
ただし、郵送申し込みでは書類のやり取りが発生するため、口座開設までには10日程度かかります。
STEP2 必要書類を用意する
申し込み方法を決めたら、必要書類を用意しましょう。必要書類も、口座開設方法によって異なるので注意が必要です。
口座開設方法 | 必要書類 |
---|---|
WEB申し込み | ・マイナンバーカード ・通知カード+運転免許証 (スマートフォンで撮影できない場合は郵送申し込みと同様) |
郵送申し込み | ・マイナンバーカード+本人確認書類1点 ・通知カード+本人確認書類2点 |
また、個人番号記載書類や本人確認書類にも注意点があるため、併せて確認しておきましょう。
必要書類の種類 | 注意点やポイント |
---|---|
マイナンバーカード | ・有効期限内のもの ・両面のコピーが必要 |
運転免許証 | ・有効期限内のもの ・住所などに変更がある場合は、裏面のコピーも必要 ・免許証番号や公安委員会の印をはっきりと写す |
住民基本台帳カード(写真付き) | ・有効期限内のもの ・住所などに変更がある場合は、裏面のコピーも必要 |
住民票の写し(住民票の記載事項証明書) | ・発行後6ヵ月以内のもの ・発行日や発行印が記載されているもの ・すべてのページを提出する必要がある(複数ページの場合) |
各種健康保険証 | ・有効期限内のもの ・現住所が記載されているもの ・住所記載欄が裏面にある場合は、裏面のコピーも必要 |
印鑑証明書 | ・発行後6ヵ月以内のもの |
在留カード・特別永住者証明書 | ・有効期限まで2ヵ月以上あるもの ・外国籍の人は提出が必須 |
運転経歴証明書 | ・住所などに変更がある場合は、裏面のコピーも必要 ・公安委員会の印をはっきりと写す |
パスポート | ・日本で発行されたもののみ ・顔写真と所持人記入欄のページが必要 ・氏名や住所の記載が必須 (令和2年2月以降発行のものは所持人記入欄がないため使用できない) |
なお、上記の「有効期限」はSBI証券に書類が到着したタイミングで判断されます。
STEP3 証券総合口座とつみたてNISA口座の両方を開設する
必要書類を用意したら、口座開設の手続きに進みましょう。SBI証券でつみたてNISAを利用するには、「証券総合口座」と「つみたてNISA口座」が必要です。
・証券総合口座を持っていない場合は同時申し込みを
SBI証券の証券総合口座を持っていない場合は、つみたてNISA口座と同時に開設の手続きを行います。
○証券総合口座とつみたてNISA口座を同時に開設する方法
・WEB申し込みの場合:案内に従ってWEB上で完結する
・郵送申し込みの場合:つみたてNISA申請書に必要事項を記入して返送する
なお、証券総合口座とつみたてNISA口座の開設時期は異なる場合があります。つみたてNISA口座が開設される前に取引を行うと、課税口座での取り扱い(非課税にならない)となるため注意してください。
税金を少しでも抑えたい方は、つみたてNISA口座が開設されてから取引を始めてください。
・証券総合口座を持っている場合はつみたてNISA口座のみを申し込む
すでにSBI証券の証券総合口座を持っている場合は、つみたてNISA口座のみを開設します。証券総合口座を開設する際にマイナンバーを登録した人は、個人番号記載書類の提出を省くことができます。
STEP4 口座が開設されたら取引スタート
ここまでで問題がなければ、つみたてNISA口座が開設され、取引ができる状態になります。口座開設手続きの状況については、お客様ページ内の「重要なお知らせ」やメールなどで確認できます(※)。
(※)手続きの際に「郵送で受け取る」を選択した場合は簡易書留郵便で通知が届く。
・つみたてNISA口座の開設には税務署の審査がある
つみたてNISAの口座開設を申し込むと、税務署による審査が行われます。1人が複数の口座を持つことを防ぐためです。
つみたてNISAの口座は1人1つまでと決められており、他のNISAとの併用も認められていません。そのため、過去にいずれかのNISAを利用したことがある方は、その口座の状況を確認しておきましょう。
税務署による審査期間は通常1~2週間であり、重複がないことが確認されると「非課税適用確認書」が金融機関に交付されます。
・簡易NISA口座開設(仮開設)制度を活用すれば審査完了前でも取引できる
SBI証券は少しでも早く取引を始めたい方に向けて、「簡易NISA口座開設(仮開設)制度」を設けています。これは税務署の審査が完了する前に取引ができるサービスであり、仮開設後はつみたてNISAと同じ金融商品を購入できます。
ただし、商品を購入してから税務署で口座開設が非承認になると、その取引は課税口座で行ったものとみなされます。つまり、非課税投資枠が適用されなくなる(利益に税金がかかる)ので、基本的には審査が完了するまで待つことをおすすめします。
仮開設の通知も「重要なお知らせ」で確認できるため、お客様ページはこまめにチェックしましょう。
他の証券会社でつみたてNISA口座を持っている場合は?
NISAは1人1口座までと決められているため、他の金融機関でいずれかのNISAを利用している場合は、金融機関を変更する必要があります。
他の金融機関で既にNISA口座を開設している場合等は、税務署での審査が非承認となり、SBI証券で開設したNISA口座が無効となります。 無効となった場合、今回のお申し込みにより仮開設されたNISA口座は無効となり、仮開設中にNISA預りとして買付した上場株式等は当初より一般口座(課税取引)にて買い付けたものとして扱われ、お客さまにより確定申告が必要となる場合もございますのでご注意ください。(特定口座にて買い付けたものとすることはできません)
(SBI証券サイトより引用)
金融機関の変更手続きは、前年の10月1日から変更したい年の9月30日までに行う必要があります。以下のように複数のステップがあるため、順序を間違えないように注意しながら手続きを進めましょう。
○金融機関を変更する流れ
【1】変更前の金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書(※1)」を提出する
【2】金融機関から「勘定廃止通知書(※2)」が交付される
【3】SBI証券に「非課税口座開設届出書(※3)」を提出する
【4】審査を経て、つみたてNISA口座の金融機関が変更される
(※1)非課税口座廃止届出書の場合もある。
(※2)非課税口座廃止通知書の場合もある。
(※3)マイナンバーが未登録の人は、個人番号記載書類も提出する。
金融機関の変更は毎年1回まで可能ですが、その年の1月1日以降に一度でも取引をした場合は認められません。そのため、金融機関の乗り換えを検討している方は、一時的に積立を停止することを検討しましょう。
SBI証券でのつみたてNISAの購入方法
SBI証券でつみたてNISA口座が開設されたら、ホームページやアプリで積立設定を行います。ポイントを無駄なく受け取るためにも、正しい手順をチェックしておきましょう。
ホームページから積立設定を行う
SBI証券のホームページから積立設定を行う場合は、投資信託の検索ツールである「投資信託パワーサーチ」を利用します。具体的にどのような流れで行うのか、確認しておきましょう。
○ホームページから積立設定を行う流れ
【1】ホームページ上部の「投信」タブにカーソルを合わせる
【2】「銘柄検索・取扱一覧」をクリックする
【3】画面左上の「つみたてNISA対象銘柄」をクリックする
【4】購入したい銘柄を選んでクリックする
【5】画面上部の「つみたてNISA買付」をクリックする
【6】気になる銘柄をまとめて登録しておく
【7】積立設定画面に移り、金額や積立頻度などを設定する
複数の銘柄を同じ条件で購入したい場合は、積立設定画面の一括設定ツールを利用しましょう。
アプリから積立設定をする
アプリから積立設定をする場合の流れは、以下のとおりです。
○アプリから積立設定を行う流れ
【1】SBI証券の「かんたん積立アプリ」をインストールする
【2】アプリを開き、IDとパスワードを入力してログインする
【3】メニュー内にある「ファンド検索」をタップする
【4】購入したい銘柄をタップする
【5】「つみたてNISA買付」ボタンをタップする
【6】メニューから「つみたてNISAポートフォリオ」へ進む
【7】金額や積立頻度を設定する
かんたん積立アプリにおいても、積立設定の画面から一括設定ツールを利用できます。複数の銘柄を同じ条件で購入したい方は、このツールを使って積立設定を進めましょう。
メインポイントを設定する
積立設定の方法は上記の2つですが、このタイミングでメインポイント(※)を設定しておくと、ポイントのもらい忘れを防ぐことができます。メインポイントの設定は、SBI証券の公式サイトで行います。
※メインポイント:Tポイント、Pontaポイント、dポイントのいずれかを選択できる。
○メインポイントを設定する流れ
【1】画面上部の「口座管理」をクリックする
【2】その下に表示される「お客さま情報 設定・変更」をクリックする
【3】「ポイント・外部ID連携」のタブをクリックする
【4】「ポイントサービス詳細はこちら」から申し込み画面へ進む
【5】申し込みボタンをクリックする
つみたてNISAの銘柄や積立金額の決め方
つみたてNISAは初心者向けの制度ですが、銘柄や金額を決める際に悩む方は少なくありません。銘柄や金額は運用成績に関わってくるので、ここからは決め方のポイントや注意点などを解説します。
積立金額は「目標÷期間」で決める
つみたてNISAの最適な積立金額は、「目標÷期間」で求められます。期間については、つみたてNISAの非課税期間である20年を当てはめて、実際に積立金額を計算してみましょう(小数点以下は切り捨て)。
○積立金額の計算例
・目標を300万円とする場合
積立金額=300万円÷20年
=年間15万円(毎月1万2,500円)
・目標を500万円とする場合
積立金額=500万円÷20年
=年間25万円(毎月2万833円)
・目標を1,000万円とする場合
積立金額=1,000万円÷20年
=年間50万円(毎月4万1,666円)
運用期間を自分で決めたい方も、上記の「期間(20年)」を調整するだけで簡単に積立金額を計算できます。
銘柄の絞り込みには投資信託パワーサーチがおすすめ
つみたてNISAの銘柄を絞り込む際は、SBI証券の「投資信託パワーサーチ」を利用しましょう。このツールでは信託報酬や買付手数料、投資地域などで銘柄を絞り込むことができ、さらに対象銘柄を「コストが低い順」などで並べ替えることもできます。
投資信託パワーサーチでできること | 例 |
---|---|
ファンドの絞り込み | ・国内株式や国際株式などの種類別 ・日本や北米などの投資地域別 ・信託報酬の料率 |
銘柄の並び替え | ・コスト(信託報酬)が安い順に並び替え ・リスク(標準偏差)が低い順に並び替え ・リターン(騰落率/トータルリターン)が多い順に並び替え |
償還期限や委託会社など、さらに細かい条件で絞り込むこともできるため、銘柄選びの際にぜひ活用してください。
初心者におすすめの銘柄は?
初心者の方には、投資対象物や地域を分散している銘柄をおすすめします。
例えば投資対象が国内株式に偏っている銘柄は、日本の景気が停滞すると大きな損失につながるおそれがあります。一方で世界中に投資している銘柄であれば、特定の地域の景気が停滞しても大きなダメージを受けることがありません。
SBI証券が取り扱っている分散型の銘柄には、以下のようなものがあります。
銘柄名 | 株式 | 債券 | REIT |
---|---|---|---|
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) | 国内:○ 先進国:○ 新興国:○ | 国内:○ 先進国:○ 新興国:○ | 国内:○ 先進国:○ |
世界経済インデックスファンド | 国内:○ 先進国:○ 新興国:○ | 国内:○ 先進国:○ 新興国:○ | 国内:× 先進国:× |
野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型 | 国内:○ 先進国:○ 新興国:× | 国内:○ 先進国:○ 新興国:○ | 国内:○ 先進国:○ |
上記のような銘柄を選べば、1つの投資信託だけで分散投資を行えます。
SBI証券ってどんな証券会社?
SBI証券は、1999年10月にネット取引を開始した証券会社です。「顧客の最善の利益の追求」と「顧客にふさわしいサービスの提供」を営業方針として、これまでさまざまな金融商品やサービスを提供してきました。
その企業努力は多くのユーザーに評価されており、多くのランキングにおいて業界No.1の座を獲得しています。
項目 | 実績 | ランキング等 |
---|---|---|
口座開設数 | 700万口座(2021年6月) | ネット証券初 |
預り資産残高 | 19兆3,000億円 | 主要ネット証券No.1 |
NISA口座数 | 213万口座 | |
外国株取扱国数 | 9ヵ国 | |
IPO銘柄の関与率 | 93.0%(2021年3月通期実績) | |
個人委託売買代金シェア | 39.9% | 証券業界No.1 |
投資信託の積立サービスに強い
SBI証券は幅広い商品を取り扱っていますが、中でも投資信託には力を入れています。実際にどのようなサービスを提供しているのか、主な特徴を簡単に紹介します。
○SBI証券の投資信託の特徴
・国内トップクラスの取扱本数(2022年3月時点で2,673本)
・買付手数料が無料
・NISAやiDeCo関連のサービスを積極的に拡充
・銘柄の購入や保有によるポイント付与(Tポイント・Pontaポイント・dポイント)
取扱本数・手数料・ポイントのいずれにおいても、SBI証券の投信積立サービスは業界トップクラスの充実度です。手数料を抑えつつ、お得にポイントを貯めながら運用できるため、長く使い続けるほど大きなメリットを実感できるでしょう。
カスタマーサービスセンターの手厚いサポート体制
SBI証券は、サポート体制の強化にも力を入れています。
ネット証券は実店舗を構えていないことから、初心者が不安を覚えやすいといわれています。しかし、SBI証券は相談内容に合わせた窓口を用意しているため、投資経験がない方でも安心して利用できます。
また、SBI証券のサポートは外部からも評価されており、HDI-Japanが主催する「問合せ窓口格付け」「Webサポート格付け」において最高ランクの三ツ星を獲得しました(2020年度)。その他のコンテストにおいても、SBI証券の電話サポートやスタッフの対応は高く評価されています。
そもそもつみたてNISAとは?
つみたてNISAは、投資信託によって生じた利益が非課税になる税制優遇制度です。少額からの長期積立や分散投資を支援することを目的として、一般NISAとは異なる形で2018年1月に制度がスタートしました。
つみたてNISAの対象商品は、長期積立や分散投資に適した一部の投資信託(公募株式投資信託、上場株式投資信託)に限られています。最初からハイリスクな銘柄が除外されているため、投資の知識がない方でも安定的な運用を目指せます。
つみたてNISAは一般NISAやiDeCoと混同されることがありますが、これらはまったく別のものなので、それぞれの違いを確認しておきましょう。
一般NISAとどう違うの?
まずは、一般NISAとの違いを見てみましょう。
比較項目 | つみたてNISA | 一般NISA |
---|---|---|
利用できる人 | 国内在住の成人 (口座開設年の1月1日が基準) | |
非課税投資枠 | 年間120万円 | 年間40万円 |
非課税期間 | 最長20年 | 最長5年 |
対象商品 | 長期積立や分散投資に適した一定の投資信託 | 上場株式、ETF、公募株式投信、REITなど |
投資可能期間 | 2042年まで | 2023年まで(※) |
購入方法 | 積立投資のみ | 通常の買付、積立投資 |
払出し制限 | なし | |
金融機関の変更 | 毎年1回まで可能 |
特に押さえておきたい違いは、「非課税投資枠」と「非課税期間」です。つみたてNISAの非課税投資枠は年間40万円と少なめですが非課税期間は長く、最大で800万円分(40万円×20年)の非課税投資枠を利用できます。
つみたてNISAは長期積立・分散投資に特化した制度であり、初心者のために対象商品のリスクが抑えられています。一方で、一般NISAの商品にはハイリスク・ハイリターンの銘柄も含まれており、大きな利益を狙いながら税制優遇を受けられます。
iDeCoとの比較
次に、私的年金制度である「iDeCo(個人型確定拠出年金)」との違いを見てみましょう。
比較項目 | つみたてNISA | iDeCo |
---|---|---|
利用できる人 | 国内在住の成人 | 国内在住の20~60歳 |
非課税投資枠 | 年間40万円 | 年間14.4~81.6万円(※) |
非課税期間 | 最長20年 | 原則60歳まで (70歳までは延長可能) |
対象商品 | 長期積立や分散投資に適した一定の投資信託 | 投資信託、定期預金、保険 |
購入方法 | 積立投資のみ | |
払い出し制限 | なし | 原則60歳までは不可 |
金融機関の変更 | 可能 |
つみたてNISAは運用益が非課税になる制度ですが、iDeCoでは拠出時・運用時・給付時に税制優遇を受けられます。ただし、払い出し制限が設けられているため、iDeCoの資産は原則60歳になるまで引き出せません。
ちなみに、つみたてNISAとiDeCoは併用が認められており、同じ証券会社で口座を開設することもできます。年金資産の積立にも興味がある方は、つみたてNISAと併せてiDeCoの申し込み手続きも行うとよいでしょう。
つみたてNISAのメリット
つみたてNISAの主なメリットは、以下の7つです。
○つみたてNISAのメリット
・少額から始められる
・投資・運用で得た利益が20年間非課税になる
・売買のタイミングを考えなくて済む
・必要に応じていつでも引き出せる
・投資商品が厳選されている
・50〜60代からでも始められる
・ドル・コスト平均法を利用できる
それぞれについて、詳しく解説します。
少額から始められる
最低でも数万円程度の資金が必要になる株式投資などと違い、つみたてNISAの必要資金は数千円ほどです。証券会社によっては100円から始められるので、つみたてNISAは投資資金が少ない方に最適な制度といえます。
少ない資金から投資を始めると、損失リスクを抑えながら知識・ノウハウを得られます。特に初心者の方は無理のない資金から始めて、徐々に金額を増やしていくとよいでしょう。
投資・運用で得た利益は20年間非課税
一般的な株式投資などでは、利益に対して20.315%の税金がかかります。一方で、つみたてNISAの売買益・分配金は非課税なので、税金で利益が目減りすることがありません。
非課税投資枠だけを見ると一般NISA(年間120万円)のほうがお得に見えますが、トータルで利用できる非課税投資枠はつみたてNISAのほうが多いです。
○トータルで利用できる非課税投資枠
・一般NISA:600万円(120万円×5年間)
・つみたてNISA:800万円(40万円×20年間)
特に長期の運用を検討している方には、トータルの節税効果が大きいつみたてNISAをおすすめします。
売買のタイミングを考えなくて済む
つみたてNISAの買付方法は、毎月・毎週・毎日などの積立投資のみです。これはデメリットに見えるかもしれませんが、投資判断で迷いやすい初心者にとってはメリットともいえます。
つみたてNISAでは事前の設定によって買付が自動的に行われるので、売買の細かいタイミングを計る必要がありません。情報収集や分析の手間も省けるため、仕事などが忙しい方でも気軽に投資を始められます。
必要に応じていつでも引き出せる
積立投資と聞くと、多くの方は「自由に引き出せないのでは」と不安を覚えるかもしれません。しかし、つみたてNISAには払い出し制限がないため、資産を売却すればすぐに現金を引き出せます。
一方でiDeCoや定期預金、国債などでは、原則として決められたタイミングでしか資産を引き出せません。これらに比べると、つみたてNISAは自由度が高い制度といえるでしょう。
投資商品が厳選されている
つみたてNISAの対象商品は、リスクが低い投資信託に限定されています。
長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託(対象商品についてはこちら)
(金融庁サイトより引用)
○例えば公募株式投資信託の場合、以下の要件をすべて満たすもの
・販売手数料はゼロ(ノーロード)
・信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定
・顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
・信託契約期間が無期限または20年以上であること
・分配頻度が毎月でないこと
・ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
販売手数料や信託報酬に関する要件が定められていることも、初心者にとっては大きなメリットです。全体的に損失リスクやコストが抑えられているため、つみたてNISAは安定した資産運用を実現しやすい制度といえます。
50〜60代からでも始められる
つみたてNISAの対象者は成人以上ですが、上限年齢は設けられていません。50代や60代からでも問題なく始められるので、老後資産の形成のために利用している方もたくさんいます。
2023年からは成人年齢の引き下げに伴って、18歳以上から利用できるようになります。家庭によっては祖父母から孫まで、3世代にわたって節税効果を受けることもできるでしょう。
ドル・コスト平均法を利用できる
ドル・コスト平均法とは、金額や頻度をあらかじめ決めておき、長期スパン(10年以上)の積立によって平均購入単価を抑える方法です。「高い時に少なく買う」「安い時に多く買う」が自動的に行われるため、購入するタイミングなどを調整しなくても平均購入単価を抑えられます。
ドル・コスト平均法には、高値づかみを避ける効果も期待できます。投資のリスクを大きく抑えられるので、資産運用の安定性を高めることにつながるでしょう。
つみたてNISAを始めるにはどんな証券会社がおすすめ?
つみたてNISAを始める際は、自分の投資スタイルに合う証券会社を選ぶことが大切です。ここからは証券会社選びのポイントとして、取引銘柄数・最低積立金額・取引手数料(コスト)について解説します。
取扱銘柄数
つみたてNISAの対象商品は、金融庁から認可を受けたものに限られています。しかし、金融機関によっても取扱銘柄は異なり、中でも銘柄数には大きな違いがあります。
例えば、銀行や信用金庫などの銘柄数は多くても10本程度ですが、ネット証券では170本以上が提供されているところもあります。銘柄数が多いほど投資の幅は広がるので、柔軟に運用プランを変えたい方や自分で銘柄を選びたい方は、取扱銘柄数を比較して口座開設先を選ぶとよいでしょう。
最低積立金額
最低積立金額も、利用する金融機関によって異なります。基本的には「100円」「1,000円」「1万円」が多く、近年はネット証券を中心に100円から積み立てられる金融機関が増えています。
積立金額は変更できるため、特に初心者の方には100円から始められる証券会社をおすすめします。まずは少額で始めて投資経験を積み、知識やノウハウが身に付いたら少しずつ積立金額を増やしていきましょう。
取引手数料・コスト
つみたてNISAの対象商品は、金融機関に関わらず取引手数料が0円です。この仕組みは「ノーロード」と呼ばれており、金融庁の基準によってそれ以外の投資信託は除外されています。
つまり、取引手数料やコストの差はほとんどないため、証券会社選びでは他のポイントを比較することが大切です。銘柄数や最低積立金額はもちろん、投資情報の豊富さやサポート体制にも目を向けながら、自分に合う口座開設先を選んでください。
各社のサービスを比較し、自分に合う口座開設先を選ぼう
つみたてNISAは魅力的な税制優遇制度ですが、利用する金融機関によってメリットは変わります。特に取扱銘柄数や最低積立金額、サポート体制などには大きな違いがあるので、各社のサービスはしっかり比較しましょう。
自分に合う金融機関がなかなか見つからない方は、各種サービスが充実しているSBI証券でつみたてNISAを始めることをおすすめします。