100万円を確実に増やす方法とは?おすすめの資産運用や注意点を紹介
(画像=お金のミカタイムZ 編集部)

100万円を「確実」に増やしたいという方は、元本保証型の金融商品がおすすめです。元本保証型の商品を選べば、当初の投資資金が減ることがないからです。

ただ、資産運用や投資と聞くと、「損をしてしまうのでは?」と不安になる人も多いのではないでしょうか。
確かに株式や投資信託への投資では損をすることもありますが、上記の元本保証型の金融商品ように、実は元本割れのリスクがほとんどない投資商品もあります。

本記事では、100万円を確実に増やすための資産運用には何があるのかを解説します。

目次

  1. 100万円を確実に増やせる元本保証型商品のすすめ
    1. 個人向け国債:国が個人向けに発行している債券
    2. 定期預金:1,000万円まで法律で元本が保証
  2. 100万円を増やすおすすめの資産運用3選
    1. 投資信託:プロが運用する金融商品
    2. 個人年金保険:年金資産を積み立てる保険
    3. ETF(上場投資信託):証券取引所に上場している投資信託
  3. 100万円を効率的に増やすポイント
    1. ポートフォリオを細かく決める
    2. 余裕資金や目標によって投資方法を変える
    3. 手数料などのコストをコントロールする
  4. 100万円を確実に増やすポートフォリオの3つのコツ
    1. 債券の割合を増やす
    2. 国内株・国内債券の割合を増やす
    3. 1分野の資産を30%以内に抑える
  5. 100万円を確実に増やしたいときの注意点
    1. ローリスク・ハイリターンはないと考える
    2. 日頃から分散投資を心がける
    3. 短期間での売買を繰り返さない
  6. 将来に備えるならiDeCo(イデコ)もおすすめ!
    1. iDeCoのメリット:複数の節税効果
    2. iDeCoのデメリット:原則60歳まで引き出せない


100万円を確実に増やせる元本保証型商品のすすめ

100万円を「確実」に増やしたいという方は、元本保証型の金融商品がおすすめです。元本保証型の商品を選べば、当初の投資資金が減ることはありません。

実際にどのようなものがあるのか、2つの金融商品を紹介します。

個人向け国債:国が個人向けに発行している債券

個人向け国債とは、国が個人投資家向けに発行している債券のことです。国にお金を貸す代わりに、返済される時に利子を受け取れます。

厳密に言えば、元本保証ではありませんが、個人向け国債は国が発行する債券であるため、元本割れのリスクはかなり低いといえるでしょう。
さらに最低金利が保証されており、目的やスタイルに合わせて「固定金利3年」「固定金利5年」「変動金利10年」の3タイプが用意されています。

個人向け国債のメリット 個人向け国債のデメリット
・実質的に元本が保証されている
・最低金利が保証されている
・3種類の商品がある
・利息が年に2回発生する
・購入後1年は解約できない
・短いものでも満期までに3年かかる
・受け取り時に税金が差し引かれる

ただし、個人向け国債は購入後1年未満の解約が認められていないため、しばらくは使う予定がない余剰資金で購入する必要があります。

2022年4月時点の金利は0.05~0.13%ですが、利子を受け取る際に0.01~0.03%程度の税金が差し引かれます。

定期預金:1,000万円まで法律で元本が保証

元本割れのリスクがほぼない資産運用を探している方は、各銀行が提供する「定期預金」を検討しましょう。
定期預金は1,000万円まで法律で元本が保証されているため、1,000万円の運用であれば損失のリスクはありません。

定期預金のメリットとしては、手数料無料で資産を確実に増やせる点が挙げられます。
一般的な普通預金よりも金利が高いため、銀行に資産を眠らせておくよりは効率的に資産を運用できます。

定期預金のメリット 定期預金のデメリット
・元本が1,000万円まで保証されている
・手数料がかからない
・普通預金よりも金利が高い
・中途解約をすると金利が大きく下がる
・リターンが小さい
・1,000万円以上は元本が保証されない

ただし、定期預金の金利は高くても0.22%(年間)なので、他の資産運用と比較するとリターンが小さくなっています。仮に100万円を1年間預けた場合、受け取れる利息は多くても2,200円程度です。

100万円を増やすおすすめの資産運用3選

元本保証型の金融商品は、損失のリスクを伴う可能性が低い代わりにリターンも小さいという特徴があります。

資金が減らない点は魅力ですが、「もう少し大きなリターンを狙いたい」と思う方も多いでしょう。

ここでは元本保証型以外のおすすめの金融商品をまとめたので、資産を効率的に増やしたい方はぜひ参考にしてください。

投資信託:プロが運用する金融商品

投資信託は、個人投資家から集めた資金をまとめて、投資のプロが運用する金融商品です。運用によって利益が生じた場合は、購入口数に応じて分配金が支払われる投資信託もあります。

投資信託の投資先は株式を対象にした銘柄が多いものの、最近は債券や不動産などに投資する銘柄も増えています。銘柄によっては、国内や先進国、新興国などの投資地域が異なっています。

細かい運用方針や個別銘柄を決める必要がないので、投資信託は初心者が投資しやすい金融商品になっています。

投資信託のメリット

・100円から購入できる(証券会社によって異なる)
・プロが代わりに運用してくれる
・細かい情報収集や投資判断が不要
・1つの銘柄だけで分散投資ができる
・積立投資との相性が良い

投資信託の魅力は、少額から分散投資を始められる点が挙げられます。ひとつの銘柄にさまざまな投資商品が組み込まれているので、リスクを抑えた資産運用が行えます。

税制優遇制度であるNISAやiDeCoの対象商品に含まれている点も、初心者が知っておきたいポイントです。
これらの制度では非課税投資枠内の投資による運用益がすべて非課税となるため、通常の投資よりも資産を残しやすくなっています。

投資信託のデメリット

・手数料が発生する
・アクティブ型は損失リスクが高い
・株式のようにタイムリーな取引はできない

一方、投資信託のデメリットはコスト面において挙げられます。販売手数料については無料の証券会社もありますが、運用管理費にあたる「信託報酬」はほとんどの銘柄で発生します。

また、元本割れの可能性があります。特に特定の指数を超える運用成績を目指す「アクティブファンド」はリスクが高いので、資産をあまり減らしたくない方はリスクを比較的に抑えられるインデックスファンドを選びましょう。

個人年金保険:年金資産を積み立てる保険

個人年金保険は、毎月決まった額の保険料を支払いながら年金資産を積み立てる保険です。

給付される額やタイミングは契約時に決められており、受給年齢に達すると保険料の総額に応じて年金が支払われます。

年金制度と聞くと「国民年金」や「厚生年金」をイメージするかもしれませんが、個人年金保険はこれらの公的制度との併用が可能です。

個人年金保険のメリット

・年金を増やせる
・元本割れのリスクが低い
・個人年金保険料控除が適用される

個人年金保険に加入すると、解約しない限り保険料が自動的に積み立てられます。

支払った保険料が所得控除の対象になる点も、個人年金保険ならではの魅力です。
いくつか条件を満たす必要がありますが、保険料の払込期間が10年を超えていれば、1年につき最大4万円まで個人年金保険料控除を受けられます。

個人年金保険のデメリット

・インフレが起こると資産価値が下がる
・早く亡くなると損をするケースがある
・中途解約をすると元本割れになりやすい

個人年金保険は契約時点で受け取れる金額が決まっているため、インフレに弱いという特徴があります。
契約期間中にインフレが起こった場合は、日本円の価値が低下することにより、資産価値が目減りします。

また、加入者本人が早く亡くなった場合や中途解約をした場合は、元本割れが起こる恐れもあります。

普通預金よりは効率的ですが、急な出費やトラブルには弱い傾向があるので、基本的には余裕資金で保険料を支払うようにしましょう。

ETF(上場投資信託):証券取引所に上場している投資信託

ETF(上場投資信託)とは、証券取引所に上場している投資信託のことです。
基本的な仕組みは一般的な投資信託と似ていますが、株式と同じようにリアルタイムで取引できる点が異なります。
また、多くのETFは通常1口1万円〜10万円で購入できます。

ETFのメリット

・分散効果が高い
・株式と同じように取引できる
・一般的なの投資信託に比べるとコストが安い

一般的な投資信託は決められたタイミングでしか取引できませんが、ETFは証券取引所が営業していればリアルタイムでの取引が可能です。

また、ETFは信託報酬などの保有コストが安いため、長く持ち続けても大きな負担にはなりません。

これらの特徴を踏まえると、ETFは低コストで分散投資・長期投資をしたい方に適した商品といえるでしょう。

ETFのデメリット

・銘柄数が少ない
・自動積立投資を利用できないケースが多い
・分配金が再投資されない
・銘柄によっては希望価格で取引できないこともある

株式や投資信託に比べると、ETFは取扱銘柄数が少なめです。
大手ネット証券では5,000~6,000本の投資信託が取り扱われていますが、国内のETFに関しては多くても数百本程度です。また、ETFは分配金の再投資には基本的に対応していません。

100万円を効率的に増やすポイント

100万円を効率的に増やすには、以下のポイントを意識することが大切です。

各ポイントについて、分かりやすく解説します。

ポートフォリオを細かく決める

ポートフォリオとは、投資商品の組み合わせのことです。
例えば「国内株に40%、外国株に30%、国内債券に30%」といったようにバランス良く資産を振り分ければ、常に高い分散効果を維持したまま資産運用に取り組めます。

リスクを抑えてリターンを大きくするためには、ポートフォリオを適切に組む必要があります。
ポートフォリオの組み方には後述しますので、少しでもリスクを抑えたい方はしっかり確認してください。

余裕資金や目標によって投資方法を変える

ベストな投資方法は、「余裕資金がいくらあるのか」「いつまでにいくら貯めたいのか」「投資の知識はどれだけあるのか」によって異なります。

例えば、手元に100万円以外の資産がない場合は、「とにかく減らさないこと」を意識しなければなりません。
もっと資金が貯まってから投資を始めるのも1つの手でしょう。

そもそも資産が減ると日常生活に支障をきたすため、元本割れの恐れがない商品や、資金が長く拘束されない商品を選ぶ必要があります。

また、投資方法を選ぶ際には目標を意識することも大切です。

目標については最終的な金額と期間を設定し、「どれくらいの利回りがあれば目標を達成できるのか?」を意識しながら投資商品を選びましょう。

手数料などのコストをコントロールする

100万円を確実に運用する上で大きな障害となるのが、手数料などのコストです。手数料が高い投資商品を選ぶと、せっかく利益が出ても赤字になる恐れがあります。

コストをうまくコントロールするには、手数料などが安いネット証券を選ぶことが大切です。例えば大手ネット証券の中には、投資信託やETFの手数料をキャッシュバックする証券会社もあります。

各社のポイントプログラムを上手く使えるとコストを抑えられます。貯めたポイントで投資が行えるサービスもあるので、各社のポイントプログライムは必ず確認しましょう。

キャッシュバックやポイントプログラムは開催中のキャンペーンによって異なるので、最新の情報を確認してください。

100万円を確実に増やすポートフォリオの3つのコツ

100万円を確実に増やすには、ポートフォリオをうまく調整する必要があります。ポートフォリオに正解はありませんが、以下では資産運用の安全性を高める3つの方法を紹介します。

ポートフォリオとは
  • 金融商品の組み合わせのことで、特に具体的な運用商品の詳細な組み合わせを指します。
  • このポートフォリオの中の資産配分を変えることで、資産運用の方向性が決まります。

債券の割合を増やす

金融商品の中でも債券(国債や社債など)は、損失のリスクが低いといわれています。

元本は保証されていませんが、特に国内債券は安全性が高いため、積極的にポートフォリオにおける割合を増やしましょう。

例えば、以下のような配分でポートフォリオを組むと、確実性を重視しながらある程度のリターンを狙えます。

1~2%の利回りを狙うポートフォリオ(一例)
・国内債券35%
・先進国債券35%
・国内株20%
・外国株10%

期待できる利回りは1~2%程度となりますが、債券が70%を占める比較的低リスクなポートフォリオなので、資産を減らしたくない方に向いています。
利回りをもう少し高めたい方は、先進国債券や株式の割合を増やしましょう。

国内株・国内債券の割合を増やす

5%以上の利回りを狙っている方には、国内株・国内債券の割合を増やす方法がおすすめです。
以下のように国内の金融商品でリスクをうまく調整しながら、ハイリターンを狙う手段として外国株も組み込みましょう。

5~6%の利回りを狙うポートフォリオ(一例)
・国内株40%
・国内債券40%
・外国株20%

上記のポートフォリオは、程良いバランスを取ったものです。実際に運用してみて「リスクが高い」と感じたら、ハイリスクの商品である外国株式の割合を減らしましょう。

実際の運用成績に応じて細かく調整すると、よりよいポートフォリオになります。

1分野の資産を30%以内に抑える

さらに細かくバランスを調整したい方は、4つ以上の資産をポートフォリオに組み込みましょう。各資産の割合を30%以内のポートフォリオを組むことで、短期的な損失を抑えやすくなります。

○バランスを細かく調整するポートフォリオ(一例)
・国内株30%
・国内債券30%
・先進国株10%
・新興国株10%
・不動産(REITなど)20%

上記のようなポートフォリオを組むと、国内債券で確実性を高めながら、株式・不動産で積極的にリターンを狙えます。
期待できる利益はケースによって異なりますが、うまく調整すれば5%以上の利回りを狙えます。

100万円を確実に増やしたいときの注意点

100万円を確実に増やしたい場合は、リスクが大きくならない投資法を心がける必要があります。ここからは、特に意識しておきたい3つの注意点を紹介します。

ローリスク・ハイリターンはないと考える

投資の世界において、基本的にローリスク・ハイリターンの投資商品は存在しません。リスクとリターンは比例するものなので、リスクを抑えようとすれば必然的にリターンは小さくなります。

例えば、元本保証かつ1ヵ月間の利回りが30%もある投資商品は、リスクとリターンが釣り合っていません。

たまたまた1ヵ月だけ利回りが30%なることがあっても、継続できるケースはほぼないと考えてよいでしょう。

反対に、仮にそのような投資商品を見かけたら「詐欺」を疑いましょう。飛びつきたくなる気持ちは分かりますが、魅力的な話を持ちかけるのは悪徳業者や詐欺師の常とう手段です。

また、元本保証のない金融商品には、すべて損失のリスクが潜んでいます。一部を除いて必ず儲かる投資商品は存在しないため、投資ではある程度のリスクを許容しましょう。

日頃から分散投資を心がける

投資のリスクを抑えるには、日頃から分散投資を心がけることが大切です。ひとつの投資商品に資産を集中すると、暴落が起こった時に対処できなくなります。

分散投資を行う際には、異なる特性を持つ金融商品を選ぶ必要があります。例えば、国内株だけのポートフォリオを組むと、いくら資金を分散しても国内景気悪化の影響を大きく受けます。

また、投資先の地域や資産の種類、購入するタイミングを分散することも意識しましょう。

短期間での売買を繰り返さない

短期間での売買を繰り返すと、以下のリスクが生じます。

短期売買に潜むリスク
・取引手数料などのコストがかさむ
・投資判断が難しくなる
・配当金や分配金などのインカムゲインを受け取れなくなる

短期的なトレードでは大きなリターンを狙えますが、毎回勝ち続けることはプロでも難しいです。特に投資知識やテクニックがない初心者にはおすすめできません。

100万円を確実に増やしたい場合は、中長期的な運用が基本になります。投資は取引回数が増えるほど難しくなるので、多少の利益・損失が出ても動じないようにしましょう。

将来に備えるならiDeCo(イデコ)もおすすめ!

老後生活を備えたい方には、iDeCo(イデコ)の利用をおすすめします。iDeCoは自分のペースで資産を積み立てられる私的年金制度で、公的年金(国民年金や厚生年金など)とは別に加入できます。

iDeCoの概要
毎月の掛金 加入者自身が決める
掛金上限額 職業などによって異なる(毎月1万2,000~6万8,000円)
運用 加入者が金融商品を選んで運用する
対象商品 投資信託、保険商品、預貯金など
給付 原則60歳以上になってから、年金または一時金として受給

iDeCoでは掛金を積み立て、金融商品で資産運用を行えます。対象商品には元本確保型の預貯金なども含まれるので、資産を確実に増やしたい方には有り難い制度です。

実際にiDeCoを利用する際は、以下のメリット・デメリットを理解しておきましょう。

iDeCoのメリット:複数の節税効果

・毎月の掛金がすべて所得控除の対象になる
・運用益がすべて非課税になる
・給付時にも控除が適用される
・自分のペースで資産形成ができる

iDeCoに加入する最大のメリットは、「拠出時」「運用時」「給付時」のタイミングで得られる節税効果です。
毎月の掛金や年金の給付時などは控除の対象で、運用によって得た利益も非課税となるため、長く加入するほど大きな節税効果を実感できます。

また、毎月の掛金を一定の範囲内で自由に設定できる点や、運用方法を選べる点も大きな魅力です。
掛金の金額や運用方法は後で変更することもできるので、どのような方でも自分のペースで年金を増やせます。

iDeCoのデメリット:原則60歳まで引き出せない

・原則60歳になるまでは資産を引き出せない
・運用方法が限られている
・元本割れを引き起こすことがある

iDeCoで積み立てた掛金・運用益は、原則60歳になるまで引き出せません。


つまり、掛金として支払った資産は拘束されることになるため、加入前にはiDeCoを始めても続けられるのか考える必要があります。

また、iDeCoの対象商品は少なく、大手ネット証券でも取扱銘柄は85本程度です。また、対象商品によっては元本割れが起こる可能性もあるので、各商品の特徴は加入前にしっかり確認しておきましょう。