人気の副業は!?みんなは何をやっている?
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日本では平均年収が30年以上上がらない中で、副業ブームが到来しています。副業ブームは政府が2017年に副業を促進する方針にかじを切ったことなどが背景にあると考えられます。今、どんな副業が人気なのでしょうか。

目次

  1. 給料が上がらない日本
  2. どんな副業が人気?
  3. 副業をしている人の割合は?
  4. 副業を始めた理由は?
  5. 副業で収入増のチャンス


給料が上がらない日本

日本は給料が上がらない国といわれます。それは厚生労働省の平均給与(実質)の推移を見れば明らかです。

1989年は、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与が452.1万円でした。1989年以降は年々上昇し、1992年には472.5万円を記録しましたが、残りの1990年代は頭打ちの状態が続きました。

2000年代に入って平均給与は少しずつ下落を始め、2014年には419.2万円まで下がりました。そこからわずかに上がったものの、2018年時点で平均給与は433.3万円にとどまっている状況です。

国税庁の2019年分民間給与実態統計調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は436万円、2020年分は433万円、2021年分は443万円と、傾向に大きな変化はみられません。

給料が上がらない中、近年は副業ブーム

このように30年以上、給料が上がらない中で、近年は副業がブームになっています。副業がブームになっている背景には、政府が副業を促進する立場に大きくかじを切ったことがあります。

政府は2017年3月に「働き方改革実行計画」をまとめ、「原則副業・兼業を認める方向で、副業・兼業を普及促進する」という方針を打ち出しました。

これを受けて厚生労働省が2018年1月に「モデル就業規則」を改定し、副業に関して「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」としていた記述を、「勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と改めました。

国が副業の「普及促進」にかじを切ったことで、企業側でも「副業の禁止」を見直す動きが出始め、今日の副業ブームに至っています。2018年は「副業解禁元年」とも呼ばれます。

どんな副業が人気?

それでは、どのような副業が人気なのでしょうか。プログラミング教育事業を展開しているキラメックス株式会社が副業中の男女1,323人を対象に実施した「副業に関する調査2022」の結果を参照してみましょう。

1位:懸賞・アンケートモニター

メインで行っている副業について回答が最も多かったのは「懸賞・アンケートモニター」の359人でした。

懸賞の副業とは、賞金や賞品が当たる懸賞に応募して収入を得ることです。今はインターナショナル上の懸賞サイトに登録し、応募するのが一般的です。賞品が当たった場合はネットオークションやフリマアプリなどを使って売却し、現金化する人が多いようです。

アンケートモニターは、企業の新商品やサンプルなどを試用したり試食したりして、調査に協力することで報酬をもらう副業です。スマートフォンやパソコンで回答するWEBアンケートから個別インタビューまで調査方法は多岐にわたり、こちらもサイトに登録して案件を獲得するのが一般的です。

2位:販売・接客

2位は「販売・接客」の副業で、回答人数は105人でした。販売に関しては、アクセサリーや生活雑貨などを自宅でつくって販売するハンドメイド販売も人気です。接客の副業では、スーパーのレジ打ちやアパレルショップなど、種類が豊富です。

3位:せどり・ネットオークション

3位は78人が回答したせどり・ネットオークションです。

せどりは商品を安く仕入れて高値で転売するビジネスで、トレンドの商品でせどりに成功すれば高い利益が期待できます。人気アニメやドラマ関連のグッズなどが高値で取り引きされることがあります。

ネットオークションもせどりに近く、古本など自宅にある不用品も出品できます。

副業をしている人の割合は?

実際にどれぐらいの人が副業をしているのでしょうか。

厚生労働省は2020年7月に「副業・兼業に関する労働者調査」を実施しました。それによると、副業をしている人の割合は9.7%で、およそ10人に1人が副業をしている計算になります。

本業の就業形態別でみると、自由業・フリーランス(独立)・個人請負が最多の29.8%で、正社員は5.9%にとどまりました。

副業を始めた理由は?

キラメックスの「副業に関する調査2022」では、回答者に副業を始めた理由も尋ねています。

副業を始めた理由として最も多かったのが「空き時間に副業しやすい」の49.7%で、「簡単に始めることができる」35.9%、「在宅で働くことができる」27.4%と続きました。

副業を始めた時期については、6割以上が直近2年以内と回答しており、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減ったことや在宅時間が増えたことなどが影響していると考えられます。

副業で収入増のチャンス

新型コロナウイルス感染症によるワークスタイルの変化や政府が促進した影響もあって、副業がブームを迎えています。空いた時間に簡単に始められるなど、副業をしやすい環境ができつつあり、給料が上がらない中で副業が新たな収入源になる可能性を秘めています。