結婚は結局、金銭的に「損」か「得」か?
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幸せにはさまざまな形があるため、結婚が損か得かを言い表すことはできません。裕福でなくても幸せに暮らす夫婦は多く見られますが、金銭面だけで考えたときに結婚はお得と言えるのでしょうか。

目次

  1. 結婚は「愛」が重要なのは言うまでもない
  2. 夫婦になるとどんな「お得」がある?
  3. 逆に夫婦になると「損」することは?
  4. 昨今の結婚率はどう推移している?
  5. まとめ


結婚は「愛」が重要なのは言うまでもない

夫婦が幸せな結婚生活を送るには、言うまでもなく愛が必要です。しかし、将来的にマイホームを買ったり旅行をしたり、子どもを育てたりするためには「お金」が欠かせません。

経済的に余裕がない夫婦は、生活費を稼ぐことに日々追われるなど、ライフプランの選択肢が狭まってしまいます。裕福でなくても幸せな夫婦はいますが、ライフプランの観点から言うとお金があるにこしたことはないでしょう。

夫婦になるとどんな「お得」がある?

日本国内で結婚をすると、国や自治体のお得な制度を利用できることがあります。実際にどのような制度があるのでしょうか。

結婚助成金

結婚助成金は、内閣府が「結婚新生活支援事業費補助金」という名称で実施している支援制度です。居住している自治体の窓口で手続きをすると、結婚費用に応じた補助金が支給されます。

<結婚新生活支援事業の概要>

制度名結婚新生活支援事業費補助金(結婚助成金)
対象者新規に婚姻した世帯
主な条件・世帯所得が400万円未満であること
・婚姻時点での年齢が夫婦ともに39歳以下であること など
補助対象・住宅取得費用
・住宅賃借費用
・リフォーム費用
・引っ越し費用 など
(※いずれも新生活に係る必要であることが条件)
上限額夫婦ともに29歳以下:60万円
夫婦いずれかが30歳以上:30万円

地域によって補助対象や上限額が異なることもあるので、事前に居住している自治体の情報をチェックしておきましょう。

配偶者控除・配偶者特別控除

配偶者控除・配偶者特別控除は、夫または妻がいる国民を対象にした制度です。以下の条件を満たしている場合は、配偶者の収入に応じて夫婦いずれかの所得が控除(※)されます。

(※)所得金額から一定額を差し引くことで、所得税や住民税が安くなること。

<配偶者控除・配偶者特別控除の条件>
・税務申告の際に、該当欄に記入していること
・納税者本人(控除を受ける側)の年間所得金額が1,000万円以下
・内縁関係の配偶者ではないこと
・夫婦が生計を共にしていること
・特定の条件下で源泉徴収されていないこと

なお、夫婦がそろって適用される制度ではないため、基本的には収入の多いほうが申告をすることになります。

逆に夫婦になると「損」することは?

個人単位で見ると、結婚は金銭的に損になることもあります。

例えば、結婚をきっかけに財産を共有するとなると、独身時代と同じようなお金の使い方はできなくなるでしょう。出産や育児のために休職・退職をする場合は、夫婦いずれかの安定収入がなくなります。

他にも家事に手を抜けなくなったり、親戚付き合いをする時間が必要になったりなど、正社員を続けることが難しいケースも少なくありません。社会に出られないことがストレスになる場合もあるので、ライフスタイルが変わる点については十分に話し合っておく必要があります。

昨今の結婚率はどう推移している?

昨今の結婚率の傾向を見るために、以下では総務省統計局による「令和2年国勢調査」のデータを紹介します。

<15歳以上人口の配偶者関係割合>

2015年の割合2020年の割合
未婚28.6%29.5%
有配偶57.0%55.6%
死別9.0%9.1%
離別5.4%5.8%
(※上記は15歳以上を対象にしたデータ)
(参考:総務省統計局「令和2年国勢調査」)

2015年からの5年間で見ると、未婚者の割合が0.9ポイント上がっているため、日本の結婚率は下がっていることが分かります。

住まい方の変化
(引用:国土交通省「住まい方の変化」)

生涯未婚率の上昇幅は狭まってきていますが、支援策が充実したり平均年収が増えたりするなどの変化がない限り、日本の結婚率が大きく上がることは難しいでしょう。

まとめ

結婚すると自由に使えるお金は減りますが、結婚助成金などの国・自治体による支援策も用意されています。ただし、これらの制度が自動で適用されることはありません。自分で期限までに申請をしなければなりません。直近で結婚する予定がある人は、居住地がある自治体の情報をしっかりと調べておきましょう。