
最近では老後資金を貯める方法として、金融商品への投資が注目されています。しかし、株式や投資信託などには損失リスクがあるため、なかなか資産運用に踏み出せない人も多いでしょう。
そのような人に向けて、「自宅投資」の仕組みや効果、メリット・デメリットを紹介します。新しい選択肢の一つとして、概要やポイントを押さえていきましょう。
さまざまな投資方法が世の中にはある
投資対象の資産にはさまざまなものがあり、方法によって狙えるリターンやリスクは異なります。まずは、代表的な投資方法をいくつか見ていきましょう。
<投資の種類と特徴>
代表的な投資方法 | キャピタルゲイン(※1) | インカムゲイン(※2) |
---|---|---|
株式投資 | 売却益 | 配当金、株主優待 |
投資信託の取引 | 売却益 | 分配金 |
不動産投資 | 売却益 | 賃貸収入 |
FX(外国為替証拠金取引) | 為替差益 | 金利(スワップポイント) |
債券投資 | 売却益 | 金利 |
(※1)価格が購入時よりも上昇したときに売却した際に得られる利益のこと。
(※2)保有している資産から得られる利益のこと。
本記事のテーマである「自宅投資」は不動産投資に分類され、資産の売却時に得られるキャピタルゲインと、賃貸物件の借主から支払われるインカムゲインが狙えます。また、不動産は実際に存在していて形がある「実物資産」にあたるため、他の金融商品(株式や投資信託など)とは異なる活用方法があります。
「自分で住む自宅で不動産投資」という考え方
不動産投資と聞くと、マンションなどを他人に貸し出す方法をイメージする人が多いでしょう。しかし、賃貸物件には空室リスクがあるので、物件としての魅力がないと赤字になる恐れがあります。
この点が不安な人には、購入した不動産に自分で住む「自宅投資」がおすすめです。自宅投資であれば空室リスクはありませんし、将来的には値上がりによるキャピタルゲインを狙うこともできます。
自宅投資の魅力
自宅投資には以下のような魅力があるため、都心では意外と多くの人が行っています。
<自宅投資の魅力>
・実物資産になるだけではなく、マイホームとして活用できる
・もし資産価値が下がっても、住み続ければ大きなマイナスにはならない
・急な転勤や引っ越しにも対応できる
自宅投資は不動産ならではの空室リスクを抑えやすい手法であり、住み続ければマイホームとして活用できます。また、借主が見つかればインカムゲインも狙えるため、急な転勤や引っ越しにも対応できるでしょう。
不動産投資のメリットとリスク
自宅投資を始める前には、不動産投資におけるメリットとリスクを理解しておく必要があります。
<不動産投資のメリット>
・レバレッジをかけて大きなリターンを狙える
・インフレ対策やスタグフレーション対策になる
・税制優遇制度がある(減価償却や住宅ローン減税など)
特に押さえたいメリットとしては、レバレッジ(※)をかけられる点が挙げられます。不動産投資では、銀行からの融資や住宅ローンを活用できるため、手持ち資金しかつかえない投資に比べると大きなリターンを期待できます。
(※)手持ち資金よりも大きなリターンを狙える効果のこと。株式の信用取引やFXにもレバレッジ効果がある。
<不動産投資のリスク>
・空室によって賃貸収入を得られなくなる
・複数の要因(老朽化、自然災害、地価変動など)によって資産価値が下がる
・金利上昇によってローン返済額が増える など
上記の中で特に注意したいのが「空室リスク」です。
不動産を賃貸物件として運営する場合は、借主を見つけないとリターン(収入)が生じません。賃貸運営では借主がいない間も固定資産税やメンテナンス費、光熱費などのランニングコストがかかるので、できるだけ空室を減らして収入源を安定的に確保する必要があります。
空室リスクを回避する方法
不動産投資の空室リスクには、以下のような回避方法があります。
<空室リスクを回避する方法>
・駅近などライバル物件より優れた不動産を購入する
・家賃を下げる
・入居条件を緩くする
・信頼できる仲介会社や管理会社を選ぶ
・リノベーションや新しい設備で需要を増やす
上記の他にも、不動産会社が提供する「空室保証」も有効な対策です。空室保証は満室賃料の8~9割が保証されるサービスであり、もし退去が相次いでも安定したインカムゲインを得られます。
ただし、家賃の100%が保証されることはないため、加入する場合であっても空室リスク対策は必要です。また、不動産会社から家賃の値下げを求められるケースもあるので、必ずしも空室リスクがなくなるわけではありません。
このような実情を踏まえると、不動産では自宅投資がより良い選択肢になる可能性があります。実際に運営することをイメージしながら、自分に向いている方法を見極めましょう。
空室リスクが気になる人は、自宅投資でキャピタルゲインを狙おう
不動産は、上手に活用できればキャピタルゲインとインカムゲインのどちらも狙えます。ただし、空室リスクや資産価値の下落リスクがあるため、特に賃貸物件として運用する場合は綿密な調査が必要です。これらのリスクがどうしても気になる人は、空室リスクを抑えながらキャピタルゲインを狙える自宅投資も不動産投資として検討してみましょう。