
30代で貯金1,000万円を達成するには、年収を踏まえて資産形成のプランを立てる必要があります。本記事では、20代、30代の平均年収などのデータを取り上げながら、30代で貯金1,000万円を目指す方法や考え方を紹介します。
30歳で貯金1,000万円を達成する方法
30歳で貯金1,000万円を達成するには、どれくらいのペースでお金を貯めれば良いのでしょうか。23歳から(22歳時に大学を卒業)働き始めると仮定して、毎月必要になる貯金額を計算してみましょう。
目標金額÷貯金に費やす年数÷12ヵ月=毎月の貯蓄額
1,000万円÷8年間÷12ヵ月=約10.4万円
上記の通り、一定のペースで貯金をする場合は毎月10万円以上(年間125万円)を貯める必要があります。
なお、以下のデータは、国税庁の民間給与実態統計調査(2021年分)をもとに、20代~30代の平均年収をまとめたものです。
20代前半:269万円
20代後半:371万円
30代前半:413万円
30代後半:449万円
月収にすると、20代前半の場合は約22万円、30代後半だと約37万円です。実際には生活費を負担しながら貯金をする必要があるため、上記の平均年収を超えていても月収の中から10万円を貯金し続け1,000万円を貯めることは簡単ではありません。
生活費の内訳
資産形成のプランを立てるには、生活費も確認しておく必要があります。以下のデータは、総務省統計局の「家計調査(2022年)」をもとに単身世帯の平均支出をまとめたものです。
<単身世帯の平均支出(2022年)>
主な支出項目 | 1ヵ月あたりの平均支出額 |
---|---|
食料 | 39,069円 |
住居 | 23,300円 |
光熱・水道 | 13,098円 |
家具・家事用品 | 5,487円 |
被服及び履物 | 5,047円 |
保険医療 | 7,384円 |
交通・通信 | 19,303円 |
教養娯楽 | 17,993円 |
その他の消費支出 | 31,071円 |
合計金額 | 161,753円 |
上記の生活費から、毎月10.4万円を貯金するために必要な年収を計算してみましょう。
(1ヵ月あたりの支出+毎月の貯金額)×12ヵ月=必要な年収
(161,753円+104,000円)×12ヵ月=318万9,036円
30歳で貯金1,000万円を達成するには、少なくとも手取りで約318万円の年収が必要になることが分かりました。なお、賃貸物件に住んでいる場合や、車や冠婚葬祭など大きな出費がある場合は、さらに多くの年収が必要になります。
39歳までに貯金1,000万円を達成する方法
毎月10.4万円の貯金が難しい人は、目標達成の年齢を39歳に引き上げてみましょう。
目標金額÷貯金に費やす年数÷12ヵ月=毎月の貯蓄額
1,000万円÷17年間÷12ヵ月=約3.4万円
前述と同じ条件(23歳から就職、一定のペースで貯金)で計算してみると、毎月の貯蓄額は約3.4万円になりました。
生活費の内訳
30代になると男女ともに結婚をする人の割合が増えるため、以下では総務省統計局の「家計調査(2022年)」をもとに、二人以上世帯の平均支出を紹介します。
<二人以上世帯の平均支出(2022年)>
主な支出項目 | 1ヵ月あたりの平均支出額 |
---|---|
食料 | 77,474円 |
住居 | 18,645円 |
光熱・水道 | 24,522円 |
家具・家事用品 | 12,121円 |
被服及び履物 | 9,106円 |
保険医療 | 14,705円 |
交通・通信 | 41,396円 |
教育 | 11,436円 |
教養娯楽 | 26,642円 |
その他の消費支出 | 54,817円 |
合計金額 | 290,865円 |
単身世帯に比べると、二人以上世帯では1ヵ月あたりの支出額が13万円ほど増えます。この点を踏まえて、毎月3.4万円の貯金が現実的かどうかを判断してみましょう。
投資で資産を増やせばより現実味が増す
30代までに1,000万円を貯めることが難しい場合は、株式や投資信託などへの投資を考えてみましょう。参考として、以下では年利5.0%の金融商品を運用したときに、10年間で得られる利益を簡単に試算してみます。
<10年間の投資で得られる利益>
投資資金 | 10年間で得られる利益 |
---|---|
100万円 | 50万円 |
200万円 | 100万円 |
300万円 | 150万円 |
400万円 | 200万円 |
500万円 | 250万円 |
200万円の投資資金があれば、年利5.0%でも10年間で100万円以上が貯まります。この利益を加えれば、目標金額が遠い人でも現実味が増すでしょう。ただし、投資先によっては資金が減ることもあるので、徹底した情報収集や分析を意識してください。
資産形成のプランを立てて、投資が必要になるかを検討しよう
大学卒業から貯金を始める場合、30歳までに1,000万円を貯めるには毎月10.4万円、39歳までなら毎月3.4万円を貯めることが必要です。本記事で紹介した平均年収や生活費を踏まえて、まずは自分自身の資産形成プランを立ててみてください。
その上で、もし目標金額を達成することが難しい場合は、株式や投資信託などへの投資を考えてみましょう。