少子化でさらに注目度アップ?「超高額塾」の現状
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日本は1970年代から少子化が進んでおり、近年でも一人っ子世帯は増加傾向にあります。少子化と聞くとマイナスイメージが先行しがちですが、一人っ子世帯は子どもにお金をかけやすくなるため、「熱心に教育したい」と前向きに考える大人も少なくありません。

本記事では教育方針の一つとして、超高額塾に通わせる効果やメリット・デメリット、現状などを紹介します。

目次

  1. 超高額塾に通わせる大人が増加する未来
  2. 現在ある超高額塾の費用の状況
  3. 高額学習塾の特徴
  4. あなたならどんな塾に子どもを通わせたい?


超高額塾に通わせる大人が増加する未来

子どもが2人以上いる世帯に比べると、一人っ子世帯は子どもにお金をかけやすい特徴があります。実際に教育費がどれくらい変わってくるのか、内閣府の資料を参考にしながら簡単に試算してみました。

<子どものいる世帯の年齢別教育費>

子どもの年齢1ヵ月あたりの教育費
0~2歳407円
3~5歳1万8,831円
6~11歳8,606円
12~14歳2万4,639円
15~17歳3万7,794円

<小学生と中学生がいる世帯の教育費>
6~11歳の教育費+12~14歳の教育費=1ヵ月あたりの教育費
8,606円+2万4,639円=3万3,245円

<中学生と高校生がいる世帯の教育費>
12~14歳の教育費+15~17歳の教育費=1ヵ月あたりの教育費
2万4,639円+3万7,794円=6万2,433円

中学生の子どもが一人の場合は、上記のケースよりも毎月の教育費が1~4万円ほど安くなります。子ども一人あたりに多くの教育費を充てられるため、このまま少子化が進むと超高額塾に通わせる大人が増加するかもしれません。

現在ある超高額塾の費用の状況

子どもを超高額塾に通わせると、毎月どれくらいの月謝がかかるのでしょうか。子どもの年齢や科目数、受講するコースにもよりますが、以下では大まかな目安をまとめました。

<超高額塾における月謝の目安>
小学生:3万0,000~3万5,000円
中学生:3万5,000~4万0,000円
高校生:5万0,000~8万0,000円

上記の中でも高校生は月謝が高く、特別講習(夏期講習や冬期講習など)を含めると年間100万円ほどかかる場合もあります。

高額学習塾の特徴

月謝が高いことはデメリットですが、当然ながら超高額塾には通わせるメリットも多数あります。ここからは4つの点に分けて、高額学習塾の特徴を見ていきましょう。

特徴1.有名講師が在籍している

基本的に超高額塾と呼ばれる学習塾には、有名講師が在籍しています。質の高い授業はもちろん、経験を活かした受験指導やカウンセリングを行っているところも多いため、手厚いサポートを期待できるでしょう。学習塾によっては厳しい選考を通った講師や、難関校への合格経験がある講師をそろえています。

特徴2.超難関校への合格実績が多い

以下のような超難関校への合格実績が多い点も、高額学習塾ならではの特徴です。

<超難関校の合格例>
・旧帝大や国公立大学の医学部
・難関大学への合格を目指せる名門私立高校
・定員が100名未満の名門私立中学

必ず合格できるわけではありませんが、多くの高額学習塾は超難関校合格を目指すためのカリキュラムを充実させています。また、子どもの志望校に通っていた講師がいる場合は、学校の雰囲気や指導方針などを聞くこともできます。

特徴3.他にはない独特な指導手法を展開している

多くの高額学習塾は、独自の指導手法を展開することで差別化を図っています。実際にどのような手法があるのか、いくつか例を紹介します。

<高額学習塾の指導手法(例)>
・志望校別の個別カリキュラム
・グループ授業+弱点克服のための個別指導
・答案分析からのカリキュラム設定 など

高額学習塾に共通しているのは、生徒ひとり一人に合わせたカリキュラムを用意している点です。成績や志望校に合わせて計画を組んでもらえるので、効率的な学習環境を整えられます。

特徴4.都心の塾の方が月謝は高め

高額学習塾の月謝には地域差があり、田舎や郊外よりも都心のほうが高い傾向にあります。参考として、以下では文部科学省の「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告(2008年8月)」をもとに、学習塾の平均月謝を紹介します。

学習塾がある地域平均月謝
大都市A2万5,959円
大都市B2万1,677円
中都市2万2,173円
小都市1万8,441円

上記のデータには高額学習塾以外も含まれますが、大都市と郊外では月謝が7,000円ほど変わってきます。なお、同じ系列の塾であっても地域によって料金・コースが変わる場合があるので、契約する前に細かい費用を確認しておきましょう。

あなたならどんな塾に子どもを通わせたい?

学習塾は、費用によってカリキュラムや講師の質が変わります。超高額塾に通うことで必ずしも合格するわけではありませんが、子どものレベルや目的に合わせた学習計画を組んでもらえる点は大きなメリットでしょう。子ども自身の意思も確認した上で、各家庭に合った学習塾を選んでみてください。