
毎年6~7月になると、多くの企業ではボーナスが支給されます。夏季のボーナスは約8割の国内企業で支給されていますが、業界によって差があります。
本記事では厚生労働省の資料をもとに、近年のボーナスの傾向をまとめました。業界別のボーナス平均金額をチェックし、今後の資産形成やキャリアの参考にしましょう。
夏季ボーナス平均金額
以下のデータは、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」をもとに夏季ボーナス平均金額を会社規模別でまとめたものです。
<会社規模別、夏季ボーナス平均金額>
従業員数 | 2022年 | 2021年 |
---|---|---|
500人以上 | 67万3,602円 | 63万6,176円 |
100~499人 | 44万1,551円 | 41万7,894円 |
30~99人 | 33万6,960円 | 33万8,240円 |
5~29人 | 26万4,470円 | 26万5,204円 |
全体 | 38万9,331円 | 38万268円 |
ボーナス平均金額は、2022年が38万9,331円、2021年が38万268円です。2021年と比較すると、2022年のボーナス平均金額は2.4%ほど増加しました。
業界別、夏季ボーナス平均金額トップ5
同調査では、業界別のボーナス平均金額も公表されています。以下のデータは、2021年~2022年のボーナス平均金額(夏季)の上位5業界をまとめたものです。
<業界別2021年夏季ボーナス平均金額TOP5>
業界別の順位 | ボーナス平均金額 |
---|---|
1位:電気・ガス業 | 86万7,560円 |
2位:情報通信業 | 66万5,248円 |
3位:学術研究等 | 65万3,687円 |
4位:金融業・保険業 | 64万3,656円 |
5位:教育・学習支援業 | 49万9,483円 |
<業界別2022年夏季ボーナス平均金額TOP5>
業界別の順位 | ボーナス平均金額 |
---|---|
1位:電気・ガス業 | 77万3,339円 |
2位:情報通信業 | 68万7,247円 |
3位:学術研究等 | 65万9,687円 |
4位:金融業・保険業 | 64万4,728円 |
5位:鉱業・採石業等 | 59万5,716円 |
いずれの年でも「電気・ガス業」「情報通信業」「学術研究等」がトップ3を占めており、ボーナス平均金額は65万円を超えています。
業界別、夏季ボーナス平均金額ワースト5
次に、2021年~2022年のボーナス平均金額(夏季)のワースト5業界を見てみましょう。
<業界別2021年夏季ボーナス平均金額ワースト5>
業界別の順位 | ボーナス平均金額 |
---|---|
12位:運輸業・郵便業 | 32万2,898円 |
13位:医療・福祉 | 27万5,482円 |
14位:その他のサービス業 | 23万618円 |
15位:生活関連サービス等 | 13万5,034円 |
16位:飲食サービス業等 | 4万7,083円 |
<業界別2022年夏季ボーナス平均金額ワースト5>
業界別の順位 | ボーナス平均金額 |
---|---|
12位:卸売業・小売業 | 35万7,998円 |
13位:医療・福祉 | 27万5,083円 |
14位:その他のサービス業 | 21万7,344円 |
15位:生活関連サービス等 | 15万7,582円 |
16位:飲食サービス業等 | 6万3,793円 |
「その他のサービス業」「生活関連サービス業」「飲食サービス業等」は、2年連続でワースト3を占める結果となりました。この中でも飲食サービス業等はボーナス平均金額が低く、いずれの年でも10万円を下回っています。
最近の夏季ボーナスの傾向
近年の傾向を見るために、次は基本給に対する夏季ボーナスの支給割合を確認してみましょう。以下の順位は、業界別のボーナス平均金額を基準にしています。
<給与に対する夏季ボーナスの支給割合>
業界別の順位 | 毎月の給与に対する支給割合 |
---|---|
1位:電気・ガス業 | 1.68ヵ月分 |
2位:情報通信業 | 1.32ヵ月分 |
3位:学術研究等 | 1.30ヵ月分 |
4位:金融業・保険業 | 1.66ヵ月分 |
5位:鉱業・採石業等 | 1.07ヵ月分 |
~中略~ | |
12位:卸売業・小売業 | 0.99ヵ月分 |
13位:医療・福祉 | 0.87ヵ月分 |
14位:その他のサービス業 | 1.00ヵ月分 |
15位:生活関連サービス等 | 0.63ヵ月分 |
16位:飲食サービス業等 | 0.41ヵ月分 |
ボーナス平均金額でワースト5に含まれる業界は、基本給に対する支給割合も低いことが分かります。この中でも「生活関連サービス等」と「飲食サービス業等」は、業界全体の平均1.00ヵ月分から大きく下回る結果になりました。
一方で、2022年のボーナス平均金額でトップ5に入る業界は、いずれも基本給に対する支給割合が平均を超えています。
業界によって大きな差がある理由
基本的には会社の業績に応じて支給されるため、景気の良い業界ほどボーナスは増える傾向にあります。業界による基本給の差も、ボーナス平均金額が異なる要因です。一般的には「基本給×○ヵ月分」という式で計算されることが多いため、ボーナスの支給額は基本給にも大きく左右されます。
資産形成やキャリアの参考にしよう
ボーナスの有無や支給額は、将来の資産形成に大きく影響します。まずは勤務先と業界平均金額の差をチェックし、必要に応じて今後のキャリアについて考えてみましょう。毎月勤労統計調査では、毎年の夏季ボーナスと年末ボーナスの平均金額が公開されているため、ぜひ参考にしてみてください。