マンション価格が上がる物件・下がる物件の特徴
(画像=AndriiYalanskyi/stock.adobe.com)

マンションは経年劣化(※)をする建物なので、基本的には時間が経つほど価値が下がります。しかし、マンション周辺で新しいビルや商業施設が建てられる影響などで、予想以上に高く売れる物件も見受けられます。将来的に価格が上がりやすいマンションを選ぶには、どのような点を重視すれば良いのでしょうか。

(※)時間の経過にともなって品質が低下すること。

目次

  1. マンション価格を左右する要因
  2. 将来のマンション価格は誰にも分からない
  3. マンションは「住みやすさ」も意識して選ぼう


マンション価格を左右する要因

マンション価格を左右する要因は、大きく以下の3つに分けられます。

<マンション価格の変動要因>
物件の状況:内装の綺麗さや設備の新しさ
立地の良さ:アクセスの良さや生活の利便性
金利の状況:住宅ローンの返済額が変わって不動産の需要に影響

物件の状況や立地の良さは、「住みやすさ」が重要な判断材料になるでしょう。例えば、リフォームが不要(※)であったり、周辺施設が充実していたりなど、買い手がつきやすいマンションは価格が上がる可能性があります。

金利が上昇するほどローンの返済額が増えるので、新規の住宅ローン利用者が減ることでマンションを購入する人も減る可能性があります。その結果、マンションの需要が少なくなり、価格が下がるかもしれません。

(※)リフォームには大きなコストがかかるため、マンション価格に影響を与える。

マンション価格が上がる物件の特徴

ここからは、価格が上がるマンションの特徴を見ていきましょう。

<マンション価格が上がる物件の特徴>
・間取りが地域のニーズに合っている
・徒歩圏内に駅やスーパー、コンビニ、病院などがある
・最上階や角部屋など、部屋自体の希少性が高い
・管理体制が万全
・治安や景観が良く、落ち着いて暮らしやすい
・マンション自体や周辺の再開発が予定されている
・高級住宅街
・ブランドマンション

価格が上がりやすいマンションは、地域によって変わります。例えば、子育て世帯が多いエリアではファミリータイプ(3LDKなど)の間取りや、近くに学校のある物件などが好まれます。

この他にも、エントランスが清潔に保たれているなど、管理体制もマンション価格に影響するポイントです。適切な修繕計画(※)があったり、防災訓練などのイベントが積極的に実施されていたりする物件は、売れる傾向にあります。

(※)建物や設備などを定期的に点検・修理するための計画のこと。

マンション価格が下がる物件の特徴

次に、価格が下がりやすいマンションの特徴を紹介します。

<マンション価格が下がる物件の特徴>
・築年数が10年を超えている
・生活に必要な周辺施設が少ない
・清掃頻度や修繕積立金などの管理状況が悪い
・耐久性や防音性が低い
・治安や景観、日当たりが悪い
・地震や浸水などのリスクが高い

築年数による値下がりは、築10年で新築時の70~80%、築20年で60%以下、築25年では50%以下が目安になります。建物の経年劣化はもちろん、設備の古さもマンション価格を左右するため、築年数は大きな影響を与えます。

また、周辺環境の変化によって価格が下がるケースもあります。例えば、隣に高層マンションができたことで景観や日当たりが悪くなると、住みづらくなる影響でマンション価格が下がる場合があります。

将来のマンション価格は誰にも分からない

マンション価格には多くの変動要因があるため、将来の価格を正確に予測することはできません。マンションを購入した時点で値上がりする物件の特徴に当てはまっていても、状況によっては値下がりするケースもあります。

参考として、以下では予想が難しいマンション価格の下落要因をまとめました。

<予想が難しいマンション価格の下落要因>
・景気が悪化し、マンションを購入する人が減った
・近くに幹線道路などができ、騒音や振動の影響を受けるようになった
・治安の悪化を引き起こす施設が建てられた
・人口が減った影響でお店や施設も減った
・間取りや設備の流行が変化した
・修繕積立金の値上げ(※)

前述で紹介した金利も、予想が難しい変動要因です。日本の住宅ローンの金利は1990年代から低金利が続いていますが、将来的に上昇しないとは限りません。

将来的に高く売れるマンションを探すには、さまざまな価格の変動要因を意識して情報収集をする必要があります。

(※)修繕積立金が値上げされると毎月の支出が増えるので、買い手が見つけにくくなり、マンションの売却価格を下げる必要が出てくる。

マンションは「住みやすさ」も意識して選ぼう

住みやすく管理状況も良いマンションを選ぶと、将来的に高く売れる可能性があります。これからマンションを探す際は、価格が下がるマンションの特徴を持っていないか確認することが大切です。

ただし、住むためにマンションを購入するのなら、まずは住みやすさを重視して物件を調べてみてください。将来のマンション価格も重要ですが、生活を豊かにしてくれる住まいを手に入れる方が人生を充実させてくれるでしょう。