SNSでみんなが「買い」と言ってる・・・買うべき?
(画像=SomYuZu/stock.adobe.com)

SNSが登場したことにより、最近ではインターネットで手軽に投資情報を収集できるようになりました。専門家や有名トレーダーの発言も簡単にチェックできますが、SNS上の意見をもとに投資の方向性を決めることは正しいのでしょうか。

本記事ではSNSに頼った情報収集のリスクや、一時情報をチェックする重要性について紹介します。

目次

  1. 投資情報を収集しやすいSNS
  2. 安易にSNSの情報を信じても大丈夫?
  3. 一次情報を調べる重要性と、自分の頭で分析する重要性
  4. どんな一次情報を調べ、分析すべき?
  5. 一次情報を収集・分析するためのスキルを身につけよう


投資情報を収集しやすいSNS

TwitterやFacebookをはじめとするSNSでは、毎日多くの投資情報が発信されています。どのような情報が多く見られるのか、一例を紹介しましょう。

<SNSでよく見られる投資情報>
・有名トレーダーによるチャート分析
・投資に成功している人の取引履歴
・狙い目の金融商品(株式や投資信託など)

金融商品の相場が大きく動いたときや、経済に影響する出来事があった場合は、トレンドに関連ワードが表示されることもあります。

安易にSNSの情報を信じても大丈夫?

SNSの投資情報は、あくまで一部の個人投資家などが発信しているものなので、安易に信じることは危険です。

日本証券業協会の「個人株主の動向について」によると、2020年度末時点で国内には約1,400万人の個人株主がいます。仮に1万人がSNSで情報発信をしていたとしても、それは全株主の0.07%の意見にすぎません。

一次情報を調べる重要性と、自分の頭で分析する重要性

投資の成功率を上げるには、一次情報を収集して自分で分析することがポイントになります。

SNSのユーザーが発信している情報は、その大半が二次情報または三次情報にあたります。例えば、政府機関が発表した統計(一次情報)をもとに、大手メディアがニュース記事(二次情報)を発信し、それを独自に解釈して発信されるもの(三次情報)が多いので、SNSの情報は全てが信用できるわけではありません。

どのような金融商品であっても、最終的な投資判断は自分で下すことになるため、一次情報を収集・分析するスキルを身につける必要があります。

一次情報とは

一次情報とは、直接的な調査や実験などをもとに、個人や組織が最初に発信する情報です。投資における一次情報の発信源としては、以下のような組織が挙げられます。

<一次情報の主な発信源>
・政府(金融庁や経済産業省など)
・日本銀行
・政府系金融機関(日本政策金融公庫など)
・FRB(米国連邦準備制度理事会)
・証券取引所
・証券会社や金融機関
・大手の調査会社 など

上記の組織が発信した情報でも、他団体のアンケート調査やレポートをもとに作成されたものは二次情報にあたります。その点に注意しながら、投資に役立つ一次情報を収集してみましょう。

どんな一次情報を調べ、分析すべき?

一次情報には多くのものがあり、全ての情報を収集することは困難です。投資では売買の判断スピードが求められる場面もあるので、分析に役立つ情報に絞って収集する必要があります。

以下では、株式投資を行う際に参考になる一次情報をまとめました。

<株式投資で参考になる一次情報>
・各企業の決算情報
・証券取引所の月次レポート
・生産実績や失業率などの経済指標

各企業の決算情報は、将来の株価や配当金に影響するものです。また、証券取引所の月次レポートや経済指標からは、投資家や世界経済の動向をチェックできます。

外国株を取引する場合は、上記に加えて現地の政府や金融機関が発信する情報も分析すべきでしょう。最近では、和訳したレポートを公開しているサービスもあるので、英語が苦手な人でも海外の一次情報をチェックできます。

一次情報を収集・分析するためのスキルを身につけよう

SNSで確認できるものは二次情報や三次情報が多いため、全ての情報を信用することは危険です。運用成績が公開されていたとしても、自分の投資スタイルや目的に合っているとは限りません。投資はあくまで自分の判断で行うものなので、SNSの情報を鵜呑みにせず、一次情報を収集して、分析するためのスキルを身に付けておきましょう。