クレジットカードや住宅ローンの審査が通らない人は、いわゆる「ブラックリスト」に載っている可能性があります。一度でもブラックリストに載ると、数年間は金融事故(※)の情報が記録されるため、各種申請で不利になることは避けられません。
本記事ではブラックリストの概要や注意したい行為、確認方法をまとめました。今後の生活にも影響するため、不安を感じている人は確認していきましょう。
(※)借金返済の遅延や債務整理、クレジットカードの利用規約違反などのこと。
いわゆるブラックリストとは
実は、ブラックリストと呼ばれる資料やデータは存在しません。
金融事故などを起こしたときに、信用情報機関にその記録(事故情報)が登録されることを「ブラックリストに載る」と表現します。事故情報が登録されると、個人の信用情報に傷がつくため、クレジットカードの審査などで不利になります。
ブラックリストに載るとどうなる?
ブラックリストに載るとどのような事態になるのか、いくつか例を見てみましょう。
<ブラックリストに載る弊害>
・ローンの審査に通らなくなる
・銀行や消費者金融から融資を受けられなくなる
・新しいクレジットカードを作れなくなる
・ETCカードを利用できなくなる
ブラックリストに載ったとしても各種審査は行われるので、収入状況によってはローンなどを利用できることもあります。ただし、事故情報は最長で10年残るため、日常生活やライフプランへの影響は避けられません。
関連記事 |
---|
クレジットカードでブラックリストに載る行為
クレジットカードは便利ですが、使い方を誤るとブラックリストに載ってしまいます。どのような行為が該当するのか、クレジットカードの注意したい使い方を見ていきましょう。
クレジットカードの短期解約のくり返し
クレジットカードの中には、1年未満で解約をすることで年会費が発生せず、ポイントなどの特典を受け取れるものがあります。発行会社にとって短期解約は望ましくないため、1年未満の解約をくり返すと審査に落ちることがあります。
クレジットカードの契約日や契約終了日は、信用情報として5年間残ります。ブラックリスト扱いになるとしばらくは新規発行ができないリスクがあるため、特典のみを狙った短期解約は控えましょう。
支払いの延滞や滞納
支払いの延滞や滞納は、いうまでもなくブラックリストの対象です。支払い期限は発行会社によって異なりますが、1ヵ月未満の遅れでブラックリスト扱いになるケースもあるため、延滞や滞納は確実に避けましょう。
特にクレジットカードを複数枚もっている人は、引き落とし日を間違えやすいので注意してください。
クレジットカードの不正利用や登録情報の虚偽
クレジットカードには利用規約があり、規約に反した使い方をすると「不正利用」とみなされます。登録情報の虚偽も不正にあたるため、申し込むときには正しい情報を記入・入力しなければなりません。
不正利用とみなされる行為は意外と多いので、以下では一例を紹介します。
<クレジットカードの不正利用の例>
・家族や友人に自分のクレジットカードを貸した
・入会特典のみを目的にクレジットカードを発行した
・年収証明書や本人確認書類をねつ造した
・不正使用の調査に協力をしなかった
・搭載されているICカードに手を加えた(分解や複製、解析など)
この他にも、盗難によってクレジットカードが不正利用された場合も、ブラックリストの対象になることがあります。もし被害が少額であっても、クレジットカードの盗難に気づいたらすぐに発行会社へ連絡を入れましょう。
自分の信用情報を確認する方法
自分の信用情報を確認するには、信用情報機関に開示請求をする必要があります。国内には3つの信用情報機関があり、それぞれ登録されている情報や加盟企業が異なります。
<シー・アイ・シー(CIC)>
銀行やクレジットカード会社、消費者金融などが加盟している。
<日本信用情報機構(JICC)>
消費者金融や信販会社などが加盟、CICと情報交換を行っている。
<全国銀行個人信用情報センター(KSC)>
全国銀行協会が運営。銀行や信用金庫、信用組合などの金融機関が加盟している。
開示請求の方法には「窓口・郵送・ネット」の3つがあり、通常は500~1,000円程度の費用がかかります。すぐに信用情報をチェックしたい人は、信用情報機関の公式サイトにアクセスし、即時に確認できるネット請求を選びましょう。
関連記事 |
---|
将来のためにブラックリストに載らないように注意しよう
クレジットカードは日常的に使うことが多く、気づかないうちにブラックリストに載っているかもしれません。小さなミスであっても、ブラックリストの情報は数年ほど残るため、金融事故は避ける必要があります。クレジットカードをつくる際は規約を確認し、不安を感じるような使い方はしないようにしましょう。