
「米国株に興味はあるが、何から始めればよいかわからない」という方は少なくありません。今回はそのような方に向けて、米国株の始め方や魅力、おすすめの銘柄・証券会社などをまとめました。
目次
米国株3つの魅力とは
米国株には、「リスクが高い」「利益が安定しにくい」といったイメージがあるかもしれません。しかし、米国株には以下のような魅力があり、長期投資や積立投資の選択肢として活用できます。
○米国株(アメリカ株)の3つの魅力
・1株から購入できる
・配当の頻度が多い
・高配当銘柄が多い
それぞれの魅力について、詳しく解説します。
①1株から購入できる
米国株は1株から購入できるため、少ない元手で投資を始められます。国内にも1株から購入できる銘柄(単元未満株)はありますが、国内株の多くは売買単位が100株単位です。
○1株5,000円の銘柄を購入する場合
・米国株…5,000円×1株=5,000円の投資資金が必要
・国内株…5,000円×100株=50万円の投資資金が必要
米国株は少ない資金で大企業の株を購入することができるので、選択肢に加えると投資の幅が広がります。
②配当の頻度が多い
米国株の多くは配当回数が4回であり、3ヵ月に1回のペースで配当金を受け取れます。一方で国内株の配当は年1~2回のものが多く、半年~1年に1回しか配当金を受け取れません。
配当金は金額も大切ですが、配当頻度の多い銘柄を保有すると定期的な収入を見込めます。また、株を購入してから配当金を受け取るまでの時間が短いことも、配当頻度の多い銘柄を保有するメリットと言えます。
③高配当銘柄が多い
アメリカの企業は、日本の企業と比べて株主還元を重視する傾向があります。アメリカの企業は株主優待ではなく配当金で株主に利益を還元するケースが多いため、米国株には高配当銘柄が多く存在します。
高配当銘柄の一例を見てみましょう。
○米国株の直近配当利回り(一例)
・AT&T(T):7.91%
・エクソンモービル(XOM):5.11%
・ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ):4.72%
・ファイザー(PFE):2.87%
※2022年1月8日時点
※Bloombergのデータを参照
ちなみに東証一部の平均配当利回りは2%前後で、日本では4%を超えると高配当銘柄の部類に入ります。
米国株を取り扱う日本の証券会社
米国株を取り扱う国内証券会社の例は以下のとおりで、証券会社によって商品数や手数料は異なります。
会社名 | マネックス証券 | SBI証券 | 楽天証券 | DMM.com証券 | PayPay証券 |
---|---|---|---|---|---|
取扱銘柄数 | 4,291銘柄 | 5,000銘柄以上 | 4,581銘柄 | 1,261銘柄 | 147銘柄 |
取引手数料(税込) | 約定代金の0.495% | 約定代金の0.495% | 約定代金の0.495% | 無料 | 基準価額の0.5~0.7% |
上限手数料(税込) | 22米ドル | 22米ドル | 22米ドル | 無料 | 基準価額の0.7% |
為替手数料(1ドルあたり) | 買付時:0銭 売却時:25銭 | 25銭 | 25銭 | 25銭 | 35銭 |
米国ETF取扱銘柄数 | 349銘柄 | 339銘柄 | 395銘柄 | 138銘柄 | 25銘柄 |
(※2022年1月8日時点)
取引ツールやアプリの使いやすさ、適用されるキャンペーンなども異なるため、情報を収集して比較検討し、自分の目的に合う証券会社を選びましょう。
米国株の買い方
「米国株への投資はハードルが高い」と感じるかもしれませんが、実は以下の3つのステップを踏めば、国内にいながら簡単に米国株を購入できます。
【STEP1】外国株取引口座を開設する
【STEP2】米国株用の資金を用意する
【STEP3】米国株を購入する
購入手順が国内株の場合と異なるので、各ステップについて詳しく解説します。
①外国株取引口座を開設する
まずは、資金の管理や取引に使用する「外国株取引口座」と呼ばれる口座を開設します。すでに証券口座を持っている場合は、同じ証券会社を利用するとすぐに開設できるケースが多いので、米国株を取引できるかどうか調べてみましょう。
外国株取引口座を無料で開設できる証券会社が多く、ネット証券ではすべての手続きをWeb上で完結できます。郵送での手続きに比べると口座開設までの時間が短いため、お急ぎの方にはネット証券の利用をおすすめします。
②米国株用の資金を用意する
外国株取引口座を開設したら、次は購入に必要な資金となる「米ドル」を用意します。米ドルを調達する方法は以下の2つで、それぞれにメリットとデメリットがあります。
・外貨決済:投資家自身が日本円を米ドルに両替し、その資金で米国株を購入する方法
・円貨決済:口座に預けた日本円で米国株を購入する方法(両替は証券会社が行う)
外貨決済 | 円貨決済 | |
---|---|---|
主なメリット | ・為替手数料を抑えやすい ・再投資をしても為替手数料が発生しない | ・米ドルを用意する手間がかからない ・米国株をスムーズに購入できる ・初心者でもわかりやすい |
主なデメリット | ・米ドルを用意する手間がかかる ・米国株の購入までに時間がかかる ・振替手数料がやや高くつくことも | ・取引のたびに為替手数料が発生する ・外貨決済よりも為替レートが高くなることがある |
上記のメリット・デメリットを踏まえると、全体的なコストを抑えたい方には外貨決済、スムーズに米国株を購入したい方には円貨決済をおすすめします。
なお、外貨決済では外貨を送金(銀行の外貨口座から証券口座へ)する必要があるため、各金融機関の振替手数料もチェックしておきましょう。
③米国株を購入する
購入用の資金を用意できたら、米国株を購入します。証券会社によって注文方法は異なりますが、ここではSBI証券を例に米国株の購入方法を紹介します。
米国株を購入する流れ | 概要 |
---|---|
【1】取引画面にアクセスする | 管理画面にログインし、メニューの「外国株式 海外ETF」をクリック。 その後、画面上部の「取引」から取引画面へと進む。 |
【2】必要な情報を入力 | 表示された画面に取引の内容や株数、ティッカー、決済方法などの情報を入力する。 |
【3】注文決定 | 注文内容を確認し、「注文」をクリックする。 |
SBI証券の取引手数料と為替手数料は、取引金額によって変動します。上限手数料が定められていますが、大きな取引を行うと想像以上の手数料が発生することもあります。取引や注文ができる時間帯も証券会社によって異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
米国株の銘柄を選ぶポイント
米国株と国内株の特徴は大きく異なるため、以下のポイントを意識して特有のリスクを抑えることが大切です。
・「売りたい時に売れる」「買いたい時に買える」銘柄であるか
・安定しているか
・将来性があるか
具体的にどのような点を意識すべきなのか、各ポイントの詳細を解説します。
①「売りたい時に売れる」「買いたい時に買える」銘柄であるか
一般市場に出回る数が少ない(流動性が低い)銘柄を選ぶと、売りたいタイミング・買いたいタイミングで株式を取引できなくなるおそれがあります。希望価格での取引が難しくなるため、米国株を選ぶ際は「流動性」を意識しなければなりません。
一般的に株式の流動性は、大企業や知名度が高い企業ほど高いといわれています。また、出来高や時価総額なども流動性を測るデータであるため、取引の前には各銘柄の詳細をしっかりチェックしておきましょう。
②安定しているか
米国株投資では、値動きや配当の安定性を確認することも大切です。安定性の低い銘柄は大きな損失につながるリスクが高いので、銘柄を選ぶ際は以下のような点から現在のパフォーマンスを分析しましょう。
・近年の成長率はどれくらいか
・短期的・長期的なリターンの割合
・リーマンショックなど、経済ショックによる影響の大きさ
・経済ショックを受けた後の回復度合い
各銘柄のパフォーマンスをしっかり比較すれば、より安定性の高い銘柄を選べるようになります。
③将来性があるか
米国株投資では、各銘柄の将来性に目を向けるとハイリターンを実現しやすくなります。各企業の将来性は、主に売上高の伸び率や利益率などから判断します。
自身での情報収集や分析が難しい場合は、投資信託やETFに投資する方法もあります。
投資信託やETFであれば、成長率の高い企業にまとめて投資できるため、アメリカの市場に詳しくなくても投資を始められます。
米国株投資におすすめの証券会社とその特徴
会社名 | マネックス証券 | SBI証券 | 楽天証券 | DMM.com証券 | PayPay証券 |
---|---|---|---|---|---|
取扱銘柄数 | 4,291銘柄 | 5,000銘柄以上 | 4,581銘柄 | 1,261銘柄 | 147銘柄 |
取引手数料(税込) | 約定代金の0.495% | 約定代金の0.495% | 約定代金の0.495% | 無料 | 基準価額の0.5~0.7% |
上限手数料(税込) | 22米ドル | 22米ドル | 22米ドル | 無料 | 基準価額の0.7% |
為替手数料(1ドルあたり) | 買付時:0銭 売却時:25銭 | 25銭 | 25銭 | 25銭 | 35銭 |
米国ETF取扱銘柄数 | 349銘柄 | 339銘柄 | 395銘柄 | 138銘柄 | 25銘柄 |
※2022年1月8日時点
米国株投資の選択肢を増やしたい方には、銘柄数が多いマネックス証券やSBI証券、楽天証券をおすすめします。ただし、銘柄数以外にも比較すべきポイントがあります。そこで、証券会社選びで特に意識したい点を紹介しましょう。
①米国株の取扱銘柄数が多いか
取扱銘柄数を重視する方には、米国株・米国ETFの取り扱いが多いマネックス証券をおすすめします。時期によって多少前後しますが、マネックス証券は取扱銘柄数がNo.1だったこともあり、どの時期を見ても安定して多くの米国株・米国ETFを取り扱っています。
他にも、マネックス証券には以下のような魅力があります。
○マネックス証券の魅力
・特定口座を利用した米国株取引が可能
・時間外でも米国株を取引できる
・リアルタイム株価情報を無料で提供している
・世界的に有名な銘柄を多く取り扱っている
・米国株専用のスマートフォンアプリを提供している
中でも特定口座を利用した取引は便利であり、米国株と他の投資の損益通算をマネックス証券が行ってくれるため、確定申告が不要もしくは簡易的な確定申告で済ませることができます。
②売買時の手数料が安いか
証券会社選びでは、売買時の取引手数料や為替手数料の安さも押さえておきたいポイントです。
売買時の手数料は少額であることが多いものの、取引を繰り返して積み重なると大きなコストになります。そのため、証券会社選びでは取引手数料や為替手数料をしっかり比較して、少しでも安いところを選ぶことが大切です。
例えば、買付時の為替手数料が無料になるマネックス証券や、取引手数料がかからないDMM.com証券は、米国株の取引コストを抑えやすい証券といえます。条件を満たすことで手数料が安くなる証券会社もあるので、それも加味して情報収集や比較を進めましょう。
③お得なキャンペーンがあるか
証券会社の中には、キャッシュバックやポイント付与といったお得なキャンペーンを実施しているところがあります。国内の証券会社が実施しているキャンペーンの一例を紹介しましょう。
証券会社 | キャンペーンの一例 |
---|---|
マネックス証券 | 外国株取引口座への初回入金で、取引手数料が実質無料(入金日から40日間)。 |
SBI証券 | 期間中の米国株式もしくはETF定期買付サービスの約定で、買付手数料の全額をキャッシュバック。 |
楽天証券 | 特定期間内での総合口座の開設により、米国株の取引手数料を全額キャッシュバック(口座開設から2ヵ月間)。 |
DMM.com証券 | 新規口座を開設した人の中から、抽選で10名に2,000円をプレゼント(毎月)。 |
PayPay証券 | 期間中に日本株・米国株を合計1万円以上購入した人の中から、抽選で1,500名に1,000円分の投資資金をプレゼント。 |
(※2022年1月8日時点)
実施中のキャンペーン内容は時期によって変わることがあるため、各社の公式サイトなどで最新の情報をチェックしておくことが大切です。
④初心者にもうれしい投資情報や活用したいツールがある
購入する米国株を選ぶ上で、日々の情報収集は欠かせません。したがって専門誌や資料などを無料で閲覧できる、注目銘柄を手っ取り早くチェックできるといった便利なツールの有無も、証券会社選びでは重要なポイントになります。
例えばDMM.com証券が提供するスマホアプリ「DMM 株」では、人気上昇中の注目テーマが頻繁に更新されます。また、米国で最も有名な投資週刊誌「バロンズ」のダイジェスト版や、アナリストなどの予想を無料で閲覧できることも、DMM.com証券ならではの魅力です。
他の証券会社も、取引ツールやアプリなどで独自の投資情報を提供しています。より有益な情報を効率的に得るためには、証券会社を情報収集の観点でも比較することをおすすめします。
⑤ポイント利用や、取引ツール、情報コンテンツがある
よりお得で便利に米国株投資をしたい場合は、ポイント利用や取引ツール、情報コンテンツで証券会社を比較することも大切です。
例えば、楽天証券は楽天ポイントで米国株を購入することができます。テクニカルチャートや情報コンテンツが充実した「iSPEED(アプリ)」や「マーケットスピードII(PC用ツール)」も無料で提供しているため、楽天証券はお得かつ便利に米国株投資ができる証券会社といえるでしょう。
他にも、楽天証券はプロの売買テクニックを活用できる「あるご注文」など、初心者に役立つサポートを数多く用意しています。
初心者におすすめの投資スタイルとは?
株式投資のスタイルは、大きく「グロース投資」と「バリュー投資」に分けられます。
初心者にはどちらの投資がおすすめなのか、各投資の概要とともに解説します。
グロース投資
グロース投資は、順調に成長している企業に投資する方法です。基本的には売上や利益が市場平均より高く、商品・サービスの競争力も高い成長企業を投資先として選びます。
グロース投資のメリット | グロース投資のデメリット |
---|---|
・大きな売却益を狙える ・最先端の技術を持つ企業に投資できる | ・割高な銘柄が多い ・利益を得るまでに時間がかかることも |
グロース投資では企業が成長すると大きな利益を得られますが、成長性が株価に反映されやすいため、割高な銘柄が多いことがデメリットです。
バリュー投資
バリュー投資は、企業の価値や業績に対して割安な銘柄に投資する方法です。
有名な投資家である「ウォーレン・バフェット」が実践している手法であり、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といった指標が用いられます。
バリュー投資のメリット | バリュー投資のデメリット |
---|---|
・低リスクで運用しやすい ・配当や株主優待を行っている企業が多い | ・大きなリターンを期待できない ・業績悪化によって割安になっているケースもある |
バリュー投資は投資先のボラティリティ(株価の変動幅)が低い傾向があるため、ローリスクで運用したい初心者に適しています。ただし購入後に株価が下落することもあるため、リスクを抑えたい方は複数の銘柄に資金を分散して、長期分散投資を実現できるように調整しましょう。
米国株の取引上の注意点
米国株特有のリスクを抑えるには、以下の点に注意して取引を行う必要があります。
・決算書で見るべきポイント
・サーキットブレーカー
・課税の仕組み
やや専門的な内容も含まれるので、それぞれについて詳しく解説します。
①決算書で見るべきポイント
米国株の決算書では、以下の2つを重点的にチェックすることが大切です。
決算書のチェックポイント | 概要 |
---|---|
ROE(株主資本利益率) | 株主資本によって、どれくらいの利益が出ているかを示す指標。経営効率を端的に表しているため、企業の財務状況を測りやすい。 |
売上高や利益成長率 | 売上高や利益成長率は、その企業の力を端的に表す指標といえる。これらの指標が毎年上昇している企業は、業績が安定している可能性が高い。 |
これらの指標に問題がないにも関わらず、経済ショックなどの影響で一時的に暴落している銘柄は、割安で購入できるチャンスと判断できます。ただし、ROEに関しては債務を増やし、好景気に乗ることで上昇するケースもあるため、これらの指標だけで投資先を選ぶのは危険です。
自己資本比率や有利子負債比率などにも目を向けながら、総合的に財務体質の健全性を判断しましょう。
②サーキットブレーカー
アメリカの株式市場には、日本のようなストップ高・ストップ安の制度がありません。その代わりに、急な乱高下が発生した場合は「サーキットブレーカー」が発動され、一定期間内(15分もしくは1日)は市場における取引がすべて停止されます。
日本にも同様の制度(特別気配や連続約定気配)がありますが、これらは一部の先物やオプション市場のみを対象としています。アメリカの株式市場において、実際にサーキットブレーカーが発動した例を見てみましょう。
サーキットブレーカーの発動時期 | 主な要因 |
---|---|
1987年 | ブラックマンデー |
1997年 | 香港市場の下落や世界的な金融不安 |
2020年 | 新型コロナウイルスの世界的流行 |
1997年以降は長らく発動されていませんでした、新型コロナウイルスの影響を受けた2020年3月には4回もサーキットブレーカーが発動されました。サーキットブレーカーが発動されると、保有している米国株が下落しても手放せない状態になるため、特に経済状況が不安定な時は細心の注意を払う必要があります。
③課税の仕組み
米国株と日本株は、課税の仕組みが少し異なります。米国株の売買によって生じた利益には、日本株と同じく国内で課税(税率20.315%)されます。
一方で配当による利益はアメリカで課税(税率10%)された後、さらに日本国内でも課税(税率20.315%)されるため、二重課税を避ける手続きをしなければなりません。
配当益の二重課税を避けるには、確定申告において「外国税額控除」の欄に必要な事項を記入します。なお二重課税が発生しない場合でも、以下に該当する方は確定申告の義務が生じます。
○確定申告が必要になる条件
以下のいずれかを満たす場合は、確定申告の義務が発生する。
【1】ひとつの勤務先から給与を受け取っており、給与所得・退職所得以外に20万円を超える所得がある
【2】複数の勤務先から給与を受け取っており、主たる給与を除いて20万円を超える所得がある
【3】給与の年間合計額が2,000万円を超えている
「源泉徴収あり」の特定口座を利用すると、発生した利益から自動的に税金が天引きされるため、確定申告の手間を省くことができます。
米国株に関するQ&A
最後に、ここまでで紹介できなかった米国株の基礎知識をQ&A形式でまとめました。取引可能時間などのルールや税金、NISAといった専門的な内容まで紹介しているので、米国株投資を始める前にチェックしておきましょう。
Q. 米国株の取引可能時間は?
米国株の取引可能時間は、季節によって異なります。
時期 | 取引可能時間(現地時間) | 取引可能時間(日本時間) |
---|---|---|
冬時間 | 9時30分~16時 | 23時30分~翌朝6時 |
夏時間(サマータイム) | 8時30分~15時 | 22時30分~翌朝5時 |
(※サマータイムの期間は3月第2日曜日から11月第1日曜日まで)
利用する証券会社によっては、現地時間の8時から9時30分まで取引ができる「プレマーケット」と、現地時間の16時から20時まで取引ができる「アフターマーケット」が用意されています。ただし、立会時間外での取引は一部の証券会社に限られます。
Q. 米国株の最低取引単位は?
基本的な売買単位が100株である日本株とは異なり、多くの米国株は1株から購入できます。そのため、手元に数万円の資金があれば、誰もが知る有名企業の株式を購入することができます。
○1万円で購入できる米国株の例
・AT&T(T)
・エクソンモービル(XOM)
・コカ・コーラ(KO)
・アフラック(AFL) など
(※2022年1月8日時点)
少額投資から始めたい方にとって、最低取引単位が1株である点は大きなメリットといえるでしょう。
Q. 米国株の魅力は?
米国株の最大の魅力は、世界的に有名な企業に投資できることです。例えば、超巨大IT企業であるGAFAM(※)の銘柄も数万円、数十万円の資金があれば1株から購入できます。
(※)Google、Apple、Facebook(Metaに社名変更)、Amazon、Microsoftの総称。
また、米国企業は利益還元の意識が高く、多くの銘柄では四半期ごとに配当金が支払われます。国内株に比べると配当利回りも高いので、長期の少額投資でもある程度の利益を狙えます。
Q. 米国株はどのような人におすすめ?
米国株は配当利回りが高く、情報開示の透明性は世界トップクラスです。そのため、米国株は長期での資産形成を考えている方や、情報収集の精度を重視する方などにおすすめです。
長期にわたって連続で増配している銘柄が多いことも、米国株ならではの魅力です。中には増配年数が50年を超える企業もあるため、20~30代の方が老後まで配当をもらい続けることができるかもしれません。
Q. 税金は日本とは異なる?
米国株の税金の扱いは、発生した利益の種類によって異なります。
・売却益:日本国内で20.315%の税金が発生(米国現地では非課税)。
・配当益:米国現地で源泉税を10%徴収された後に、日本国内で20.315%の税金が発生。
なお、本籍が米国ではない銘柄を購入した場合は、本籍地の税金が課せられます。つまり源泉税が10%から変動することもあるので、購入する前に本籍地の税制を確認しておきましょう。
Q. 為替差益が出たら確定申告は必要か?
米国株取引の売買損益には、米ドルを用意するために行った外国為替取引による為替損益も含まれます。そのため、米国株投資によって為替差益が生じても、原則として確定申告を行う必要はありません。
ただし、調達した米ドルを株の購入に使わなかった場合は、確定申告の義務が生じることもあります。この判断はケースによって異なる場合があるため、迷ったり悩んだりした場合は税務署で相談してみましょう。
Q. NISAで米国株は買えるのか?
NISAの投資対象商品には外国株が含まれているため、NISAで米国株を購入することは可能です。
例えば、本記事で紹介したマネックス証券やSBI証券、楽天証券、DMM.com証券、PayPay証券は、いずれもNISAの対象商品として先進国株式を取り扱っています。
NISAには年間120万円の非課税枠があるため、米国株投資にもおすすめです。ただし、実際に投資できる商品は証券会社によって異なるため、NISAを利用する場合は各社の情報を調べておきましょう。